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1年で約10万人が亡くなっている『脳卒中』→年齢に関係なく注意してほしい…避けるべき“NG習慣”とは【医師の監修】

  • 2025.9.30
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

毎年日本で約10万人もの方が脳卒中で亡くなっているという事実をご存知でしょうか?「まだ大丈夫」と思っている間に忍び寄る脳卒中は、突然命を奪うだけでなく、後遺症で生活の質を大きく下げる恐ろしい病気です。では、その原因は何なのでしょう?日常生活の中でついやってしまいがちな“NG習慣”が、実は脳卒中のリスクを高めてしまうことをご存じですか?この記事では、普段の生活に潜む危険な行動や習慣について詳しく解説し、今日からできる対策までをわかりやすくお伝えします。

現代人に増える脳卒中の背景と見逃されがちな危険サイン

脳卒中は主に「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」の3種類に分けられます。脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳の機能が急激に損なわれるため一刻を争う疾患です。また脳卒中は日本における死亡原因の上位に位置し、主に高齢者に多い病気ですが、近年は40〜50代の中年層にも一定数みられるようになっています。シンプルに「年齢が高いほどリスクが高い」というだけではなく、生活習慣や環境の変化も大きく関わっているのです。

特に現代社会では、運動不足や過度なストレス、偏った食生活などが普段の生活に多く混在しているため、知らず知らずのうちに“脳卒中のリスク因子”を増やしてしまっているケースが多いのが現実です。また、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの基礎疾患を持っている人はさらに注意が必要です。

さらに驚くべきことに、一見ささいに思える日常の“NG習慣”が蓄積することで、脳卒中の引き金となっていることもあります

避けるべき“NG習慣”とは?具体例を知って脳卒中を防ごう

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

脳卒中を引き起こす要因は複数ありますが、まずは以下のNG習慣を見直すことが大切です。

  • 過剰な塩分摂取:塩分を多く摂ると血圧が上がりやすく、脳卒中のリスクが高まります。日本人の食事はどうしても塩分過多になりがちなので、減塩を意識した食生活が必要です。
  • 喫煙:タバコは血管を傷つけ、動脈硬化を促進します。これが脳卒中のリスク因子として非常に強力です。
  • 運動不足:定期的な運動不足は肥満や高血圧、糖尿病を悪化させます。軽いウォーキングでも血流改善に効果的です。
  • 睡眠不足・不規則な生活リズム:睡眠は脳の健康に欠かせない時間。慢性的に睡眠不足だと血管の修復機能が落ち、脳卒中リスクを高めます。
  • ストレスの放置:強いストレスは血圧を上げるほか、生活習慣病の悪化にもつながります。適度な休息や気分転換が重要です。

これらの習慣は自分で改善が可能な部分も多く、意識を変えるだけでも大きな効果が期待できます。また、定期的な健康診断で血圧や血糖値、コレステロール値をチェックし、専門医の指導を受けることも不可欠です。

最近ではスマートフォンの健康管理アプリやウェアラブルデバイスを活用して生活習慣を見直す人も増えています。日々のちょっとした習慣を変えることが、脳卒中予防の第一歩になるのです。

無理なくできる生活改善で命を守ろう

脳卒中は突然訪れ、時に命を奪うだけでなく、後遺症という長い闘いも強いる怖い病気です。しかし、正しい知識を持ち、自分の生活を見直すことで、そのリスクは確実に減らせます。まずは身近なNG習慣を知り、できる範囲で少しずつ生活を改善してみてください。

たとえば、味付けを減塩に切り替えたり、エレベーターの代わりに階段を使ったり、タバコをやめるためのサポートを利用したり。小さな積み重ねが大きな健康効果に繋がります。脳卒中は生活習慣の改善や基礎疾患の適切な治療により、予防できる可能性の高い疾患であることをぜひ覚えておきましょう。


監修者 加藤大也/たいや内科クリニック 院長

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1997年、藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)卒業後、同大学院医学研究科内分泌・代謝内科学修了。2003年4月から同大学医学部内分泌・代謝内科助手を務める。2010年5月、JA愛知厚生連豊田厚生病院内分泌代謝科病棟部長などを経て2022年5月、たいや内科クリニックを開院。糖尿病専門医・総合内科専門医・甲状腺専門医 藤田医科大学医学部客員講師。医学博士 糖尿病、生活習慣病を中心に、日々診療に取り組む。患者さん目線で分かり易い説明がモットー

たいや内科クリニック公式サイト https://taiya-naika.com