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工夫して10秒で計算してみて!「21+21÷21+21×21−21」→暗算できる?

  • 2025.7.3
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長い計算式は計算の難易度が高そうに見えますが、暗算をあきらめる前に式をよく観察してみましょう。

式の特徴を生かして工夫をすれば、思ったよりも簡単に答えを出せるかもしれませんよ。

さて、今回の式にはどんな特徴があるでしょうか。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
21+21÷21+21×21−21

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「442」です。

制限時間内に計算できたでしょうか。

10秒で計算するには式が難しすぎた…と感じた人は、ぜひ次の「ポイント」をご覧ください。

この式を楽に計算するための工夫を紹介していますよ。

ポイント

ポイントは、「繰り返される21をうまく利用すること」です。

今回の問題には21という同じ数しか登場しません。この特徴を使うと、次のような工夫ができます。

割り算を一瞬で計算する

まずは、最初の割り算を一瞬で計算してしまいましょう。

(足し算から始まっているのに、割り算を先にするの?と思った人は、計算順序のルールを思い出してください。計算順序のルールでは、割り算と掛け算は足し算と引き算よりも先にすることになっています。また、割り算と掛け算が式の中にあるときは、先に登場した方から計算しますから、この式で最初に計算すべきは21÷21になりますよ。)

21+21÷21+21×21−21

二桁の割り算というと身構えてしまいがちですが、よく見るとこれは同じ数どうしの割り算ですね。ある数を同じ数で割った答えは必ず1になります(※)ので、21÷21の答えも1だとすぐに分かります

21+21÷21+21×21−21
=21+1+21×21−21

※÷0は定義できないので、0÷0の場合を除きます。

掛け算を簡単にする

割り算が終わったら、(計算順序のルールに従って)掛け算に進みましょう。

21+1+21×21−21

「21×21」は暗算するには面倒な計算です。そこで、後ろの−21に注目しましょう。

「21×21−21」という式の意味を具体的な例でイメージしてみましょう。例えばこの式は、21円のアメを21個買った後、アメを1個返品したとき実際に払った値段を求める式といえます。この答えは、21円のアメを20個買ったときの値段と一致するはずですね。

つまり、「21×21−21」というのは、「21×20」と同じ計算結果になるのです。

21×21−21
=21×20

※より数学的にいえば、分配法則の逆(A×B−A×C=A×(B−C))を使った変形をしていることになります。
21×21−21
21×21−21×1
=21×(21−1)  ←分配法則の逆
=21×20

こうすると、掛け算と引き算が掛け算だけの式にまとまります。「21×20」は、「21×21」に比べて計算が簡単ですね。

21×20
=420

では、ここまでの計算を元の式に当てはめてみましょう。

21+1+21×21−21
=21+1+21×20
=21+1+420

あとは残りの足し算を順番にすれば答えが出ます。

21+1+420
=22+420
=442

まとめ

今回の式には、21しか登場しません。この特徴を使えば、計算はかなり楽になります。

まずは割り算ですが、割られる数も割る数も同じ21なので、答えは1であるとすぐに分かります。また、「21×21−21」は、「21×20」と同じ答えになるため、より簡単な「21×20」の方を計算すればOKです。

このように式の特徴をうまく使うことで、計算の効率がかなり変わってくるでしょう。ただし、式によって有効な工夫は異なりますので、どのようにすれば計算が簡単になるのかをその都度考えていってくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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