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【丸の内】静嘉堂@丸の内「黒の奇跡・曜変天目の秘密」国宝《曜変天目》もお目見え!

  • 2025.4.21

黒の輝きをまとう工芸品を楽しむ

静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で開催中の「黒の奇跡・曜変天目の秘密」[2025年4月5日(土)~6月22日(日)]を見てきました。

黒釉のかかる漆黒の碗の内側に浮かび上がる大小の斑紋が神秘的な国宝《曜変天目》。金蒔絵(きんまきえ)が漆黒に映える漆工芸の名品。 刀剣や鉄鐔など黒鉄の工芸品など、本展は黒い色彩をテーマにした工芸品の国宝、重要文化財を含む名品優品が並ぶ展覧会です。

※特別な許可を得て撮影しています。

※ギャラリー4以外は撮影が可能です。(国宝《曜変天目》は撮影不可) *携帯電話・スマートフォン・タブレットのカメラは使用可。動画撮影・カメラでの撮影はご遠慮ください

 

出典:リビング東京Web

「黒の奇跡・曜変天目の秘密」展示風景 静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)

静嘉堂の「唐物天目(からものてんもく)」が一堂に

黒い釉薬と漏斗(じょうご)のような器形が特徴的な「天目」は、抹茶を飲む茶碗の中で最も格式が高いとされています。

本展では、国宝《曜変天目》をはじめ、油滴(ゆてき)や建盞(けんさん)、玳玻(たいひ)、灰被(はいかつぎ)など、静嘉堂文庫美術館所蔵の唐物天目が一堂に会する貴重な機会です。

重要文化財《油滴天目(ゆてきてんもく)》

黒光りする黒釉の地に、薄紫がかった白い星のような斑紋が内と外に見えています。 斑紋が水に垂らした油滴に見えたことからこの名が付いた重要文化財《油滴天目(ゆてきてんもく)》。朝顔形に広く開いた器形は通常の天目とは異なるそうですが、斑紋の広がりをより際立たせています。

室町時代、足利将軍家の座敷飾りのマニュアル『君台観左右帳記』において、曜変天目に次いで高い評価を与えられていたそうです。

 

出典:リビング東京Web

重要文化財《油滴天目》 建窯 「新」銘 南宋時代(12~13世紀) 附属 花卉文堆朱天目台 明時代15世紀 (公財)静嘉堂蔵

 

出典:リビング東京Web

重要文化財《油滴天目》 建窯 「新」銘 南宋時代(12~13世紀) 附属 花卉文堆朱天目台 明時代15世紀 ほか、展示風景 (公財)静嘉堂蔵

《灰被天目 銘 埋火(はいかつぎてんもく めい うずみび)》

《灰被天目 銘 埋火》(左)。「埋火」は炉の灰の中に火種として埋められた炭火のこと。 黒釉の上に灰が被ったような変化のある景色を見せる「灰被」。器の外側に2か所ある刷毛で描いたような銀色の帯は、黒釉が窯変したものです。 江戸初期の大名茶人・小堀遠州(こぼりえんしゅう)に見いだされ十二支の銘を与えた天目茶碗の一つで、銘を「辰」とされたそうです。

足利将軍家の『君台観左右帳記』では「将軍家には用のないもの」とあるそうですが、戦国時代以降、後に「わび茶」と呼ばれるスタイルが流行り始めわびた釉景色の美が再発見され一躍脚光をあびるように。

美意識が時代とともに変化して行くことを感じさせる名品です。

 

出典:リビング東京Web

左から、《灰被天目 銘 埋火》 茶洋窯 元~明時代(14~15世紀)、《灰被天目》 茶洋窯 元~明時代(14~15世紀) (公財)静嘉堂蔵

漆工芸の黒の艶、刀剣、鉄鐔の黒鉄の輝き

金蒔絵や螺鈿細工を引き立たせる艶めく黒漆の漆工芸品。黒い漆は生漆(きうるし)に鉄粉を加えて化学反応で黒変させる手法がとられているそうです。

刀剣、鉄鐔の中心(なかご)の黒い色は、黒さびの酸化被膜で、鉄の内部を保護し、「鉄味(てつあじ)」という黒々とした鉄の美しさが生まれるとのことです。

漆工芸の名品《柳流水蒔絵重箱(やなぎりゅうすいまきえじゅうばこ)》、《浪月蒔絵硯箱(ろうげつまきえすずりばこ)》

柴田是真(しばたぜしん)作の《柳流水蒔絵重箱》(左)。 五段重ねの重箱は、上から黒塗、四分一塗、潤塗、朱銅塗、青銅塗に塗分けられています。蓋甲から底に向けては「青海波(せいがいは)塗」による川が流れ、柳と蛇籠が表されています。漆塗の多様な技を駆使した蒔絵重箱です。是真は明治23年(1890)帝室技芸員となっています。

右は清水九兵衛(しみずくへい)作の《浪月蒔絵硯箱》。 清水九兵衛は、江戸時代、加賀藩第3代・前田利常(まえだとしつね)に招かれ金沢で加賀蒔絵の基を築いた蒔絵師です。

黒漆の漆黒の夜空に浮かぶ鉛板の金貝で表された三日月と、金銀高蒔絵の波涛が美しい硯箱です。波しぶきには濃密に金粉が蒔かれています。雲間に見える細い月が夜の静けさを感じさせます。

 

出典:リビング東京Web

左、《柳流水蒔絵重箱》 柴田是真 「是真」銘 江戸~明治時代(19世紀)、右、《浪月蒔絵硯箱》 清水九兵衛 「清水九兵衛【花押】」銘 江戸時代(17世紀) どちらも(公財)静嘉堂蔵

重要美術品《刀 銘 源清麿/弘化丁未年八月日(かたな めい みなもときよまろ/こうかひのとひつじのとしはちがつひ)》附 小倉巻柄半太刀拵(つけたり おぐらまきつかはんだちごしらえ)

幕末の名工・源清麿(みなもときよまろ)の白眉として知られている一振、重要美術品《刀 銘 源清麿/弘化丁未年八月日》附 小倉巻柄半太刀拵。

清麿円熟期の作で、南北朝時代の大太刀が磨上げられた姿を意識したとされています。拵は旧蔵者の黒田清隆(くろだきよたか)の好みで誂えたもの。

 

出典:リビング東京Web

上、重要美術品《刀 銘 源清麿/弘化丁未年八月日》 源清麿 江戸時代・弘化四年(1847) 下、拵:附 小倉巻柄半太刀拵 明治~昭和時代(19~20世紀)(公財)静嘉堂蔵

黒いやきもの

重要文化財《色絵吉野山図茶壺(いろえよしのやまずちゃつぼ)》

江戸初期の陶工・野々村仁清(ののむらにんせい)の重要文化財《色絵吉野山図茶壺》。

黒釉に金蒔絵をほどこしたように吉野山の桜に金の霞が表された茶壺です。

洗練された意匠と優れた轆轤(ろくろ)の技による仁清のやきものは、京都の公家や江戸の武家社会でも人気があったそうです。

 

出典:リビング東京Web

左、重要文化財《色絵吉野山図茶壺》 野々村仁清 「仁清」銘 江戸時代(17世紀) (公財)静嘉堂蔵

国宝《曜変天目(稲葉天目)》と一体化⁈

国宝《曜変天目(稲葉天目)》は黒釉に青の斑紋が宝石のように神秘的な輝きを放ちながら1点だけ展示されていました。今回、展示室4は撮影禁止です。

展示室手前のホワイエには国宝《曜変天目(稲葉天目)》のパネルと撮影ができるフォトスポットがあります。 斑紋の穴から顔を出して撮影をすると国宝《曜変天目(稲葉天目)》と一体化⁈した画像が出来るかも。

 

出典:リビング東京Web

「黒の奇跡・曜変天目の秘密」展示室4入口 静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)

 

出典:リビング東京Web

「黒の奇跡・曜変天目の秘密」フォトスポット 静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)ホワイエ

「黒の奇跡・曜変天目の秘密」Q&A

ホワイエでは国宝《曜変天目(稲葉天目)》の謎に迫るQ&Aが紹介されています。 「窯変」と「曜変」、その違いとは?曜変天目はいくつあるのか?など曜変天目の黒の秘密の謎解きはこれからも続きそう。今後も新しい発見があるかもしれません。

 

出典:リビング東京Web

「黒の奇跡・曜変天目の秘密」Q&A展示風景 静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)ホワイエ

黒の存在感と輝きをまとう名品と出会う

やきものや漆工芸、鉄の工芸品の優れた造形美が、黒の奥深さと出会い、生まれる黒の工芸品が魅せる独特の存在感と輝きに出会える展覧会です。

静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)の「黒の奇跡・曜変天目の秘密」は6月22日(日))まで。 是非お出かけください。

ミュージアムグッズ

ミュージアムグッズは、和三盆 黒の奇跡(曜変天目)(1‚100円)、刀剣乱舞ONLINE 砥石型洗顔石鹸 泥炭石(1‚250円)を購入。 自然由来の砥石型洗顔石鹸で磨いて黒鉄の刃のごとくピカピカに⁈なるかもしれません。※価格はすべて税込みです。在庫はご確認ください。

 

出典:リビング東京Web

ミュージアムグッズ 静嘉堂@丸の内

〇静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)

URL:https://www.seikado.or.jp/

住所:〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F

※美術館入口は、明治安田ヴィレッジ(旧・丸の内MY PLAZA)の1階

TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)

〇黒の奇跡・曜変天目の秘密

会期:2025年4月5日(土)~6月22日(日)

休館日:月曜日、5月7日(水)

※ただし5月5日は開館

開館時間:10:00 – 17:00

※毎月第4水曜日は午後8時まで、6月20日(金)・21日(土)は午後7時まで開館

※入館は閉館の30分前まで

※毎週木曜日はトークフリーデーです。

10:00~17:00(入場は16:30まで)

会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内 (明治生命館1階))

入館料:一般 1,500円、大高生 1,000円 障がい者手帳をお持ちの方(同伴者1名〈無料〉を含む) 700円、中学生以下 無料

※当日券の販売有。

※無料チケットをお持ちの方はご予約不要です。

※「ドレスコードは曜変天目」あなたなりの曜変天目ファッションで、展覧会を楽しみませんか? 受付で「曜変ファッションで来ました!」とお声掛けいただければ、一般入館料を200円割引いたします(他の割引との併用不可)

〇ミュージアムショップ

営業時間:静嘉堂文庫美術館開館時間に準ずる

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