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ダイヤモンドの数は888個。キャサリン皇太子妃が結婚式で纏った、カルティエのティアラの歴史

  • 2025.4.12
Max Mumby - Archive

2011年4月29日、ウィリアム皇太子キャサリン皇太子妃の結婚式の日。キャサリン皇太子妃がウェストミンスター寺院に到着した際、アレキサンダー・マックイーンALEXANDER McQUEENによる壮麗なレースのウエディングドレスのほかに人々が注目したのは、彼女の頭上でまばゆい輝きを放つカルティエCARTIER)の「ヘイロー」ティアラだった。

結婚式に先立ち、キャサリン皇太子妃が故エリザベス2世の膨大なジュエリーコレクションからどの作品を拝借するかについてさまざまな噂が飛び交っていた。そのなかには、キャサリン皇太子妃がティアラではなく、実母キャロルが父マイケルと結婚式を挙げたときのように花冠をかぶるのではないかという憶測もあったが、彼女は伝統的なアプローチをとり、王室の歴史に深く刻まれたこのティアラを選んだのだった。

1955年11月。「ヘイロー」ティアラを身につけたエリザベス2世の妹、マーガレット王女。
Princess Margaret, 1955."1955年11月。「ヘイロー」ティアラを身につけたエリザベス2世の妹、マーガレット王女。
1970年3月。ニュージーランド訪問中のアン王女。
Princess Anne In New Zealand1970年3月。ニュージーランド訪問中のアン王女。

この一点には739個のブリリアントカットダイヤモンドと149個のバゲットダイヤモンドがあしらわれており、美しい渦巻き細工が特徴だ。もともとは1936年11月、エリザベス2世の父である当時のヨーク公が妻であるヨーク公爵夫人エリザベス(後に王太后、クイーン・マザーとなる)へのプレゼントとして購入したもの。その後はエリザベス2世の18歳の誕生日に贈られたが、彼女が公の場で着用している姿が写真に撮られたことはない。

それでも、キャサリン皇太子妃の結婚式で再び脚光を浴びる前はマーガレット王女とアン王女が着用している様子が度々捉えられていることから、このティアラがイギリス王室のプリンセスたちの手によって大切に受け継がれてきたことがうかがえる。

「スクロール」ティアラは4月にオープンするV&Aのカルティエ展で展示される予定。
「スクロール」ティアラは4月にオープンするV&Aのカルティエ展で展示される予定。

4月12日から11月16日(現地時間)までロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)で開催されるカルティエ展が示すように、カルティエはロイヤルファミリーと長い関係を築いてきたジュエリーメゾン。今回「ヘイロー」は展示されないが、イギリス王室とのつながりがあるもうひとつのティアラ、「スクロール」にはお目にかかることができそうだ。

1,040個のダイヤモンドがあしらわれたこの一点は1902年、エセックス伯爵が妻のエセックス伯爵夫人アデルのために特注したもので、彼女はその年のエドワード7世の戴冠式で身につけた。それから約50年後には、ウィンストン・チャーチルの妻クレメンタインがエリザベス2世の戴冠式で着用している。

「スクロール」ティアラは普段、メゾンの膨大なアーカイブに保管されており、特別な式典や展示会以外で目にする機会はない。しかし、2016年にイギリス版『VOGUE』の元編集長エドワード・エニンフルがスタイリングを担当した『W』誌の表紙で、リアーナがこのティアラを斬新に魅せている。

Text: Emily Chan Adaptation: Motoko Fujita

From VOGUE.CO.UK

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キャサリン皇太子妃が初めてティアラを身につけたのは、ウェストミンスター寺院での結婚式の日。エリザベス女王から借り受けた、カルティエ(CARTIER)による「ヘイロウ・ティアラ」だった。
2011年、4月キャサリン皇太子妃が初めてティアラを身につけたのは、ウェストミンスター寺院での結婚式の日。エリザベス女王から借り受けた、カルティエ(CARTIER)による「ヘイロウ・ティアラ」だった。
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