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あの青い池も実は…「知らないところを知る」旅のカタチ 人気は建設中のトンネル?

  • 2026.3.11

観光地でもない、誰も知らない、誰も行かない、ニッチな場所にある「絶景」を訪ねるツアーがいま、人気を集めています。
関係者以外立ち入り禁止のダムや橋脚、トンネルの掘削現場などを見学する「社会インフラツアー」です。

HBCの麻原衣桜記者が訪れたのは、高速道路のトンネル工事現場です。

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ツアーに参加するためには、事前にガイダンスを受け、ヘルメットと防塵マスク、軍手を着用しなくてはなりません。

目の前に現れたのは巨大な重機。
トンネルを掘り進めるのに必要な、自由断面掘削機です。

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北海道開発局の担当者は、「ふだんは見られない場所を職員が同行して説明する」と、その特別感を話します。

また、室蘭市にある白鳥大橋でも、驚きの体験が待っています。
高さ140メートルの主塔から見える眺めは絶景です!

7年前、北海道開発局がこの絶景を観光に活用できないかと室蘭市に提案し、試験的に「主塔登頂ツアー」を始めたところ、これが大ヒットとなりました。
いまでは、鉄のマチ・室蘭市を代表する観光コンテンツとなっています。

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北海道開発局の五百木英明開発企画官は、「北海道開発局の事業や施設を多くの人に知ってもらい、旅行者が来てくれることで経済の発展につなげていければ」と、ツアーへの期待を語ります。

実は、今や世界的な超有名観光スポットになった北海道のあの場所も、元はインフラから生まれていたんです。

世界的な絶景も元は「防災インフラ」だった

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実は、いまや世界的な観光スポットになった美瑛町の「青い池」も、もともとはインフラから生まれた場所だということをご存じでしょうか。
開発局が施工した十勝岳の泥流対策、つまり防災インフラから誕生したものなのです。

こうしたニーズにいち早く着目したのは、札幌の旅行会社「シィービーツアーズカンパニー」です。

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提供 北海道開発局

嶋田浩彦総括マネージャーは、「知らないところを知るということ、行ってただ見るだけの観光から、そこの施設を運営している人から直に説明を聞ける。これはめったにない機会なんですね」と、インフラツアーならではの魅力を教えてくれました。

特に人気…今しか見られないプレミアム体験

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特に人気なのが、トンネルの工事現場を訪ねるツアーです。
建設中のインフラは、完成してしまえばもう二度と見ることはできない、まさにプレミアムな瞬間なのです。

2026年には、北海道南部の七飯町で建設が進められている道央自動車道「オオヌマトンネル」の工事現場で、「インフラツアー」の開催が予定されています。

一足早く特別に体験させてもらうと、専用の車でトンネルを4分ほど進んだ先に、掘削現場の最先端である「切羽(きりは)」が姿を現しました。

普通に暮らしていれば決して訪れることのない、迫力満点の光景が広がっています。

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この現場では、日本に4台しかないという超レアなマシンを目にすることができます。

北海道開発局函館開発建設部の佐々木隆課長が「この機械でトンネルの最前線の土砂岩盤を削り取って、削り取った土砂をベルトコンベアで運び出す」と説明します。

大型車両を使わないことで事故を減らし、トンネル内の空気も汚しません。
作業員を守るための工夫が詰まった機械なのです。

また、クモのような手足を持つ「ドリルジャンボ」という機械も活躍しています。
棒が回転して穴を開け、その穴にロックボルトを挿入します。

「外側の山と構造物が一体となってつぶれないで支える構造になっている」

仕組みは常に丁寧に解説してもらえます。

こうしたインフラツアーは、単なる見学にとどまりません。

例えば2024年に開催された「国道5号インフラツアー」では、午前中に仁木町のトンネル工事現場を見学した後、ランチには岩内町で日本海の海の幸を堪能、午後は美術館巡りや温泉を楽しむという、日帰りバスツアー(1人1万2500円)として企画され、大好評でした。

子どもと一緒にも…「知る喜び」がつまった旅へ

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インフラを中心に地域の歴史やグルメに触れる新しい旅のカタチ。

HBCテレビ「今日ドキッ!」のスタジオでは堀啓知キャスターが「工事現場が観光スポットになるとは、世の中何がヒットするか分かりませんね」と驚きの声を上げました。

ゲストコメンテーターの小説家、今村翔吾さんは「今回の旅先は技術にスポットが当たっていて、現代から未来につながる技術だと思うんですが、過去の伝統工芸とかも含めて技術にスポットをあてた旅なんかが出てきたらいいなと思います。技術の進化までみせてくれたらおもしろいですね」と期待を込めていました。

小橋亜樹さんも「日常の中の非日常を探す旅になっていて、シィ-ビーツアーズさんの目のつけどころがすごい。市長と旅をするとか、なかなかない企画で勝負していますね」と感心した様子です。

2026年4月以降のツアーの候補地は、ダムやトンネルなど道内55か所にも及ぶそうです。
ツアーの多くは年齢制限がないため、お子さんと一緒に社会科見学を楽しむのもステキですね。

私たちの暮らしを支える技術の粋が集まる工事現場。
そこには、心を揺さぶる「知る喜び」が待っています。

取材・文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は、HBC「今日ドキッ!」放送時(2026年3月4日)の情報に基づきます。

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