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新たなキャストを迎えて再演! 青春の煌めく一瞬を描く、舞台『いつ高』シリーズ

  • 2025.6.15

青春時代の、甘酸っぱかったり笑えたり、少し苦さもあり、でも思い出すと愛おしい。そんな学生生活を描いた青春群像劇『いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校』(略称・いつ高)シリーズ。全10作を通して同じキャストが同じ役を演じるというスタイルで2021年に完結したシリーズが、この度フルオーディションによる新たなキャストを迎えて再演される。

三浦直之さん インタビュー

「このシリーズを書き始めるきっかけのひとつが、審査員として高校演劇に関わったことでした。そのとき、高校生たちの作品を観て気づいたのは、登場人物たちが何かの葛藤を乗り越えていくパターンの物語がすごく多いということ。別に何かを乗り越えなくても、豊かな60分って作れるんじゃないか、と思ったんです。だからこのシリーズでは、登場人物たちの成長を描かないことを大事にしたいと思っていました。ただ、そうなるとどうキャラクターのモチベーションを作っていったらいいかが難しかったですけれど」(三浦さん)

本シリーズでは同じ学校を舞台に、回ごとに物語の軸となる場所や主人公となるキャラクターが入れ替わってゆく。大きな事件は起こらないけれど、登場人物たちのなんでもない会話からそれぞれの心の機微がのぞき、観続けるうち個々のキャラクターに思い入れが生まれるのも『いつ高』の魅力。

「普段は俳優さんありきで役を描くことが多いんですが、このシリーズでは高校生たちに演じてほしいという想いがあり、初めて特定の人物に当て書きしないように意識しました。でもやっていくと、俳優さんによって自然とキャラクターが育っていくんですよね。だからその俳優さんが演じたキャラクターのイメージが次の作品に引き継がれるということはありました。だからどこかで僕と俳優の2人でキャラクターを作っていったような感覚があります」

今回、その俳優が一新される。

「ご一緒できなかった方々も含めて、オーディションがとても楽しかったんです。最終的に決まったのは、この人が演じるあの役が見てみたいなとか頭の中で動き出した方たち。再演にあたって、初演はこうだったから…みたいに相対的に考えるんじゃなく、この人が演じる将門(まさかど)だから、楽(らく)だから、と新しいイメージを作ってくれています」

新たな俳優たちとあらためて作品に向き合っての気づきや変化も。

「『いつだって窓際であたしたち』の初演では、登場人物たちが窓から校庭を眺めていて、その背中を観客が見るような舞台装置でした。でも、台本を読み返すなかで校庭を見つめている俳優がどんな顔をしているかが気になったんです。というのも、オーディションの最中、この俳優さんはこんなときにこんな表情をするんだ、ということに感動する瞬間が何度もあったんです。だから今、それを見せられる方法がないかと探っている最中です。ここからどうなるか、わからないですけれど(笑)」

今回、新たなまなざしで創られる『いつ高』シリーズとは。

演劇を志す高校生たちに大会で上演してもらうことを目指し創作されたシリーズで、全国高等学校演劇大会の上演規定にのっとり、上演時間は60分以内、舞台装置の設置・撤去は30分以内におこなうという上演スタイルも踏襲されている。vol.1の『いつだって窓際であたしたち』は、昼休みの教室の窓際、vol.2の『校舎、ナイトクルージング』は夜の学校を舞台にした物語。

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