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ラルフ ローレン パープル レーベルが誘う、世界を巡るラグジュアリーの旅【2026年春夏 メンズコレクション】

  • 2025.6.24

アメリカ合衆国の評判が下がる一方で、ラルフ ローレン(RALPH LAURENへの好感度は世界的に上がっている。『VOGUE BUSINESS』は先月、同社のヨーロッパ中国での2025年会計年度の売上高が、それぞれ12パーセントと9パーセント増加したと報告した。収益は合計71億ドル。つまり、アメリカ発のブランドの中でも、最もアメリカらしいラルフ ローレンの同年度の収益の大半が海外で上げられたということだ。

ラグジュアリーファッション業界全体が低迷しているにもかかわらず、ラルフ ローレンは一体どのようにして、その流れに逆らうことができたのか。この日発表されたパープル レーベルRALPH LAUREN PURPLE LABEL)の2026年春夏コレクションに、その答えの一片はあった。

エレガンスと実用性が共存する、現代の旅人のためのワードローブ

会場となったのは、ミラノにあるアイコニックなパラッツォ ラルフ ローレン。ヴィンテージカーが停められているその中庭を抜けると、ふたつのパートに分けられたプレゼンテーションが展示されているスペースにたどり着く。

ひとつ目のパートは、富裕層の社交場である会員制のヨットクラブで見られるような、ラグジュアリーとマリンヘリテージが調和するルックたちで構成されていた。ブルーとホワイトのストライプシャツとアンクルストラップ付きのエスパドリーユでアクセントを加えた、白いコットンテリーのボーティングブレザーとリネンのタック入りショートパンツからなるルック。シルクの贅沢なテクスチャーが気品を漂わせるネイビーのショートスリーブシャツ、リラックスしたニットウェア、クラシックなケーブルニットセーターなど、すべてがコレクションの軸である、爽やかなマリンエレガンスを表現している。

ふたつ目のセクションはタン、アイボリー、ブラウン、ブラックの洗練されたアースカラーのパレットで彩られていた。サファリシャツにフィッシングジャケット、アクションパンツにレザーのフライトジャケットなど、機能的なディテールが取り入れられた、控えめなラグジュアリーを体現するピースが陳列。そこにアールデコを彷彿させるプリントやフォーマルウェアが散りばめられ、デイタイムからナイトタイムまでを網羅するワードローブを実現していた。

昔からローレンは、ひとつのビジョンを掲げ、まるでひとつの映画を撮るかのように、一貫した世界観の服や家具などをデザインするという。世界最高級の天然素材を使用した今回のコレクションは、旅心をくすぐる壮大な冒険の物語であるとともに、理想の“アメリカン・ラグジュアリー”のあり方を提示するものとなっていた。アメリカの情勢こそは不安定だが、ローレンが誘ってくれた場所は、明るく、洗練され、誰もが憧れる夢の場所だった。

※ラルフ ローレン 2026年春夏メンズコレクションをすべて見る。

Text: Luke Leitch Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.COM

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