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あのシーンを再現⁉ 『サウンド・オブ・ミュージック』60周年 映画の真似っこ撮影旅

  • 2025.7.10

ミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック』。1965年の映画初公開から60周年を迎えた今もなお、年代を問わず世界中にファンをもつ不朽の名作です。誰もが知っている「ドレミの歌」など名曲の数々で知られる同作は、オーストリアのザルツブルクが舞台。マリアが子どもたちに初めて歌を教えたあの風光明媚な丘、長女リーズルと恋人ロルフが♪You are sixteen going on seventeen…♪と歌い踊ったあのあずまや、修道院へ帰ってしまったマリアを訪ねていく子どもたちが見た景色など、ザルツブルクではすべて再現が可能! 家族みんなで楽しい真似っこ撮影をしてみましょう。

いろいろすごい音楽の街 ザルツブルク

中世の美しい街並みが残る音楽の都・ザルツブルク。シンボリックなホーエンザルツブルク城のほか、多くの見どころがある魅力的な街だ。写真提供:Tourisms Salzburg GmbH
ザルツブルク市観光局 中世の美しい街並みが残る音楽の都・ザルツブルク。シンボリックなホーエンザルツブルク城のほか、多くの見どころがある魅力的な街だ。写真提供:Tourisms Salzburg GmbH

オーストリアとドイツの国境近くにある中堅都市・ザルツブルクは市街の歴史地区が世界遺産にも認定されている古都。

しかしこの街はモーツァルトが生誕し25歳まで生活していたこと、『きよしこの夜』を作曲したフランツ・グルーバー、世界的に著名な指揮者・故ヘルベルト・フォン・カラヤンの出身地でもあることから、音楽の都として「ザルツブルク音楽祭」の開催地となっています。すごくないですか、ザルツブルク!

そしてその名をさらに世界中に知らしめるきっかけになったのが、映画『サウンド・オブ・ミュージック』。ザルツブルク出身で子だくさんのトラップファミリーが、合唱団を結成した実話がもとになっています。

アメリカの映画ですから、著者マリア・トラップ(映画の主人公ですね)や地元民からするとツッコミどころ満載の映画だそうですが、音楽のすばらしさは誰もが認めるところ。2015年の50周年記念時には子役俳優たちやマリアの実子であるアメリカ生まれのヨハネスさんが集結し、盛大にお祝いされました。

撮影スポットは実在する名所

そんな映画『サウンド・オブ・ミュージック』の撮影地はもちろんザルツブルク。屋内での撮影はほとんどアメリカで行われましたが、実話ゆえに実在する建築物――主人公マリアがいたノンベルク修道院など――が現在も健在。

なにしろ世界遺産ですから、歴史地区にあるものはかつての姿のまま保存されているので、撮影時とほとんど同じ様子が見られます。

さっそくロケ地めぐりに出かけましょう。市街から、行きやすい順にご紹介します。

撮影スポット①:ノンベルク修道院

市街を一望する絶景写真も撮れるのがこのスポット。夕景や夜景も美しいので、カップルなら時間を変えて訪れてもロマンチック。写真提供:Tourisms Salzburg GmbH
ザルツブルク市観光局 市街を一望する絶景写真も撮れるのがこのスポット。夕景や夜景も美しいので、カップルなら時間を変えて訪れてもロマンチック。写真提供:Tourisms Salzburg GmbH

修道女見習いだったマリアがいた修道院で、実際のマリアとトラップ大佐(実際は少佐だったそう)が結婚式をあげたところです。

8世紀ごろに建設された修道院で、市街にそびえる岩山の頂上に鎮座するホーエンザルツブルク城に行く途中にあります。道の途中からはザルツブルク市街を一望できるポイントがあり、そちらも映画のなかでマリアと子どもたちが歌いながらきゃっきゃあははと通り過ぎていくシーンがあります。

修道院内部は一般公開していませんが、教会やガーデンは見学することができます。修道院に帰ってしまったマリアを追ってきた子どもたちが追い返されたり、亡命するトラップ一家を逃がすために修道女たちが親衛隊の車に細工した、鉄格子の門も見つけてみて。



ノンベルク修道院の鉄格子(右側)。映画撮影時よりも木が育っている。奥に見える線路はなんと1515年にはすでに存在が記されている、世界最古の貨物用鉄道「ライスツーク」。

撮影スポット②:ミラベル宮殿

ミラベル庭園のドレミの階段からのアングル。ホーエンザルツブルク城を望むその美しさには定評がある。階段でぴょんぴょんする際は周囲の人や足元に気を付けて。写真提供:Tourismus Salzburg GmbH
ザルツブルク市観光局 ミラベル庭園のドレミの階段からのアングル。ホーエンザルツブルク城を望むその美しさには定評がある。階段でぴょんぴょんする際は周囲の人や足元に気を付けて。写真提供:Tourismus Salzburg GmbH

宮殿のガーデンにて、マリアと子どもたちが覚えたての「ドレミの歌」を歌いながら駆け回ります。

入口付近の階段では音階を模してぴょんぴょんと跳ねているシーン、子どもたちがかくれんぼのようにドワーフガーデンの小人像とたわむれるシーンなどが撮影されました。

実はここ、ヨーロッパ最古のドワーフガーデンで、なんと320年も前につくられたのだそう。かつては全部で28体あったドワーフのうち17体が展示されていて、映画のなかで映し出されるのはそのうち一体ですが、さて、どの子でしょう?



ドワーフガーデンの大理石でできたドワーフ。競売にかけられ散り散りになっていたが、17体が戻ってきた。悪いドワーフもいるようで、およそ「かわいい」という形容詞ではないかも?


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撮影スポット③:レオポルツクロン宮殿

対岸から見たレオポルツクロン宮殿。英国のチャールズ王やビル・ゲイツなど著名人が宿泊したことでも知られるホテル。まさに宮殿のたたずまい。写真提供:Tourisms Salzburg GmbH
ザルツブルク市観光局 対岸から見たレオポルツクロン宮殿。英国のチャールズ王やビル・ゲイツなど著名人が宿泊したことでも知られるホテル。まさに宮殿のたたずまい。写真提供:Tourisms Salzburg GmbH

映画のなかではトラップ家の邸宅として描かれていたのがレオポルツクロン宮殿。大司教の息子の邸宅として18世紀に建設されたもので、教会を併設している大規模な建築物です。

レオポルツクロン湖のほとりにたたずみ、対岸から眺めるとその美しさはまるで絵画のよう。現在はホテル(https://www.schloss-leopoldskron.com/)として営業しており、泊まることもできますし、もちろん結婚式を挙げることも可能です。

撮影に使用されているのは主に宮殿の外で、内部はハリウッドのスタジオのセットです。ですが、とはいえ実物のレオポルツクロン宮殿の内装はすばらしいので、ぜひ宿泊してみてくださいね。

ここで最も有名なシーンといえば、マリアとボート遊びをしていた子どもたちが、婚約者と帰宅したトラップ大佐の前で湖に落ちてしまうところ。これを再現して写真を撮るのは難しそうですね。



そうそう、このホースヘッドの海獣のゲート。撮影時はけっこう寒くて、湖に落ちるシーンの撮影後、俳優たちはみんながたがたふるえていたそう。写真提供:Hotel Schloss Leopoldskron


ちなみに、長女リーズルが恋人ロルフと「You are sixteen going on seventeen♪」と歌いながらじゃれあったガゼボはかつてレオポルツクロン宮殿の庭園に設置されていたもの。

現在はヘルブルン宮殿の庭園に移設されていますので、こちらもぜひ。



歴史地区のはずれにあるヘルブルン宮殿は、いたずらっ子な大司教マルクス・シティクス・フォン・ホーエネムスの発案でさまざまな仕掛けがあることで有名。ガゼボは中に入れるので、恋するふたりを演じてみよう。写真提供:Tourisms Salzburg GmbH


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撮影スポット④:フェルゼンライトシューレ

親衛隊の前でトラップ大佐が情感たっぷりに歌う「エーデルワイス」が印象的でした。印象的すぎて、映画を観たアメリカ人のなかには「エーデルワイス」がオーストリアの国歌だと勘違いする人が続出したそう。写真提供:Tourisms Salzburg GmbH
ザルツブルク市観光局 親衛隊の前でトラップ大佐が情感たっぷりに歌う「エーデルワイス」が印象的でした。印象的すぎて、映画を観たアメリカ人のなかには「エーデルワイス」がオーストリアの国歌だと勘違いする人が続出したそう。写真提供:Tourisms Salzburg GmbH

ナチス親衛隊たちの前で歌を披露することになったトラップ一家。ひとりずつ袖に消えていく演出と見せかけてスイスに逃亡するあのシーンが撮影された劇場「フェルゼンライトシューレ(https://www.salzburgerfestspiele.at/en/)」。

石造りの劇場で、建設はなんと17世紀後期とかなりの歴史ある建物です。「ライトシューレ」とは「乗馬学校」の意味で、かつて夏期の乗馬学校があった場所に屋根が設置されてできたもの。ザルツブルク音楽祭の会場としてもよく知られているので、テレビなどで見たことがある人も多いのでは?

年を通じてさまざまなコンサートが開催されているほか、入場無料のパーティなども開催されているので中に入ってみることができます。ぜひスケジュールをチェックしてみてくださいね。



ザルツブルク音楽祭のメイン会場はこちらの祝祭劇場。ものすごい人出! 写真提供:Tourisms Salzburg GmbH


撮影スポット⑤:聖ペーター墓地

一見、美しい庭園のような墓地。写真左側の鉄格子の内側に、トラップ一家は隠れていました。写真提供:Tourisms Salzburg GmbH
ザルツブルク市観光局 一見、美しい庭園のような墓地。写真左側の鉄格子の内側に、トラップ一家は隠れていました。写真提供:Tourisms Salzburg GmbH

聖ペーター修道院に併設された、ザルツブルクで最も古い墓地で建設は12世紀から15世紀といわれています。ザルツブルクの著名人が眠っており、モーツァルトの姉・ナンネルのお墓もここにあります(※モーツァルトのお墓はウィーンにあります)。

修道院内にはカタコンベもありそちらは入場料がかかりますが、墓地は出入り自由。とはいえ、墓地ですので騒いだりふざけたりしてはいけません。

ここでは親衛隊に追い詰められたトラップ一家が潜むシーンが撮影されました。長女リーズルの恋人ロルフに見つかってしまった一家ですが……、という手に汗握るシーンでしたね。

おまけ:ドレミの歌の原っぱ

ヴェルフェンの町から続く「サウンドオブミュージック・トレイル」の終点はこの原っぱ。お天気のいい日に出かけたい。写真提供:TVB Werfen
TVB Werfen ヴェルフェンの町から続く「サウンドオブミュージック・トレイル」の終点はこの原っぱ。お天気のいい日に出かけたい。写真提供:TVB Werfen

最後に、マリアが子どもたちに初めて歌を教えたあの原っぱを。

こちらはザルツブルクから南へ40㎞ほど離れた郊外にあり、電車で約40分のヴェルフェン(https://www.werfen.at/en/home-en)という町が最寄りです。町のインフォメーションオフィスに行けば、詳しい地図がもらえるので行ってみましょう。

背景にホーエン・ヴェルフェン城がそびえたあの原っぱ、こちらはもちろん近くまで行って撮影が可能です。ドレミの歌を練習していきましょう。

まとめ

いかがでしたか?

サウンド・オブ・ミュージックのファンにはたまらないスポットの数々ですが、紹介しきれなかった場所がまだまだあります。

市内では多くの「サウンド・オブ・ミュージックツアー」がありますので、時間がないときや歩くのがめんどう、という場合も無問題。映画の中の“アメリカ人が描いたオーストリア”について、地元民のツッコミをガイドさんから聞くのも楽しいアトラクションのひとつかもしれません。

ロケ地めぐりは天気のいい夏がおすすめですが、ロマンチックすぎるクリスマスシーズンのザルツブルクは二人だけの旅にぜひ。みんなで行ってもふたりで行っても楽しいザルツブルクなのです。


データ
日本からザルツブルクまでの直行便はありません。
オーストリア航空またはANAで東京(羽田・成田)からウィーンまで約12時間30分、乗り継いでザルツブルクまで約50分のフライト。またはヨーロッパや中東系エアライン利用で主要都市まで行き、そこからザルツブルクまで乗り継ぐことも可能。
取材協力:ザルツブルク市観光局 https://www.salzburg.info/ja

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