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【MLB】今、最も三振しない男…ア軍23歳が披露する“天賦のバットコントロール” 父は“守備職人”、新人王も射程圏内か

  • 2025.6.7
アスレチックスのジェイコブ・ウィルソン(C)ロイター
SPREAD : アスレチックスのジェイコブ・ウィルソン(C)ロイター

今シーズンからサクラメントに本拠地を移し、28年よりラスベガスに移転することが発表されているアスレチックス。現在はア・リーグ西地区最下位に沈んでいるが、期待の若手選手が非常に多く今後が楽しみなチームの1つとして注目すべき存在だ。
そんな期待のホープの中でも今シーズン特に輝いているのが、ジェイコブ・ウィルソン内野手だろう。

■父は華麗な守備職人、息子は驚異のバットマン

パイレーツやマリナーズなどで活躍し、華麗な遊撃守備が持ち味であったジャック・ウィルソン氏を父に持つ二世選手であるウィルソン。ここまで(日本時間6日現在)60試合に出場し、打率.363、本塁打8、打点34、OPS.925と打撃が好調。この数字だけみても、打率の高いアベレージタイプだということがわかるが、スタットキャストのデータを紐解くと彼の驚異的な能力がわかってくる。

【動画】ジェイコブ・ウィルソンの打撃

まずはK%(三振率)が6.3とメジャー全体でトップの100パーセンタイルに位置、つまり最も三振率が少ないということになる。そして、Whiff%(空振り率)も9.7でメジャートップの99パーセンタイルとスイング時に空振りが非常に少ないことがわかる。一方で面白いのが、Chase%の数値だ。
これは、どれだけボール球をスイングしたかを測るものだが、33.9と全体の16パーセンタイルになっており、多くのボール球に手を出していることになる。つまり、ボール球に多く手を出すがしっかりとコンタクトできているということになるだろう。Squared-Up% (芯で完璧に捉えた打球の割合)に関しても41.6%とトップクラスであることから、芯で確実にとらえながらヒットを打つ技術に関してはMLB屈指だ。

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💡 打率は安打数÷打数、OPSは出塁率+長打率、三振率は三振数÷打席数で算出

特筆すべきは、この技術はデビュー前から顕著であった点だ。ウィルソンは大学時代、3シーズン合計620打数でわずか31三振。アスレチックス入団後の2024年はマイナーで208打数15三振、メジャー昇格後も92打数10三振と、三振する確率は極めて低かった。

ウィルソンの三振率比較

■パワーは劣るが、首位打者争いにも参戦中

バットに当てることに長けている中、課題とも言えそうなのが“力強さ”になるだろう。バットスピードはメジャー全体でも最下位レベル。さらにHard-Hit%(ハードヒット率)27.4%、Barrel%(バレル率)3.1%、Avg Exit Velocity(打球速度平均)86.4mphと、これらも軒並みMLBの平均以下となる低水準であることから、強く速い打球を飛ばすというバッターではないことがわかる。
現在、打率はアーロン・ジャッジ外野手に次ぐア・リーグ2位と、首位打者争いにも絡んできそうな気配すらみせるウィルソン。新人王資格も有する23歳が今季最終的にどこまで数字を伸ばせるのかにも注目していきたい。

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