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工夫して20秒で計算してみて!「2,8,14,20,26,32,38の数列」→合計は?

  • 2025.7.2
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今回は、数列の合計を求めてみましょう。

数列とは、規則性を持った数の列のことです。この規則性が分かると、数列の合計は簡単に求められますよ。

さて、あなたは何秒で答えを出せるでしょうか。

問題

次の数列の合計を求めなさい。
2,8,14,20,26,32,38

※制限時間は20秒です。

解答

正解は、「140」です。

この問題、2から38まで、数をひとつずつ足していけば答えが出ますが、足し算を繰り返さなければならないため、計算には時間がかかってしまうでしょう。

効率的に答えを出す方法は、次の「ポイント」で紹介します。

ポイント

今回の問題は、「等差数列の特徴を使う」とすぐに答えが出ます。

等差数列とは、同じ数だけ減ったり増えたりする規則性を持った数の列のことです。後ろの数から前の数を引いた答え(差)がどこでも同じになれば、その数列は等差数列です。

では、今回の数列が等差数列かどうかを確認してみましょう。

2,8,14,20,26,32,38

<後ろの数−前の数>
8−2=6
14−8=6
20−14=6
26−20=6
32−26=6
38−32=6

後ろの数−前の数の答えは、すべて6になりましたね。よってこの数列は等差数列です。

※等差数列で後ろの数から前の数を引いた答えのことを公差といいます。この数列は公差6の等差数列といえます。

等差数列では、数の並びを逆にして元の数列と足すと、どの部分でも同じ合計値になることが分かっています。

2,8,14,20,26,32,38
38,32,26,20,14,8,2←逆にして足していく(以下画像を参照)
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今回の場合は、画像のように合計値はすべて40になります。

どうして合計値が同じになるのでしょうか? 理由は、元の数列は6ずつ増えていくのに対して、逆にした数列は6ずつ減っていくからです。

例えば、最初の数のペアの足し算「2+38」に対して、次の足し算は「8+32」です。これは、2に6を足した数と38から6を引いたものの合計です。「2+38」に対して6を足してから引いたような状態になるので、合計40という結果は変わりません。他のペアでも同じことがいえます。

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こうしてできた40という数は全部で7つ(数列に登場する数の個数と一致します)です。

すべての40を合計すると、40×7=280になります。これは元の数列と逆にした数列2個分を足した数といえます。この280を2で割ると(280÷2)、元の数列の合計140を求めることができます。

ここまで説明した流れをまとめて振り返りましょう。

まず、数列の数の並びを反対にして足します。このとき、どの部分でも答えは同じになるので、代表して最初の数と最後の数を足した答えを求めます

2+38=40

40は数列に登場する数の個数だけできるので、7を掛けて合計を出します。

40×7=280

280は数列2個分の合計なので、÷2をして数列1個分の合計を求めます。

280÷2=140

これで答えが出ましたね。

まとめ

今回は、等差数列の合計を簡単に求めるための工夫を紹介しました。

等差数列とは同じ数だけ増えたり減ったりする数の列のことです。

この等差数列には、元の数列と逆にした数列を順番に足していくと、その答えはすべて同じになるという特徴があります。この特徴を使うと、次の式で数列の合計を求めることができます。

等差数列の合計=(最初の数+最後の数)×数列に登場する数の個数÷2

この式を覚えておけば、長い数列の合計も効率的に計算できますよ。等差数列の合計問題をみたときは、まずこの式を使ってみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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