「更年期に抜け毛がひどくなった…」原因と対策は？産婦人科医が回答

女性の体ならではの、ちょっとした悩みや疑問。病院に行くほどでないけど、専門家の意見を知りたい！そんな気持ちに応える、女性の体にちなんだ悩みについて産婦人科の先生に一問一答してもらう本連載。

今回は、更年期の抜け毛について質問！

更年期にはエストロゲンの低下によってヘアサイクルが乱れたり、頭皮の新陳代謝が悪くなって乾燥することも抜け毛の原因に。髪のハリやコシが減り、一本一本が細くなって全体的に髪が薄くなることもあります。

ホルモン補充療法をしても、抜け毛に対するアプローチのエビデンスはありません。バランスの取れた食事や睡眠、運動といった基本的な生活習慣を整えることが改善につながると思います。

ブラッシングで頭皮をマッサージしたり、肌に合ったシャンプーや髪にやさしいドライヤーを使うなど、最近の充実したヘアケアグッズを試すのもよいでしょう。

また、ビオチンというビタミンの一種は、アミノ酸や脂質、糖の代謝に関わる栄養素で、体内ではコラーゲンの合成に役立つため、皮膚や粘膜、髪、爪の健康に悩む方はサプリから継続的に摂取するのもよいでしょう。

エストロゲンの低下以外でも、ダイエットやストレス、暑いお湯に浸かることによる皮膚乾燥も、原因の一つにあります。ただ、あまりにも抜け毛が多かったり、円形脱毛症が見られる場合は他の病気が潜んでいる恐れもあるため、専門医療機関を受診するのが安心です。

東京医科大学産科婦人科学教室病院助教。医学博士、産婦人科医の指導医、生殖医療専門医、女性ヘルスケア専門医などを取得し、不妊治療や女性医学を得意とする。

Text:Saya Inoue