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ケーゲル体操だけじゃない。骨盤底筋を鍛えるための簡単なトレーニング方法

  • 2025.6.7

骨盤底筋のケアとトレーニングを今すぐ始めるべき理由

Beautiful adult woman practices yoga outdoors
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骨盤底筋を鍛えるためにできるのは、ケーゲル体操(膣トレ)だけではない。ちょっとした習慣を毎日、長期にわたり繰り返し続けることで、私たちの健康や幸福全般に大きな影響を与えることもできる。

「骨盤底筋の健康は、身体の重要な機能と生活の質全般を維持するために必要不可欠」だと説明するのは、ニューヨーク市を拠点とする婦人科医モリー・マクブライド。「骨盤底筋は、膀胱、直腸、生殖器を支えており、尿失禁(尿漏れ)、性機能、骨盤内臓器のサポートに欠かせないものです」

とはいえ、私たちの多くはデリケートゾーンに何らかの不快感がない限り、骨盤底筋の健康について考えてることはほとんどないだろう。しかし、専門家によると、早いうちから骨盤底筋をケアしておけば、将来起こりうる問題を減らすことにつながるという。

骨盤底筋の健康と、頻尿・尿漏れの関係

私が骨盤底筋の健康の重要性をきちんと認識したのは、産後、骨盤底筋健康法の理学療法士を訪ねたとき。理学療法士にこんなことを問われたのがきっかけだ。「朝起きてまず最初にトイレに行きますよね。そして、家を出る直前にまた行く。そして、オフィスに着いてすぐ、またトイレに行く。違いませんか?」。彼の言う通り、そのすべてをやっていた私は、「いけないことなんですか?」と、当惑しながら尋ねた。

必ずしもこれは間違いではない。しかし、骨盤底筋の健康に関しては、生活習慣が大きな影響を与える可能性があり、排尿の仕方が重要な役割を果たしている。

マドリッドのアンチエイジング・メディカル・インスティテュートで骨盤底筋を専門とする理学療法士、アナ・ガルシアは「我慢することより、もっと重要なのは、本当の尿意がいつなのかを知ることです」と説く。「習慣で排尿したり、トイレが見つからないことを心配して排尿したりすると、膀胱の自然なメカニズムを変えてしまうため、膀胱がより敏感になって貯留量が減ってしまうのです。排尿をコントロールし、間隔を空けられるようになれば、膀胱の充満と排尿のバランスを保つのに役立ちます」

子どもの頃に身につけたトイレ習慣の中には、実は見直すべきものもあるようだ。

どのくらいの排尿頻度が正常なのか

健康な膀胱なら無理せずに尿を溜め、空にする間隔は日中で3時間ごとが望ましい。また、夜間は6〜8時間持続できるはずだ。

この間隔が信じられないほど長く思えても、心配ご無用。多くの人たちがもっと頻繁にトイレに行きたいと思っている。それに、膀胱の「再教育」は、骨盤底筋理学療法でも婦人科でも重要な部分であることが多いとガルシアは言う。

自身の膀胱を再教育するには「2時間おきにトイレに行くことから始めて、徐々に間隔を長くしていくこと」だと勧めるのは、トライベッカ・フィジカル・セラピー・アンド・ルビファイのモニカ・サリュウ医師。「“いっぱい”が本当に意味することを膀胱に教えたいという強い衝動を感じなくても、決められた時間にトイレに行くこと。一貫性があなたの優れた強みです」

健康な骨盤底筋は、それ自体が特別な能力であり、少なくとも、サリュウが定義する「コントロールと自信」を感じることに役立つ。結局のところ「骨盤底筋が強く、うまく機能していれば、自分でコントロールできます。お漏らしも、不意の尿漏れもありません。とにかく自分の体に自信が持てるのです」と彼女は言う。

排尿時の注意点

習慣で“念のため”に排尿するのを避けるのに加え、専門家は以下に挙げる効果的な方法を推奨している。

  • 排尿時は急いだり、いきんだりせずに、膀胱を完全に空にする。
  • 排尿時は足を床につけ、背筋を伸ばして正しい姿勢を保つ。
  • 過度の緊張は骨盤底筋を弱めるので、便秘を避ける。
  • 我慢できないほど急な強い尿意を頻繁に感じる場合は、コーヒー、アルコール、柑橘類など膀胱を刺激する飲料や食品を摂取しない。

ケーゲル体操のほかにもある、骨盤底筋の鍛え方

Beautiful authentic woman with short blond hair is meditating sitting in lotus position on yoga mat in front of a window. She is wearing a light-colored casual clothing. Concept of relaxation exercises

何らかの不快感や頻尿、そのほかの骨盤底筋の問題を抱えている人に対し、マクブライドは第一選択療法として、骨盤底筋理学療法を勧めている。「これは、筋力と持久力を向上させ、尿漏れ(尿失禁)の症状を完全に解消するためのエクササイズと技法」で、ほんの数回のセッションが必要な場合もある。セッションを受けた後は、自宅で続けることも可能だそうだ。

そのためには、ケーゲル体操の重要性を過小評価してはいけない。ケーゲル体操とは、骨盤底筋を繰り返し収縮および弛緩させる運動のこと。「1日3セット、1セットにつき8回収縮させることで、尿漏れを大幅に改善できます。ケーゲル体操は車内や皿洗いの最中でもできます」とマクブライド。

骨盤底筋を鍛えるためのさらなるヒントは以下の通り。

1. 意識的な呼吸

深呼吸(横隔膜呼吸、腹式呼吸)はストレス解消だけでなく、体幹と骨盤底筋の軽度のトレーニングにもなる。サリュウは、肋骨とお腹に息を十分に吸い込んで骨盤底筋をリラックスさせたら、次は息を吐いて骨盤底筋がゆるやかに持ち上がるのを感じるよう勧めている。「意識的な呼吸は腹圧を調整し、穏やかな膀胱反射を促します」

2. 深く腰掛ける

「公衆トイレが理想的でないことは承知していますが、中腰だと骨盤底筋が緊張し、膀胱を完全に空にすることが難しくなる上、尿路感染症のリスクも高まります」とサリュウ。便座にはきちんと座り、必要に応じて紙や便座保護シートを使うといい。

3. 適切な水分補給

直感に反するように思えるかもしれないが、脱水は実際に膀胱を刺激し得るため、もっとトイレに行きたい気がする原因になる。サリュウは「一日を通して一貫した清潔な水分補給を心がけ、急な尿意を感じる場合は、コーヒー、炭酸、柑橘類などの膀胱刺激物を制限してください」と話す。

4. 食物繊維を多く摂る

「便秘は骨盤底機能障害の主な、そして沈黙の要因であることが多い」とサリュウは言う。力むと骨盤底筋に圧力がかかるからだと指摘する。順調なお通じをサポートするために、食物繊維の豊富な食事を摂ることを勧めている。「腸をしっかりケアすれば、骨盤底筋も感謝するでしょう」

5. マインドフルネスを心がける

「最も重要なのは、自分の体の声に耳を傾けること」だとサリュウ。「“念のため”トイレに駆け込んだり、何時間も尿意を我慢したり、尿漏れが習慣になったりするのは、つねに急き立てられる現代社会の一部のような気がするかもしれませんが、それらはバランスが崩れていることの微妙な合図なのです」

何か違和感を覚えたら、骨盤健康の専門家にサポートを求めること。それから、サリュウのアドバイスも心に留めておくこと。「膀胱は鍛えることができます。骨盤底筋はパワフルだし、自分でコントロールできます。わずかでも一貫した変化によって、自分の体に対する感じ方をすっかり変えることができるのです」

Text: Violeta Valdés Translation: Yukari Saio

From VOGUE.ES

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