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工夫して10秒で計算してみて!「3052÷9」→暗算できる?

  • 2025.4.3
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あなたは、四桁の割り算を10秒で計算することはできるでしょうか? 無理だと思う人にぜひ挑戦してほしいのが、今回の問題です。

ある暗算方法を知っていれば、スムーズに答えが出せますよ。どんな暗算方法か気になる人は、ぜひ記事を読んでみてください。

問題

次の計算を暗算でしなさい。答えは整数で求め、余りが出る場合は余りも答えましょう。
3052÷9

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「339余り1」です。

制限時間内に計算できなかった人は、ぜひ次の「ポイント」をご覧ください。

暗算方法を具体的に解説していますよ。

ポイント

この問題のポイントは、インド式計算法の一種である「割られる数の各桁を足していく」という暗算方法を使うことです。9で割る割り算には、この暗算方法を使うと便利です。

四桁の数を9で割る場合、暗算の手順は次の通りです。

<四桁の数1000a+100b+10c+d÷9の暗算方法>
※aは千の位、bは百の位、cは十の位、dは一の位の数を表す(aは1以上9以下の整数、b,c,dは0以上9以下の整数)

以下の手順で、答えの各桁と余りの数を計算します。

手順1:答えの一番大きい位(ここでは百の位)=a
手順2:答えの二番目に大きい位(ここでは十の位)=a+b
手順3:答えの三番目に大きい位(ここでは一の位)=a+b+c
手順4:余り=a+b+c+d

※手順1〜3の計算の途中で答えが10以上になった場合は、繰り上げる。
※手順4で余りが9以上になった場合は、一の位に9の個数分の数を繰り上げる。

では、さっそくこの暗算方法を使って、今回の問題を計算してみましょう。

<3052÷9の暗算方法>
1.答えの一番大きい位(ここでは百の位)=3
2.答えの二番目に大きい位(ここでは十の位)=3+0=3
3.答えの三番目に大きい位(ここでは一の位)=3+0+5=8 
4.余り=3+0+5+2=10 ←9以上になったので繰り上げを行う。
10=9×1+1(10は9を1つ含む)なので、1を答えの一の位に繰り上げ、余りは1とする。

繰り上げ後
答えの一の位 8に繰り上がった1を足す→9
余り 10→1

答え:339あまり1

これで答えが出ましたね。

この暗算方法が成り立つ理由

今回紹介した9で割る割り算の暗算方法は、どうして成り立つのでしょうか。余力がある人は、暗算方法が成り立つ理由についても考えてみましょう。

まず、四桁の数を「1000a+100b+10c+d」という式で表します。これを9の倍数が現れるように変形していきます(変形する部分を強調した太字部分に注目してください)。

  1000a+100b+10c+d
=900a+100a+100b+10c+d ←1000aを900aと100aに分解
=900a+100(a+b)+10c+d
=900a+90(a+b)+10(a+b)+10c+d ←100(a+b)を90(a+b)と10(a+b)に分解
=900a+90(a+b)+10(a+b+c)+d
=900a+90(a+b)+9(a+b+c)+(a+b+c)+d ←10(a+b+c)を9(a+b+c)と(a+b+c)に分解
=900a+90(a+b)+9(a+b+c)+(a+b+c+d)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+(a+b+c+d)

※aは千の位、bは百の位、cは十の位、dは一の位の数を表す(aは1以上9以下の整数、b,c,dは0以上9以下の整数)

「9{100a+10(a+b)+(a+b+c)+(a+b+c+d)}」を9で割ると、答えは「100a+10(a+b)+(a+b+c)」になり、余りが(a+b+c+d)になります。これは、先に紹介した暗算手順と一致しますね。

繰り上げについて

では、繰り上げが起こる場合はどうでしょうか。

答え「100a+10(a+b)+(a+b+c)」のaや「a+b」、「a+b+c」は答えの各位の数を表しているので、10以上になったら繰り上げが起こることになります。

また、余りの「a+b+c+d」が9以上だった場合、「a+b+c+d=9×e+f(e≧1、0≦f<9)」と表せます。これを次のように変形していきます(e,fは整数、fはa+b+c+dを9で割った余りを表しています)。

  9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+(a+b+c+d)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+9×e+f(e≧1、0≦f<9)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c+e)}+f ←余りに含まれる9の個数(e)を答えの一の位に繰り上げた

これで、暗算の手順4で余りが9以上になったときの繰り上がりも説明ができますね。

まとめ

今回は、9で割る場合の暗算方法を紹介しました。

9で割る場合は、割られる数の各桁を足していけば、答えと余りが出ます。多くの場合は割り算よりも足し算の方が簡単なので、計算のスピードアップにつながるでしょう。

ただし、今回の問題のように繰り上がりが起こるときは、少々注意が必要です。答えのパートでは10以上、余りのパートでは9以上になったとき、繰上りが発生しますよ。

9で割る割り算を見かけたら、ぜひ今回の暗算方法を試してみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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