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「何で私だけ…」父親が蒸発、一家離散、ホームレス…“過酷すぎる過去”を越え 超一流女優に「怪物」と言わしめた朝ドラヒロイン

  • 2025.5.20

演技力と人柄で、視聴者にも共演者にも愛される女優がいます。
今回は、そんな同業者も絶賛の名女優を5名セレクトしました。本記事では第4弾として、伊藤沙莉さんをご紹介します。
かつては極貧生活を送っていた少女が、“怪物”と評される朝ドラヒロインになるまで…。その波乱の生い立ちと18歳差のラブストーリー、そして『虎に翼』で証明された“本物の女優力”とは――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

父の蒸発で極貧!「売れない子役」と虐められた少女が朝ドラの顔になるまで

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(C)SANKEI

伊藤沙莉さんは1994年、千葉県に生まれました。お笑いコンビ「オズワルド」の伊藤俊介さんを兄に持ち、三人きょうだいの末っ子として育ちました。

幼い頃に父親の会社が倒産し、家族は離散。「私は母の幼なじみの家で、お兄ちゃんとお姉ちゃんは、お兄ちゃんのサッカー仲間の家」と語り、きょうだいがそれぞれ別々の家で暮らすなど、一時は“ホームレス状態”を経験したといいます。母親が軽トラックの荷台で夜を明かしたこともあったそうです。「何で私だけ1人なんだろう」と当時を振り返り心境を明かした伊藤さん。ようやく家族5人で暮らせた団地の一室はゴキブリが出るような住環境だったそうですが、それでも「何より家族で住めるのが本当にうれしかった」と伊藤さんは語っています。

9歳でテレビドラマ『14ヶ月〜妻が子供に還っていく〜』に出演し子役デビュー。『女王の教室』などでいじめっ子役を演じる一方、学校では「売れない子役」とからかわれ、傷つくことも多かったといいます。

それでも女優業に真摯に向き合い続けた伊藤さんの芯の強さは、困難な幼少期を生き抜いた日々によって育まれたのかもしれません。

「まさか妹が…」同性とのキス、不良少女の濡れ場―濃厚シーンにに涙した兄

子役として注目された後も、伊藤沙莉さんは長く「学園ドラマの脇役」のイメージから抜け出せずにいました。転機のひとつとなったのが、2015年のドラマ『トランジットガールズ』。義姉妹となった女子高生2人の恋愛を描いた作品で、同性の佐久間由衣さんとの濃厚なキスシーンが話題を呼びました。

さらに2017年の映画『獣道』では、不良少女役で主演を務め、須賀健太さんとのベッドシーンにも挑戦。家族と一緒にこの作品を観た兄・伊藤俊介さんは、「『あいつ、絶対親族だな』って、周りの人にバレるぐらい泣いちゃった。頑張ったな、すごかったな沙莉と思って」と後に語っています。

「怪物です」―“超一流女優も絶賛した朝ドラヒロイン”

2024年、NHKの連続テレビ小説『虎に翼』のヒロインに抜擢された伊藤さん。オーディションではなく指名での起用とされ、演技力と存在感への信頼の厚さがうかがえます。

伊藤さんは、日本初の女性弁護士・三淵嘉子さんをモチーフとした猪爪寅子役を演じました。戦前の男社会を舞台に、理不尽に抗い、法の力で人を救おうとするひたむきな姿を、力強く、そして繊細に演じました。

ナレーションを務めた尾野真千子さんは「素晴らしすぎるからもう言うことない」「もうほんとあの人は“怪物”です」と感想を述べています。伊藤さんの迫真の演技は共演者にも、そして長年の朝ドラファンの心にも感動を届けました。

「声がムリ…」嫌われ声さえ武器に変えた怪物女優

過酷な幼少期さえも、力に変えてきた伊藤沙莉さん。

声が苦手」という意見が一定数あるのも事実ですが、それすらも個性と受け止め、芝居に活かしてきた姿はまさにプロフェッショナル。「怪物」と語られたその存在は、“同業者も絶賛する名女優”そのもの。これからどんな役で魅せてくれるのか―今後の活躍が楽しみです!


※記事は執筆時点の情報です