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美容皮膚科医が警鐘!実は恐ろしい「悪いほくろ」は“早期発見”が何よりも重要…見分け方は?

  • 2025.5.27
「悪いほくろ」は病気の可能性も…? ※画像はイメージ
「悪いほくろ」は病気の可能性も…? ※画像はイメージ

顔や体のあちこちにできる「ほくろ」。「子どもの頃からある」「いつの間にかできてた」といったほくろも多いため、普段、ほくろのことを気にして過ごしている人は少ないかもしれません。しかし実は、ほくろの中には「よいほくろ」と「悪いほくろ」があり、特に「悪いほくろ」には病気の可能性も潜んでいるようです。

全国に26院を展開する美容皮膚科「リゼクリニック」新宿東口院の赤岩優妃医師は、「“悪いほくろ”を見つけたら、速やかに皮膚科を受診する必要があります」と警鐘を鳴らします。「よいほくろ」と「悪いほくろ」をどう見分ければいいのか、詳しく教えていただきました。

“悪いほくろ”は早期発見が重要

Q.まず、「ほくろ」とはそもそも何なのかについて教えてください。

赤岩医師「ほくろとは、皮膚にできる黒や茶色の小さな斑点のことを指し、医学的には『母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)』または『色素性母斑(しきそせいぼはん)』と呼ばれます。

ほくろは、皮膚のメラノサイト(色素を作る細胞)が局所的に増殖したものです。通常、良性で健康に影響を及ぼすことはありませんが、一部のほくろは悪性化する可能性があります。ほくろができる主な原因としては、主に次の3つが挙げられます。

遺伝……家族にほくろが多いと、自分もほくろができやすい傾向がある・紫外線……紫外線の影響でメラノサイトが活性化し、ほくろが増えることがある・ホルモンの変化……思春期や妊娠中にホルモンバランスの変化により増えることがある

ほくろの色は黒、茶色、薄い褐色、灰色、青色、赤色など多様で、円形または楕円形が一般的ですが、不規則な形のものもあります。大きさは数ミリ程度が多いですが、先天性のものは大きくなることもあります。

できやすい場所は、顔、腕、背中、胸など、紫外線にさらされる部位が多いです。子どもの頃からある先天性のものもあれば、思春期や成人になってからできる後天性のものもあります」

Q.「ほくろ」には、特に問題のない「よいほくろ」と、何らかの異常や病気の可能性が考えられる「悪いほくろ」があるのは事実でしょうか。

赤岩医師「事実です。ほくろのほとんどは良性ですが、『悪性黒色腫(メラノーマ)』と呼ばれる皮膚がんの可能性を持つ“悪いほくろ”も存在します。この“悪いほくろ”は、悪性黒色腫(メラノーマ)のほか、その前段階の異常な細胞増殖を示すほくろのことを指します。

メラノーマは、メラノサイトががん化したもので、皮膚がんの中でも最も悪性度が高いとされ、早期発見・早期治療が非常に重要です」

2つ以上当てはまったら“悪いほくろ”の可能性アリ

Q.「よいほくろ」と「悪いほくろ」はどうやって見分けたらよいですか。

赤岩医師「“悪いほくろ”を見分けるためには、メラノーマの特徴を示す『ABCDEルール』を活用すると分かりやすいです」

【ABCDEルール(メラノーマの特徴)】

A(Asymmetry:左右非対称)……ほくろを半分に分けたとき、左右の形が明らかに違うB(Border:境界の不明瞭さ)……周囲と境目がはっきりせず、ギザギザしているC(Color:色の不均一)……1つのほくろの中に黒、茶色、赤、白、青など複数の色が混じっているD(Diameter:直径6ミリ以上)……6ミリ(鉛筆の消しゴムの大きさ)以上あるとリスクが高いE(Evolving:進行・変化)……大きさや色、形が短期間で変化する

以下のうち、2つ以上当てはまる場合は“悪いほくろ”の可能性があります。皮膚科の診察を受けることを推奨します。

・ほくろが突然、大きくなった・ほくろの形が左右非対称になった・ほくろの境界線がギザギザしている・ほくろの色がムラになっている・ほくろにかゆみ、痛み、出血がある・ほくろの大きさが直径6ミリ以上ある・ほくろの表面が盛り上がったり、ただれたりしている

Q.「よいほくろ」が「悪いほくろ」に変化する可能性はあるのでしょうか。

赤岩医師「あります。もともと良性だったほくろが、次の要因によって悪性化することがあるためです」

【悪性化の原因】

・紫外線の影響……長期間、紫外線を浴びることで、メラノサイトの遺伝子に異常が起こる・摩擦や刺激……刺激でほくろがダメージを受け、異常増殖する可能性・ホルモンの変化……妊娠や更年期に、ホルモンの影響でほくろが大きくなることがある・遺伝的要因……家族にメラノーマの既往があると、リスクが高まる

Q.顔や体に「悪いほくろ」を見つけたら、どうすればいいですか。

赤岩さん「“悪いほくろ”は、早期発見・早期治療が重要です。見つけたら、早急に皮膚科や形成外科を受診しましょう。ダーモスコピー検査(特殊な拡大鏡を使った診断)が推奨されます。必要に応じて皮膚生検(組織検査)も行うことがあります。

“悪いほくろ”を見つけたのに放置してしまうと、もしメラノーマだった場合、進行すると他の臓器に転移します。治療が遅れると命に関わる可能性もありますが、早期に除去すれば完治の可能性が高いです。ほくろに少しでも違和感があれば、速やかに受診してください」

オトナンサー編集部

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