1. トップ
  2. おでかけ
  3. マンタの里親制度やジンベイザメ、ウミガメの保護etc.、海洋保護活動にも参加できるビーチリゾート

マンタの里親制度やジンベイザメ、ウミガメの保護etc.、海洋保護活動にも参加できるビーチリゾート

  • 2025.6.26

青い空間が人間の健康に与える影響に関する研究によれば、海や海岸を訪れると、ドーパミンやオキシトシンといった快感ホルモンが分泌されることが証明されている。また、青い空間の存在は、ストレスホルモンであるコルチゾールを減少させ、「無意識の注意力」を引き出し、問題解決能力と創造性を高める力も秘めている。

こうして、海から大きな恩恵を受けている私たちだが、人類は毎年、何十億トンもの温室効果ガスを大気中に放出している。この温室効果ガスによる余分な熱の90%以上が海に吸収され、海水温を驚くほど上昇させているのが現状だ。IUCNの報告書では、2100年までに世界の海水温度が1~4℃上昇すると予測されている。

そんな現状を危惧し、楽しいビーチリトリートを提供しながら、海の保護にも積極的に取り組むラグジュアリーホテルが増えている。海洋研究者や専門家、非営利団体や政府組織とパートナーシップを組み、さまざまなプログラムを提供する。ゲストは楽しみながら、冒険的な滞在ができ、5つ星の一流リゾートで得られるような贅沢を失うことなく、海に恩返しをすることができる。

【インターコンチネンタル・モルディブ・マームナガウリゾート】マンタの里親制度など、滞在後の継続的な支援も可能

モルディブの唯一無二のラア環礁に位置する「インターコンチネンタル・モルディブ・マームナガウリゾート」は、サンゴ礁の再生と海洋保全に重点を置いているホテルだ。海洋保全センターと提携し、サンゴ礁と周辺の海洋生物の保護に取り組んでいる。

この国はマンタの保護に対して大きな情熱を注いでおり、「インターコンチネンタル・モルディブ・マームナガウリゾート」は、英国を拠点とする非営利団体「マンタ・トラスト」との提携により、この活動に大きく貢献してきた。ホテルは、ハニファル湾にほど近く、ユネスコ生物圏保護区であり、世界でも数少ない妊娠マンタの確認された繁殖地の一つである。ゲストは、マンタとのシュノーケリングやダイビング、毎週開催される「マンタ・ティー・トーク」、そしてマンタの里親制度(※)などを通して活動に参加することができる。

※マンタの里親制度(Manta adoptions)は、海洋保全活動の一環として行われているプログラム。一般の人々が特定のマンタの「里親」になることができる。里親になった人は寄付を行い、その資金がマンタの研究・保護活動に使われ、里親にはマンタの写真や生態情報、移動記録などが定期的に送られる。

Expediaで予約

【ココ パーム ドゥニ コル モルディブ】絶滅危惧種のウミガメ保護

ユネスコ生物圏保護区に位置するバア環礁は、豊かな海洋生物とサンゴ礁の生息地であり、「ココパーム ドゥニ コル」はモルディブで最初に常駐の海洋生物学者を常勤で雇用したリゾートの一つだ。現在、このリゾートは海洋生物学者の専門チームを擁し、「オリーブ リドリー プロジェクト」「マンタ トラスト」「シャーク ウォッチ」と連携している。リゾートの保全・保護プログラムでは、サンゴ礁の監視とサンゴの再植栽を実施しており、ガイド付きシュノーケリングツアーなどが組まれている。

「ココパーム ドゥニ コル」は、絶滅危惧種であるアオウミガメの営巣地でもある。ここでは、生物学者たちが孵化したばかりの子ガメの保護、巣の監視、そして必要に応じて幼体の移転作業を行っている。運よく孵化期間にあたれば、ゲストは孵化した子ガメを目撃し、現地の専門家から直接、より詳しい知識を学ぶことができる。

Expediaで予約

【ジュメイラ・タンダ・アイランド(タンザニア)】ジンベイザメの探検ツアーを通して保全活動に貢献

「ジュメイラ・タンダ・アイランド」は、タンザニアのシュンギンビリ島海洋保護区内に位置するプライベート・サンクチュアリだ。この島は、隣接するニョロロ島とムバラクニ島とともに、2007年3月に海洋保護区に指定された。これにより、この地域は禁漁区となり、海洋公園レンジャーによって保護され、生物多様性と絶滅危惧種の避難場所としての機能が維持されている。

この施設では、生物多様性の保全を目的とした研究・監視プロジェクトが常時実施されており、これらは島の認定海洋生物学者であるリアン・ラーン氏が主導している。この海域は多様性に富んでおり、63科338種の魚類、15科34属の生物学的サンゴ属、7グループにわたる105種の無脊椎動物、そして周辺海域には100種類を超える貝類が生息している。さらに、サンゴ礁の回復を支援するため、複数のサンゴ養殖場も運営している。

2017年以来、「ジュメイラ・タンダ・アイランド」は、この地域のアオウミガメとタイマイの保護を目的として、タンザニアに拠点を置く非政府組織「シー・センス」と協力してきた。この取り組みはすでに効果を上げており、2023年には4つのアオウミガメの巣の産卵が成功した。また2023年には、この施設は海洋生物学研究・保全非営利団体である海洋巨大動物財団(MMF)と提携し、これらの生物の有名な生息地である近隣のマフィア島でジンベエザメの保護活動を実施している。旅行者に対しては、ジンベエザメ探検ツアーを提供しており、識別データの収集を通じて研究を支援し、保全活動に貢献することができる。

サイトから予約

【マーカーハーバーリゾート(キーウェスト)】珊瑚礁に優しいミネラル日焼け止めを提供

「マーカーハーバーリゾート」は、アメリカのフロリダ州に位置するキーウェストにある現代的なウォーターフロントホテル。このホテルは、サステナブルな日焼け止めブランド、ロウ・エレメンツと提携し、ミネラル日焼け止めの使用を推奨するため、施設内に珊瑚礁に優しい成分で作られた日焼け止めのディスペンサーを設置した。

これは、同州のホテルとしては初の試みで、サンゴ礁と海洋保全の支援と保護にも貢献している。同ホテルでは、毎年、世界海洋デー(毎年6月8日)にイベントを開催しており、その収益は「リーフ・リリーフ」に寄付され、ゲストはロウ・エレメンツ製品を試用し、保全効果について学ぶことができる。

Expediaで予約

Text: Jessica Chapel Adaptation: Sakura Karugane

From CONDENAST TRAVELLER

READ MORE

元記事で読む
の記事をもっとみる