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「脱落しそう…」「不快」“異色の朝ドラ”に賛否渦巻くも…“異例の大ヒット”と絶賛の声『至高の朝ドラ』を描いた脚本家とは?

  • 2025.4.29

「あのドラマの脚本、この映画の脚本も作っていたんだ!」と、驚く瞬間はありませんか?登場人物のセリフや行動など作品の肝となる要素を制作する脚本家は、ドラマや映画の評価を大きく左右する重要な役割を持っています。そこで今回は、“最注目”の脚本家5名をセレクトしました。

本記事では第4弾として、吉田恵里香さんをご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

2011年脚本デビュー!最注目の脚本家・吉田恵里香

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(C)SANKEI
  • 脚本デビュー:2011年
  • 代表作品:ドラマ『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』、ドラマ『恋せぬふたり』、ドラマ『虎に翼』など

経歴

小説家の勉強ができることを理由に、日本大学芸術学部文芸学科に入学した吉田恵里香さん。作家を夢見ていた吉田さんは、“1年で365冊本を読む”と決め、毎日大学の図書館や資料館を訪れていたのだとか。そんな吉田さんは大学在学中、とある劇団のお手伝いをしたことをきっかけに現事務所である株式会社Queen-Bに所属します。

2011年、西田征史さんと共同でアニメ『TIGER & BUNNY』の脚本を担当し、2013年に『恋するイヴ』(日本テレビ)で脚本家デビューを果たします。その後は、ドラマや映画、アニメ、舞台など、幅広い分野で脚本を制作した吉田さん。2024年には、吉田さんが脚本を務めたNHK連続テレビ小説『虎に翼』がロス者を続出させるほどの人気を集めました。

第40回向田邦子賞を受賞!吉田恵里香の代表作・ドラマ『恋せぬふたり』

吉田恵里香さんは、2022年にドラマ『恋せぬふたり』で脚本を務めました。本作で吉田さんは、優れたテレビドラマの脚本を制作した者に送られる「第40回向田邦子賞」を受賞。同年には、NHK出版から同名小説も発売されました。

本作は、他者に恋愛感情を抱かないアロマンティックと他者に性的に惹かれないアセクシュアルを併せ持ったアロマンティック・アセクシュアルの2人が共同生活を始めるという物語。恋愛が当たり前となっている世の中で、いわば普通ではない、でも確かに幸せだと言える生き方を見つけていく2人の様子に勇気や感動を貰える作品です。

恋と名の付いているわりにはトリッキーなキャラクター設定であるため「共感して面白く見れるタイプならよかったけど、ずっとしんどい」という視聴者も一部いたようです。しかし、多くの方がSNSなどで「ほのぼの生活に口角が上がったり温かい気持ちに。素晴らしい作品だった」「毎回ぶっ刺さって、いちいち腹を立てたり泣きそうになったりしてる」と絶賛のコメントを寄せていました。

NHK連続テレビ小説『虎に翼』ではロス者が多数の大ヒット作に…!

吉田恵里香さんは、2024年放送のNHK連続テレビ小説『虎に翼』の脚本も手掛けており、本作でも注目を集めました。吉田さんによる緻密な脚本と、主演の伊藤沙莉さんの力強い演技で多くの視聴者の心を掴み、特に、女性の社会進出や法曹界での奮闘を描いた点で高く評価されています。

ジェンダーや結婚、同性愛、司法の課題など、社会的テーマに切り込んだ本作のストーリーに一部の視聴者から「脱落しそう…」「不快でした」との辛口コメントもありましたが、一方では「こんなにハマるとは思ってなかった本当に感動作」「ちょっとずつ見進めていた虎に翼、めちゃくちゃ面白かったな…すごい…最初から最後までめちゃくちゃ面白かった」と絶賛の声も多くありました。

また、放送終了後も「泣きすぎてやばかった虎に翼のサントラ聴いてたら気付いてたら泣いてた、ロスが蘇った」「ついに、虎に翼観終わった、これがロスってやつかぁ」など“虎に翼ロス”の方も続出。

「普段は全くテレビもドラマも観ない人間なのだけど虎に翼を観れる時間が本当に楽しみだった」「虎に翼が終了したので、朝ドラを観ない生活にもどります」など、普段は朝ドラを観ていない視聴者やテレビを観ていない視聴者まで虜にしていたことがうかがえます。“異例の大ヒット”と称されている『虎に翼』、視聴率こそ大きく目立った数字ではないものの、視聴者の熱狂ぶりやメディアの反応が“異例の大ヒット”といわしめる所以ではないでしょうか。

怒りを原動力に…吉田恵里香の今後の活躍にも要チェック!

吉田恵里香さんは、とあるインタビューで「私自身がずっと怒っているんです」と語っています。というのも、吉田さんはニュースを見るたびに怒りが込み上げてくるそうで、「生きづらさを抱える人の多さにもですし、世の中を変えようと動いている人を鼻で笑うことも」と“声を上げられない”世の中に憤りを感じているのだとか。そんな怒りを原動力に、「エンターテインメントが声を上げられれば」と日々脚本を執筆しているそうです。

そんな吉田恵里香さんの今後の活躍に期待が高まります


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です。