医師「大腸がんの可能性も」→『健康診断』の結果でまずはここを見て…“肝臓・胃・腸”の重要チェック項目とは？

2025.8.5

健康診断の結果を見ると、血圧や血糖値、コレステロールなどの数値が気になりますよね。でも実は、消化器系の検査項目も見逃せません。胃や腸、肝臓、膵臓など消化器は私たちの体の中で重要な役割を持ち、トラブルが起こると生活に大きな影響が出ることも。

今回は、身体に関するさまざまな悩みを医師の目線で解説する、池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニックの動画をご紹介。動画では、院長の柏木先生が教える『健康診断で知っておきたい！消化器系の重要チェック項目』を紹介します。

健康診断でチェックしたい『肝臓系』の項目は…

チェックしたい項目はたくさんありますが、まず注目したいのは肝臓に関連する『AST』『ALT』『γ（ガンマ）-GTP』をチェックしていきましょう。

『γ（ガンマ）-GTP』は、主にお酒で数値に異常が起こりやすいもの。この数値が高いと、アルコール性の肝障害が起こっている可能性などが考えられるそうです。『γ（ガンマ）-GTP』の数値は、お酒を飲んだ翌日などは数値が上る可能性が高いとされていますが、一方で前日にお酒を飲んでいなくても数値が高い場合は、慢性的なアルコール性による数値の異常や、脂肪肝などによっても数値が高くなるそう。また、飲んでいる薬によっても数値が高くなる場合があるため、定期的にチェックが必要です。

また、『B型肝炎』『C型肝炎』というウィルス性の肝障害も、最近では少なくなってきていますが可能性としては考えられるそうです。

また、『AST』『ALT』は、慢性炎症や急性炎症が起こっている場合、数値が高くなりやすい状態になるため、いずれも平均的な数値と比べて大幅に突出する場合は改めて検査する必要があります。

『胃』に関する項目はここをチェック

こちらも、確認したい項目は多岐にわたりますが、まずは胃のバリウム検査での異常や、ピロリ菌の有無や胃炎の有無を検査するABC検診での項目をチェックしましょう。

バリウムで精密検査が必要となった場合は、胃カメラで再検査をします。バリウムで引っかかった場合は胃潰瘍や胃炎、胃のポリープなどの可能性があるため、胃カメラで詳しく診る必要が。検査当日は、事前に飲食を控える必要がありますが、通常は6〜8時間前から絶食などがあります。病院により方法はさまざまですが、鎮静剤を使う場合もあり、その際はリラックスして眠った状態で検査を受けることができます。

『腸』は再検査はしっかり『大腸カメラ』でチェックを

腸については、一番多い来院理由は検便で『便潜血反応』で陽性だったパターン。また、便秘や血便もチェックしたい項目です。大腸の精密検査は『大腸カメラ』によって検査をします。こちらも病院により方法はさまざまですが、鎮静剤等を使う場合もあります。

検査に対する羞恥心や抵抗感から、大腸カメラの検査を受けない人も多いそうですが『大腸がん』のリスクもあるため、再検査が必要なった場合は、信頼できる病院でなるべく早めに検査を受けるのがベストです。

まとめ

健康診断は、1年に1回自分の体のことを知るきっかけになります。それぞれ数値の異常や再検査などの必要があれば放置せずに専門機関を受診しましょう。

不安を感じやすい胃カメラや大腸カメラも、「なぜ検査が必要なのか」「どんな準備があるのか」「どんな方法で実施されるのか」を理解すれば、案外スムーズに受けられるもの。健康を守るための大切なステップとして、前向きに検査にチャレンジしてみてくださいね。

動画：『池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック』
協力：『【健康診断】知っておきたい！消化器系の重要チェック項目を専門医が解説！』

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院院長：柏木宏幸

埼玉医科大学医学部卒業。東京女子医科大学消化器内科にて助教として勤務。複数の医療機関で臨床経験を重ね、2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及を目指し、企業や地域住民を対象とした健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療に幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性を発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院：https://www.ikebukuro-cl.com

※本記事は動画の権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています。