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【60代エンタメ】小栗旬主演映画『フロントライン』はコロナ禍のはじまりを描いた重厚で人間味あふれる医療ドラマ

  • 2025.6.12

小栗旬さん主演、松坂桃李さん、池松壮亮さん、窪塚洋介さんら実力派キャストが共演した映画『フロントライン』が6月13日(金)より全国公開されます。

豪華客船で発生した未知のウイルスに立ち向かった人たちの事実に基づく物語。日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が発生した現場に関わった人たちを、制作陣が丁寧に取材。登場する人物像を掘り下げ、緊迫した日々を映像化しました。重厚で人間味あふれる医療ドラマの、見どころを紹介します。

ストーリー

2020年2月、乗客乗員3,711名を乗せた豪華客船が横浜港に入港した。香港で下船した乗客1人に新型コロナウイルスの 感染が確認されていたこの船内では、すでに感染が拡大し100人を超える乗客が症状を訴えていた。出動要請を受けたのは 災害派遣医療チーム「DMAT(ディーマット)」。地震や洪水などの災害対応のスペシャリストではあるが、未知のウイルスに対応 できる経験や訓練はされていない医療チームだった。

対策本部で指揮を執るのはDMATを統括する結城英晴(小栗旬)と 厚労省の立松信貴(松坂桃李)。船内では医師の仙道行義(窪塚洋介)や真田春人(池松壮亮)らDMAT隊員が対応にあたり、羽鳥寛子(森七菜)をはじめとした船内クルーは乗客を守るために奔走する。いっぽう、TV局の記者・上野舞衣(桜井ユキ)らマスコミは加熱報道で世論をあおり、日本中に不安が広まっていく。

【見どころ1】半年間の綿密な取材を経て浮かび上がる「あのとき何が起こっていたのか?」

日本初となる新型コロナウィルスの集団感染が起きた現場として、記憶に新しい豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」。あのとき船内で何が起こっていたのか、船外とどうやって連携を取っていたのか。これまで数多くの医療ドラマを手がけてきた増本淳プロデューサーが約半年をかけて、DMAT、厚生労働省、自衛隊、消防署、警察、クルーや乗客らに話を聞いた内容が、脚本に反映されています。300ページを超える取材メモをもとに映像化したのは、ドキュメンタリーや社会派映像作品が世界的な評価を受けている関根光才監督。

あのとき“最前線(フロントライン)”で未知のウイルスと対峙していた1人ひとりの不安や葛藤が丁寧に描かれていて、当時の様子が鮮やかに浮かび上がってきます。と同時に、2023年5月に緊急事態宣言が解除されるまであんなにコロナに振り回されたのに、たった5年前に起こったことを少しずつ忘れかけている自分に気づいてハッとさせられます。

【見どころ2】実力派キャストが熱くぶつかり合う

専門外である未知のウイルスに対応することになったDMAT隊員と、厚生労働省の役人。主要メンバーを演じたのは、30~40代、各世代の実力派キャストです。命を扱う現場だけに、冷静さが求められながらも熱い気持ちを持ち続けた4人の競演に注目です。

DMATの指揮官・結城英晴役の小栗旬さん。命を危険にさらすかもしれない集団感染の現場へ、隊員を向かわせることに葛藤しながら決断していく指揮官を人間くさく演じます。時に周囲とぶつかり合いながらも事態を好転させていく姿が頼もしいです。

指揮官の結城が信頼を置く、仙道行義を演じた窪塚洋介さん。仙道はDMAT立ち上げに尽力した実質的なトップともいえる人物として、船内の最前線に配置されます。結城の心に迷いが出たときは活を入れられる人物で、しびれるほどかっこいいです。

厚生労働省から、急きょ神奈川県庁の新型コロナウイルス対策本部へ派遣された立松信貴役の松坂桃李さん。手段をいとわず状況を打開していく能力がある役人をクールに演じますが、ある場面では迷いや人情味のある姿を見せてくれます。

DMAT隊員として船内に乗り込む救急医・真田春人役の池松壮亮さん。自分がコロナ感染の最前線にいるため、地元に残してきた妻と娘が差別を受けるのではないかと心配する、やさしく家族思いの医師をやわらかく演じています。

【ここにも注目!】一杯のお味噌汁のありがたさが染みる

今作を観ていると、船内にとどまることとなったダイヤモンド・プリンセス号のクルー達が感染リスクと戦いながらも乗客に食事を届け、さまざまな困りごとに対応していた状況がわかります。フィリピン人クルーのアリッサは乗客の不安を和らげようと笑顔で食事を届けるのですが、「今日はお味噌汁、ついてます」というセリフが印象的。長引く船内隔離生活に疲れる乗客に、少しでも温かい食べ物を届けたいという気持ちが伝わってきます。

フロントデスク・クルーの一人・羽鳥寛子を演じた森七菜さんは、外国人乗客と日本人医師たちの間に立って通訳を引き受け、どんな困難な状況でもタフに対応。医療や救助の専門チーム以外にも、こうしたクルーの支えがあってこそ、船内隔離の日々が成り立っていたことがわかります。

ここ数年の映画の中で、新型コロナウイルスの影響について触れている作品はありましたが、ここまで真正面から当時の出来事に取り組んだ映画は初めて。映画を観る側は誰しもコロナ禍を経験しており、それぞれ感じるところがあるはずです。ぜひ劇場でご覧ください。

作品情報

『フロントライン』
6月13日(金)全国公開

出演:小栗旬
松坂桃李 池松壮亮
森七菜 桜井ユキ
美村里江 吹越満 光石研 滝藤賢一
窪塚洋介
企画・脚本・プロデュース:増本淳
監督:関根光才

配給:ワーナー・ブラザース映画
©2025「フロントライン」製作委員会

この記事を書いた人 富田夏子

エンタメ&フード分野が得意なライター歴20年の経験を活かし、「映画ごはん研究家」として “映画とごはんをつなぐメディア”をSNS上で運営。映画と食に関連する情報や体験をシェアしている。 雑誌やWEBへの映画レビュー連載歴は13年で、俳優や映画監督のインタビューを多数手がける。料理取材の試食は残さず食べる食いしん坊。

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