意外に間違える人が多いかも…？「8÷0.01」→正しく計算できる？

お菓子を分けるとき、割り勘で払う金額を知りたいとき、などなど、生活の中で割り算をする機会はそれなりにあります。

しかし、同じ割り算でも「小数で割る」場面は、ほとんどないのではないでしょうか。

ルールを忘れがちな「小数で割る」問題、正しく計算できるか試してみましょう。

問題

次の計算をしなさい。
8÷0.01

正解は、「800」です。

割り算といえば、割られる数の答えが小さくなるイメージを持っている人もいるかもしれません。

しかし、この問題では割られる数の8よりも答えの方が大きな数になりました。

どうしてこうなるのかは、次の「ポイント」で、小数の割り算の計算方法を確認すると分かりますよ。

この問題のポイントは、「割る数を小数から整数にすること」です。

小数で割る計算は、そのままでは普通の割り算のように計算ができません。

8÷0.01

そこで、割る数の小数点を右に移動して整数にします。

0.01→1

0.01が1になるということは、小数点は右に2桁分動いていますね。

次に、割られる数8の方も割る数と同じだけ小数点を右に移動します。8には小数点が付いていないのでピンと来ないかもしれません。そんなときは「8=8.00（小数点以下の0が省略されている）」と考えて、隠れていた小数点を見える化しましょう。

8=8.00

8.00の小数点を右に2桁動かすと、800になりますね。

8.00→800

これで小数の割り算は整数の割り算に変わりました。この計算結果がそのまま問題の答えになります。

8÷0.01
=800÷1 ←割られる数、割る数の小数点を右に2桁動かして計算する
=800

ここまでの計算の流れをまとめると、次のようになります。

<小数の割り算の計算ルール>

ステップ1：割る数が整数になるまで小数点を右に移動する
ステップ2：割られる数もステップ1と同じ桁数分の小数点を右に移動する
ステップ3：割り算をする

さて、小数の割り算の計算ルールは分かったものの、「8÷0.01」を「800÷1」として計算してもよいことに釈然としない人もいるかもしれません。

「8÷0.01=800÷1」となる理由を知りたい人は、8÷0.01を8/0.01という分数の形に直してみましょう（a÷bはa/bと表せます）。

8÷0.01
=8/0.01

分数は分子と分母に同じ数を掛けても、大きさは変わりません。そこで、分子と分母に100を掛けてみてください。

8/0.01
=(8×100)/(0.01×100)
=800/1

最後に、800/1を割り算の形に直します。

800/1
=800÷1

「8÷0.01」が「800÷1」になりました。

なお、ここで見たように、小数点を右に2桁移動することは、計算でいえば100を掛けることと同じです。この背景が分かると、「0.01で割ると答えが割られる数よりも大きくなる」ことも理解しやすくなるのではないでしょうか。

今回の問題に挑戦することで、「小数で割る」計算方法が復習できたのではないでしょうか。

小数で割る場合は、まず割る数が整数になるまで小数点を右に移動します。次に、同じ桁数分だけ、割られる数の小数点も右に動かします。すると式は「整数で割る」割り算に変わるので、このまま計算して答えを求めます。

なお、小数の割り算のステップは、小数の掛け算のステップと混同しやすいので、しっかり区別して覚えておきましょう。引き続き、小数の掛け算問題にもチャレンジしてみると理解が深まりますよ。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。

文（編集）：VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。

もう一問挑戦！

小数点の位置に気を付けて！「3.2×0.8÷2」→正しく計算できる？