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「がん死亡率で第1位」「進行するまで症状が出ない」50代以上に急増する“大腸がん”…なりやすい人の特徴とは?

  • 2025.8.26
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

大腸がんは日本人のがん死亡原因の上位に位置し、じわじわと増加傾向にある病気です。症状が現れにくく、気づかないうちに進行してしまうケースも多いため、初期サインの理解と早期発見が非常に重要です。

今回は、身体に関するさまざまな悩みを医師の目線で解説する、池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニックの動画をご紹介。動画では、院長の柏木先生が教える『大腸がんのサインと早期発見のコツ』を紹介します。

大腸がんとは?なりやすい人の特徴

大腸がんは、大腸(結腸や直腸)にできる悪性腫瘍です。日本では高齢化や食生活の欧米化に伴い、年々患者数が増加しています。特に注意すべきは、女性におけるがん死亡率で第1位という点です。

大腸がんは、進行するまでほとんど症状が現れません。そのため、定期的な検査を受けることが非常に重要です。

次のような方はリスクが高いため、特に注意が必要です。

  • 50歳以上(ただし30~40代での発症も増加中)
  • 家族に大腸がん患者がいる(遺伝的リスク)
  • 脂肪分や加工肉中心の食生活(野菜・食物繊維不足も危険)
  • 飲酒・喫煙習慣がある
  • 運動不足・座りっぱなしの生活

こうした生活習慣や環境が重なると、リスクはさらに高まります。

進行すると、腸の狭窄や閉塞により便やガスが出にくくなり、激しい腹痛の症状などがあらわれます。また、慢性的な出血による貧血や原因不明の体重減少が見られることも。さらに、肝臓や肺などへの転移リスクもあり、発見が遅れるほど治療は難しくなります。

定期検査が早期発見のカギ

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出典:池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック

大腸がんは、以下の2つの検査方法によって早期に発見することができます。

  1. 便潜血検査
    便に血が混じっていないかを調べる簡易検査。痛みもなく、短時間で済むため、定期的な検査に適しています。
  2. 大腸内視鏡検査
    内視鏡を使って大腸全体を直接観察する検査。ポリープやがんを発見し、その場で組織を採取したり切除したりすることが可能です。
  3. 最近では、鎮静剤などを使用してリラックスした状態で受けられるようになっており、「思ったより楽だった」という声も多く聞かれます。検査費用は保険適用で約5,000円から受けられることが多く、経済的な負担も比較的軽いのがポイントです。

理想的には年に1回、少なくとも2年に1度は検査を受けることが推奨されています。
なお、会社の健康診断では大腸の検査が含まれていない場合もあるため、個別に内視鏡検査を受けることをおすすめします。

生活習慣を意識することが大切

大腸がんは「沈黙のがん」と呼ばれるほど、初期には気づきにくい病気です。だからこそ、定期検査で早期に発見することが何より大切です。

また、大腸がんは生活習慣の改善でも予防が可能です。

  • 食物繊維を多く含む 野菜・果物・海藻・発酵食品 を積極的に摂る
  • 脂肪分や加工肉の摂りすぎを控える
  • 毎日30分程度のウォーキングなど適度な運動をする
  • 禁煙・節酒を心がける

日々のちょっとした習慣の積み重ねが、将来の健康を守るのです。

特に40歳以上の人や、家族に大腸がんの既往がある人、便通に変化を感じる人は、ぜひ一度検査を受けてみてくださいね。

動画:『池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック
協力:『【知らないとヤバい!】大腸がんのサインと早期発見のコツ|専門医が解説


池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院 院長:柏木 宏幸

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埼玉医科大学医学部卒業。東京女子医科大学消化器内科にて助教として勤務。複数の医療機関で臨床経験を重ね、2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及を目指し、企業や地域住民を対象とした健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療に幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性を発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院:https://www.ikebukuro-cl.com

※本記事は動画の権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています。