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「一人で行ってきてください」単身赴任中にすれ違ったまま妻が急死。後悔に囚われた65歳男の救済【作者に聞く】

  • 2026.3.18

メンズエステを舞台に、肌に触れるだけで人の心の奥底まで理解するメンエス嬢の加恋が、訳ありな客の心身を癒やし背中を押す人間ドラマを描いた蒼乃シュウ(@pinokodoaonoshu)さんの電子書籍漫画『メンエス嬢加恋・職業は恋愛です』が反響を呼んでいる。今回は「孤独な男」と題し、65歳の男性客である池尾仁志の深い悲しみに寄り添うエピソードを紹介するとともに、著者に制作の背景を聞いた。

ある日息子から妻の訃報を知らされる

家族のために出世することこそが一番の幸せだと信じ、必死に働いてきた池尾。やがて本社への栄転が決まるが、妻からは一人で行ってきてほしいと告げられる。さらに昇進すれば理解してくれるだろうと単身赴任したものの、激務の末にうつ病を発症してしまう。心配をかけたくないと離れて暮らす家族には言えずにいたが、ある日息子から妻の訃報を知らされる。余計な心配をさせたくないとお互いに思い合った結果、取り返しがつかないほどすれ違ってしまったのだ。

著者は、親しい仲であれば少しでもモヤモヤしたらすぐに話し合い、お互いスッキリさせるのが理想的だと語る。しかし実際は難しく、池尾のようにいつかわかってくれるはずとごまかしたり、喧嘩になるのが嫌で話し合いを避けたりすることが多い。そのくせなぜわかってくれないのかとイライラすることもあり、自身も反省することが多いと明かす。

妻は妻なりに自分の人生をまっとうした

妻を幸せにできなかったという贖罪から自分の喜びを放棄している池尾に対し、加恋は「女はそんなにか弱くない。あなたに幸せにしてもらわなくても、私は自分の力で幸せになります」と亡き妻の気持ちを代弁する。著者は、池尾の悔恨は思い込みに過ぎないと指摘する。病気で亡くなったからといって幸せではなかったと決めつけることはできず、長生きだけが幸せとは限らない。池尾が知らないだけで、妻は妻なりに自分の人生をまっとうしたのだろうと語る。

世間一般の男らしさや女らしさよりも、自分らしさを求めることが幸せになる近道だと著者は考えている。自分の力で幸せになるという気持ちが土台にあってこそ、相手を思いやる気持ちが生まれるのだ。加恋が妻の気持ちを代弁したことで、ようやく自分の幸せに目を向けることができた池尾。次はどんな事情を抱えた客がやって来るのか、今後の展開に期待したい。

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