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『ONE PIECE』アニメの“放送時間帯変更”から見えてくる変化とは?

  • 2025.9.30
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※Google Geminiにて作成(イメージ)

国民的アニメ『ONE PIECE』が、これまでの朝の放送枠から、ついに深夜枠へ移動しました。アニメの放送時間の変更は、一見すると単なる編成上の都合のように思えます。しかし、その背景には業界の戦略やターゲット層の変化が色濃く反映されています。近年は、子ども向けと大人向けの境界が曖昧になり、放送時間帯からも“どの世代に向けて作られているのか”を読み取れるようになってきました。

今回は、時間帯変更から見えるターゲット層の変化を解説します。

※この記事は112巻までのネタバレを含みます。

ゴールデンタイムから朝、そして深夜へ

かつて国民的アニメは、ゴールデンタイムや夕方に放送され、子どもたちが学校から帰宅して家族と一緒に楽しむものでした。『ドラゴンボール』『セーラームーン』、そして『ONE PIECE』もその典型例です。

しかし2000年代以降、深夜アニメ枠が拡大。『涼宮ハルヒの憂鬱』や『けいおん!』のヒットをきっかけに、深夜帯は高校生以上から社会人までのアニメファンをターゲットとする市場に変化しました。ゴールデンタイムから深夜への移行は、まさに「子ども向け」から「大人向け」への重心シフトを意味しています。

時間帯変更は“購買層”の変化

アニメの放送時間を変更する最大の理由のひとつは「スポンサー戦略」です。

夕方やゴールデンタイムは、玩具や文具など子ども向け商品との連動が強いのに対し、深夜枠は円盤やグッズ、配信契約といった“コアファン向けの高額消費”が見込めます。

例えば、夕方放送の『妖怪ウォッチ』は子ども向け展開で大ヒットしましたが、ブーム沈静後には時間帯が微調整されました。一方、『進撃の巨人』や『鬼滅の刃』は深夜スタートで大人層を中心に世界的ブームを生み出しています。時間帯変更は単なる視聴率対策ではなく、「誰に物を売るか」というマーケティング上の転換点でもあるのです。

子どもから親世代へ ― 二層構造の変化

近年、子ども向け作品でも親世代を意識した戦略が顕著です。日曜朝の戦隊・プリキュア枠では、グッズを購入する決定権を持つ親向けに、デザイン性やメッセージ性がより強調されるようになりました。アニメはもはや“子どもだけのもの”ではなく、“親子で楽しみ、親が財布を開くコンテンツ”へと変化しているのです。

配信時代と時間帯の意味

動画配信サービスの普及により、「時間に縛られずアニメを楽しむ」視聴習慣が広がっています。そのため、放送時間帯の意味は薄れつつあるように見えます。しかし編成側からすれば、時間帯は依然として“誰に訴求するか”を示すサインです。

深夜に放送される作品は「コア層向け」であり、夕方に戻る作品は「一般層向け」という意思表示になります。例えば『鬼滅の刃』は深夜スタートでしたが、社会現象化に伴いゴールデンタイムに特番が組まれるようになりました。ターゲット層が広がったことを編成が示しているのです。

時間帯変更から読み解ける未来

アニメの時間帯変更を追うことで、業界全体の方向性も見えてきます。

  • ゴールデン → 深夜:子ども向けから大人ファン市場へ
  • 深夜 → ゴールデン:コア層から一般層への拡張
  • 夕方 → 朝:低年齢層や親子向け市場へのシフト

この流れは、単なる視聴率調整ではなく、“どの世代に夢を届けるか”という戦略的選択の表れです。

まとめ

今回は、「時間帯変更で見えるターゲット層の変化」をご紹介しました。

アニメの時間帯変更は表面的には編成上の事情に過ぎません。しかし、その裏側にはターゲット層の変化、購買行動の変化、さらには社会全体におけるアニメの立ち位置の変化が透けて見えます。

「子どもから大人へ」「コアから一般へ」「親子で共有へ」――時間帯はその縮図であり、アニメ文化が世代を超えて浸透していく過程を映し出す鏡なのです。


※記事内の画像はイメージです。
※当記事は、投稿者の許諾をいただいた上で記事化しております。

※出典:「ゆっくり考察クリーム」
※参考動画:【驚愕‼️】アニワンが深夜枠へ移動したヤバイ理由がコレ!揺れるフジテレビ問題