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50代の趣味は「ものづくり」から!

  • 2025.6.3

おしゃれや暮らしに活用できる「ものづくり」の趣味を持つ50代女性が増えています。
そこで、手仕事の趣味を持つモデル・青木沙織里さん、スタイリスト・平井律子さん、ファッションプレス・武 安輝子さんら3人にその楽しさを教えていただきました。

藤編みに夢中! 「編み上げた達成感は格別です」

モデル
青木沙織里さん
19歳でモデルデビュー。雑誌、CM等を中心に活動するかたわら、自身のブランド「Huminaa」を立ち上げる。4/19(土)、20(日)にはコラボの企画展『MUYA&Huminaa』を、和歌山市のアートギャラリーnormにて開催しました。

無心になって編め、眺めて癒やされる

青木さんはもともとモノを作ることが大好き。藤編みにハマったのは2年前。大病を患ったことがきっかけでした。
「生還して、”今やりたいことをやろう”と決意したんです。そんなとき、藤かごに出合ってしまって、若いころからあった〝かご好き〟の熱が一気に燃え上がり、夢中になりました」

藤編みは始めるとキリのいいところまで止められないため一か月の中で編む日を決めて過ご
すようになった、と青木さん。

「生活にハリが出ましたし、時間を大事に使うようになりました。編んでいるときは他のこと
をすべて忘れ、癒やされます。どんどん作品が増えていって、かさばるし、置き場に困りますが、それも幸せな悩みですね」

自作した斜め掛けの藤バッグでおでかけ。
服も自身でデザインし、牛乳パックとリネンを使った和歌山産の生地を使用した『MUYA&Huminaa』のもの。

藤は30分水につけ、柔らかくしてから編む。
長い藤を広げるので部屋を占拠。「編む日は事前に家族に許可を取ります(笑)」

青木さんの作品。
一年間のオンライン講座「tousket」のキットで1か月半に1個のペースで製作。「回を追うごとに難易度があがり、課題をこなすのが大変です」

刷毛は、仕上がったかごをコーヒーで染める際とニスを塗る際に使用。
藤を切るはさみや編み目を整える千枚通しとニッパーも必需品。

刺しゅうに夢中!

着用のローブもシミに刺しゅうを施してカスタマイズ。刺しゅう台はエディ工房のもの。

スタイリスト
平井律子さん
弊誌をはじめ女性誌のファッション特集やカタログ、広告、俳優のスタイリングも手がける。体形を問わない大人の着こなし術が人気。

針と糸の世界に没入し、気づけば朝に

昔から刺しゅうやレースが大好きで、仕事の上でも多くの作品を目にしている平井さん。「い
いものを見過ぎて自作できるとは思っていなかった」といいます。

「3年前に〝自分で作る〟という発想を持ってからは毎月講座に通い、完全に沼にハマりました」以来、空き時間ができたら刺しゅうを始め、食事もとらずに朝まで続けてしまう日も。

その後の肩こりと疲れ目が悩みどころで「頭が楽しんでいるみたいで、達成感がまさってしまう」と笑います。今ではカーテンやのれんなど部屋のいたるところに刺しゅうをしているそう。

「上達しているのがわかるので、布を見るとつい刺したくなってしまって。きりがなく困ります」

映画のキャラクターを刺しゅう。

新たに習い始めた「白糸刺しゅう」の課題。

市販のプリントバッグに刺しゅうした初期の作品。

2年近く通った「北欧てしごと教室」の作品たち。

道具はソーイングボックスに収納。クロスステッチの針山もお手製。

金継ぎに夢中!

「ヨーガンレール」プレス
武 安輝子さん
パリで美術史を学び、画廊で研修生として働く。帰国後はヨーガンレール社に入社し、以来、20年以上にわたりプレスを務める。

心頭を滅却し、自分と向き合う成熟した時間

仕事柄、素敵な器に囲まれて暮らす武さん。以前は、大事な器を割った際には接着剤で修理しており、あまりの味気なさにへこんでいた、といいます。

「40代で金継ぎを習い始め、世界が広がりました。心を沈ませて集中しないと上手くできないので、私のようにせっかちな人間にとって、修行のような時間。”金継ぎ道”で自分や器への向き合い方が変わりましたね」

武さんにとって金継ぎは”自分を整える時間”。大事な器も躊躇なく普段使いができ、暮らしが豊かになったとか。

「欠いてもがっかりせず、金継ぎした後の絵を想像して笑みがこぼれます。そして、金継ぎした器にはより愛着がわき、注ぐ愛情がより増していきますね」

“金継ぎ待ち”の器はバスケットにまとめて。

ココナッツの実を象った手馴染みのいい銀彩の器。釉薬に合わせて銀継ぎ。

欠いたり、割ってしまった大事な器も金継ぎによってよみがえり、違う景色が楽しめる。

金継ぎによって愛着が増す!

漆作家で金継ぎの先生、宮下智吉さんオリジナルのお道具セット。
漆の水分を飛ばして塗りやすくする「黒める」という作業中。

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