「食後に胸焼けがする…」→医師「病気が原因かも」と指摘する、当てはまると危険な“５つの症状”とは？

2025.8.10

夕食後の胸焼けや、いつもよりなんだか喉がムズムズする…そんな症状に心当たりはありませんか？それが単なる一時的なものなら心配いりませんが、実は「逆流性食道炎」という病気が原因かもしれません。

今回は、身体に関するさまざまな悩みを医師の目線で解説する、池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニックの動画をご紹介。動画では、院長の柏木先生が教える『逆流性食道炎のセルフチェックと対処法』を紹介します。

逆流性食道炎とはどういう病気？セルフチェックで自分の状態を確認しよう

逆流性食道炎とは、その名の通り、胃の中の「胃酸（いさん）」が食道に逆流して、食道の粘膜に炎症を起こしてしまう病気です。

胃の中は強い酸である胃酸によって食べ物を消化していますが、食道の粘膜はこの胃酸にとても弱いため、逆流するとヒリヒリとした炎症を起こし、さまざまな症状が出ます。

自分が逆流性食道炎かどうか、簡単に見分ける方法は「Fスケール」という12項目の問診票を使った評価法が一般的です。ただ、日常的には以下のような症状があるかどうかでチェックできます。

胸やけ（熱く焼けるような感じ）
喉の違和感・しみる感じ
起床時に口の中が苦い・酸っぱい
食後や横になると咳が出る
お腹の張り・ゲップが増えた

当てはまる項目が多い方は、逆流性食道炎の可能性があります。

逆流性食道炎の主な原因

逆流性食道炎は、以下のような複数の要因が重なって起こると考えられています。

胃酸の分泌量が多いこと
健康な胃ほど胃酸の分泌は活発です。そのため、胃にピロリ菌がいない健康な人ほど、実は逆流性食道炎になりやすいという一面があります。
腹圧の上昇
ベルトの締めすぎやコルセットの使用、肥満や過食によってお腹（腹部）に圧力がかかると、胃酸が逆流しやすくなります。
また、前かがみの姿勢（デスクワークなど）も、腹圧を高める要因のひとつです。
加齢や肥満による「食道裂孔ヘルニア」
胃と食道の境目にある「横隔膜の裂け目（食道裂孔）」が緩むことで、胃の入り口が閉まりにくくなり、胃酸が逆流しやすくなる状態を「食道裂孔ヘルニア」といいます。これは肥満や加齢により起こりやすいとされています。

牛乳は逆流性食道炎に効果がある？医師が解説

逆流性食道炎に悩む方のなかには、「牛乳を飲むと胃酸が中和されて症状が和らぐ」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。確かに牛乳は一時的に胃の粘膜をコーティングするため、胸やけや喉のヒリヒリ感などを軽減する可能性があります。

ただし注意したいのは、牛乳などの乳製品には脂肪分が多く含まれていること。脂質を多く摂取すると、かえって胃酸の分泌が促され、逆流性食道炎の症状を悪化させるケースもあるのです。特に脂肪分の高い乳製品（生クリームや濃厚なヨーグルトなど）は控えめにしたほうがよいでしょう。

胸焼け・喉の違和感を感じたら、まずは生活習慣の見直しを！

胸焼けや喉の違和感は、体からの大切なサインです。逆流性食道炎が原因の場合、なかなか改善しないことも多いですが、だからこそ食生活や生活習慣の見直しを積極的に行うことが効果的です。症状を軽視せず、適切に対処することで快適な毎日を取り戻しましょう。

動画：『池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック』
協力：『【徹底解説】胸焼け・喉の違和感は逆流性食道炎？セルフチェックと対処法』

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院院長：柏木宏幸

埼玉医科大学医学部卒業。東京女子医科大学消化器内科にて助教として勤務。複数の医療機関で臨床経験を重ね、2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及を目指し、企業や地域住民を対象とした健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療に幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性を発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院：https://www.ikebukuro-cl.com

※本記事は動画の権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています。

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