1. トップ
  2. なぜ、生理のたびに『下痢や便秘』になるの?!→医師が明かす、“驚きの理由”と隠れた“危険な病気の可能性”とは?

なぜ、生理のたびに『下痢や便秘』になるの?!→医師が明かす、“驚きの理由”と隠れた“危険な病気の可能性”とは?

  • 2025.8.10
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

毎月訪れる生理の期間中、多くの女性が「体調が悪くなる」「しんどい」と感じますよね。頭痛や腹痛、イライラなど、さまざまな不調が重なって起こる場合もあります。でも、そもそもどうして生理中にこんなに体調不良が起きるのでしょう?今回は、身体に関するさまざまな悩みを医師の目線で解説する、池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニックの動画をご紹介。動画では、院長の柏木先生が教える『生理の前後に胃腸の調子が悪くなる理由』を紹介します。

生理と胃腸の関係とは

生理前の時期(黄体期)になると、体内では「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が多く分泌されます。このホルモンは妊娠を維持するために重要な役割を担っている一方で、腸の動きを抑制する作用もあります。腸のぜん動運動が低下すると、便が腸内に長くとどまることになり、水分が過剰に吸収されて便が硬くなります。これがいわゆる便秘の状態です。

生理前はホルモンの影響に加えて、ストレス、食欲の変化(甘いものや脂っこいものを好む傾向)、むくみなども重なり、便秘が悪化しやすいとされています。

生理が始まると、今度は「プロスタグランジン」という物質が体内で増加します。プロスタグランジンは子宮を収縮させ、経血を排出しやすくする働きがありますが、腸にも作用してしまうため、腸の動きが活発になりすぎてしまうのです。その結果、下痢や軟便といった症状が起こることがあります。とくにプロスタグランジンの分泌量が多い人ほど、腹痛やお腹の張り、強い下痢などが起こりやすい傾向にあります。

過敏性腸症候群の可能性もチェック

undefined
出典:池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック

生理周期に合わせて胃腸の不調が起きる方の中には、過敏性腸症候群の可能性が隠れている場合もあります。

過敏性腸症候群は、明確な器質的疾患(腫瘍や炎症など)はないものの、腸が過敏になり、便通異常や腹痛などの症状が繰り返し起こる状態を指します。

主な症状には次のようなタイプがあります:

  • 便秘型:排便が困難で、お腹が張る
  • 下痢型:急な腹痛とともに水様便が出る
  • 混合型:便秘と下痢が交互に起こる
  • 分類不能型:明確に分類できないが不調が続く

女性の場合、ホルモンバランスの変化が過敏性腸症候群の症状を悪化させる引き金になることがあります。

生理前後に起こる胃腸の不調をやわらげるには?セルフケアのポイント

生理前に悩む方が多いのが便秘です。これはホルモンの影響で腸の動きが鈍くなることが原因とされています。

便秘を防ぐためにまず心がけたいのは、「食物繊維」をしっかり摂ること。腸内の環境を整え、排便リズムを助けてくれる働きがあります。野菜や果物、穀物、豆類をバランスよく摂り入れましょう。
特に朝食に食物繊維を取り入れると、腸の動きが活発になりやすく、便秘の予防につながります。

便秘だけでなく、下痢や腹部の不快感などが気になる方は、「腸内フローラ(腸内細菌のバランス)」にも注目を。腸内環境を整えるヨーグルトや乳酸菌飲料を摂り入れることで、腸の働きが正常化され、症状の改善が期待できます。

まとめ:知っておきたい生理中の体調不良と上手な付き合い方

生理中の体調不良は、身体のホルモンバランスの変化が主な原因であり、腹痛やだるさ、精神的な不安定さなど多彩な症状が現れます。ただの「我慢できる不調」と放置せず、自分に合った対策を日常に取り入れることが、快適に過ごす鍵です。


適度な運動や食生活の改善、良質な睡眠が症状軽減に役立ちますし、つらいときは無理せず専門家に相談しましょう。毎月訪れる生理期間も、少しの工夫で過ごしやすくなるので、ぜひ実践してみてくださいね。

動画:『池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック
協力:『【医師が解説】なぜ生理中に体調不良になるの?その対策ってどうしたらいい?全て解説します!


池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院 院長:柏木 宏幸

undefined

埼玉医科大学医学部卒業。東京女子医科大学消化器内科にて助教として勤務。複数の医療機関で臨床経験を重ね、2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及を目指し、企業や地域住民を対象とした健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療に幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性を発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院:https://www.ikebukuro-cl.com

※本記事は動画の権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています。



電車で『痴漢扱い』されたら…逃げた方が有利って本当?!→ 冤罪に巻き込まれた時の“NG行動”とは?【弁護士が監修】
電車で『痴漢扱い』されたら…逃げた方が有利って本当?!→ 冤罪に巻き込まれた時の“NG行動”とは?【弁護士が監修】