1. トップ
  2. 「一生忘れない」「生々しすぎた…」NHK朝ドラ史上初めて描かれた“衝撃シーン”に絶句…29年経ても“語られ続ける”至高作

「一生忘れない」「生々しすぎた…」NHK朝ドラ史上初めて描かれた“衝撃シーン”に絶句…29年経ても“語られ続ける”至高作

  • 2026.3.8

ドラマや映画の中には、観る者を驚嘆させるほど緻密に作り込まれた作品があります。今回はそんな中から名作ドラマを5本セレクトしました。本記事ではその第4弾として、連続テレビ小説『甘辛しゃん』(NHK総合)をご紹介します。様々な困難に立ち向かうドラマです。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

undefined
女優・樋口可南子 (C)SANKEI
  • 作品名(放送局):連続テレビ小説甘辛しゃん』(NHK総合
  • 放送期間:1997年10月6日~1998年4月4日
  • 出演者:佐藤夕美子(神沢泉 役) ほか

舞台は1960年(昭和35年)の丹波篠山。泉(佐藤夕美子)は、農閑期に杜氏をしていた父を交通事故で亡くし、母ふみ(樋口可南子)と貧しいながらも明るく暮らしていました。ある日、泉は灘の由緒ある造り酒屋『榊酒造』の当主の息子である拓也(岡田義徳)と出会います。その後、台風で家と水田を失った泉とふみは、父の杜氏仲間だった茂吉(塩見三省)の誘いをうけ、榊酒造で住み込みで働くことになり、灘へ移り住みます。泉は、酒造りの魅力に取りつかれ、女性杜氏を目指すように。様々な困難に直面しながらも、新しい「純米吟醸酒」の醸造に情熱を燃やし、奮闘します。

物語の終盤、1995年1月17日に阪神・淡路大震災が発生します。この震災で榊酒造の蔵は倒壊。一時帰省していた拓也が命を落とすという悲劇に見舞われます。泉は深い悲しみを乗り越え、生産再開に向けて奔走。家族の間に生じた溝も修復し、震災後初めての酒『露誉』を出荷するのでした。

朝ドラ史上初めて本格的に描かれた阪神・淡路大震災

本作では「女は蔵に入れぬ」という古い慣習や偏見に抗いながら、主人公・泉が女性杜氏を目指し、新しい純米吟醸酒造りに情熱を注ぐ姿が描かれています。様々な困難に立ち向かう泉のひたむきな努力と成長は見どころの一つであり、恋仲となった泉と拓也の姉弟は今では許されぬ設定であることも注目です。SNSでは、今でも話題にあがっており、多くの視聴者の心に残っているようです。

また、本作は1995年1月に発生した阪神・淡路大震災が本格的に描かれた最初の連続テレビ小説でしたが、その後、同じく連続テレビ小説『半分、青い。』にて、2011年の東日本大震災発生の描写が描かれています。この時佐藤夕美子さんは約20年ぶりに朝ドラに帰ってきたことも大きな話題となりました。本作では震災で甚大な被害を受けながらも、酒蔵の再建と酒造りに尽力する人々の姿を通じて、当時の状況や復興への強い思いが表現されています。

佐藤夕美子さんは本作で、一番成長をさせてくれたのは母親役の樋口可南子さんと明かしています。佐藤さんは、女性自身によるインタビューで次のようにふりかえりました。

樋口さんがやってきて『泣こうとしなくてもいいよ。あなたの母親に対する思いを表現して』と一言アドバイス。そしてさっそうと『カメラ回して』と去っていったんです。そのアドバイスどおりにすると、うそのようにボロボロ涙があふれてきて……。樋口さんは、私にとって、役になりきるために心を動かしてくれる存在でした出典:『「カメラ回して!」佐藤夕美子 17年前の朝ドラヒロインの人生を変えた大女優からの一言』女性自身(2025/02/15 11:00 )

その佐藤さんも絶賛してやまない、樋口可南子さんは「明日の記憶」などで優秀主演女優賞を受賞、本作品でも迫真なる演技で視聴者を魅了しました。ほかにも、故・植木等さん、風間杜夫さん、塩見三省さんなど、ベテラン俳優たちがしっかりと脇を固め、物語を豊かに彩っています。

前を向く力をくれた朝ドラ

本作は、連続テレビ小説で初めて本格的に阪神・淡路大震災が描かれた作品でもあります。震災から約2年後、未だその記憶が色濃く残るなか放送され、視聴者の心に強く印象づけられ、今なお「一生忘れない」「生々しすぎた…」という声が見られます。作中発生した阪神・淡路大震災で蔵が倒壊し、拓也はその下敷きになり命を落とします。悲しみの中、酒の生産再開に向け奔走し、家族との間にも絆を取り戻していく中で、震災から20日後、震災後初めての酒「露誉」が出荷されていくのです。これにより、泉たちは再び未来へと動き出していくのでした。

泉は愛する人を失うという大きな悲しみを経験しながらも、酒造りへの情熱と家族の支えを胸に前へ前へと力強く歩を進めました。その姿は感動を呼び、視聴者の間に希望をもたらしました。まさに連続テレビ史上でも最高の感動ドラマと言っても良い名作です。


※執筆時点の情報です