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実写化が大絶賛だった“名作漫画”、パワーアップした劇場版を一足先に鑑賞!高まる期待を裏切らない完成度

  • 2025.4.17

三国時代の天才軍師・諸葛孔明が現代の日本に転生し、アマチュアシンガーをスーパースターにする軍師として活躍するストーリーの人気漫画『パリピ孔明』(原作・四葉夕ト/漫画・小川亮/講談社「ヤングマガジン」連載)。アニメ化に続き、向井理主演でTVドラマ化され、ついに2025年4月25日に劇場版『パリピ孔明 THE MOVIE』が公開される。一足早く鑑賞したが、ドラマ版がさらにパワーアップし、まさに“音楽フェス映画”としての魅力が満載となっている。

TVドラマ版に出演した個性的な顔ぶれ

魏・呉・蜀の3つの国が天下の覇権を争う三国時代。病に倒れた天才軍師・諸葛孔明(向井理)が目を開けると、そこは2023年のハロウィーンの渋谷だった。孔明は見知らぬ酔っ払いにライブハウス・BBラウンジに連れて行かれ、そこで月見英子(上白石萌歌)のステージを見て、彼女の歌声に魅了される。BBラウンジのオーナー・小林(森山未來)は熱烈な三国志オタクで、孔明と三国志談義で盛り上がり、孔明をアルバイトとして採用。孔明は、歌手としての先が見えず不安を抱える英子を励まし、彼女の軍師となって、知略でサポートし始める。

ドラマ版には、英子が出会うさまざまなアーティスト役や関係者役で個性的な顔ぶれが登場した。天才ラッパー・KABE太人役で宮世琉弥、KABE太人が憧れるラッパー・赤兎馬カンフー役でELLY(三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)、英子が目標とする歌姫・マリア・ディーゼル役でアヴちゃん(女王蜂)、サングラスと毛皮のコート、短いショートパンツ姿の歌手・前園ケイジ役で関口メンディーなど、それぞれキャラクターになり切り、孔明による作戦に絡む人物を快演し、ドラマを盛り上げた。

孔明と二人三脚で奮闘する英子を演じる上白石は、透き通った歌声が素晴らしく、瑞々しい好演にも引き付けられた。また、上白石をはじめとするキャストによるライブパフォーマンスも非常に見応えがあった。

6000人の観客を動員した本格的なライブシーン

今回、ドラマの続編として劇場版が製作され、豪華アーティストが大集結。「史上最大のフェス映画、爆誕!!」というキャッチコピーにふさわしい、最高に気分が上がる映画が完成した。

本作の物語の舞台は、日本を代表する3大音楽レーベルが頂点を競う音楽バトルフェス。総勢50名以上のミュージシャンとダンサーが出演し、実際に6000人以上の観客を動員し、本格的なライブシーンの撮影を敢行。映画館の大スクリーンで観ると、ライブに参戦し、体験した気分になること請け合いだ。

ドラマで数々の華麗な計略を見せた孔明は、劇場版でも英子や観客が気づかぬうちに暗躍を続けている。最後まで観ると、孔明の行動の理由がすべて明かされ、観終わった後の気分の良さが半端ない。

孔明のライバルを演じるのは神尾楓珠

ドラマに引き続き、孔明の主君・劉備を演じるのはディーン・フジオカ。度々、孔明の夢の中に姿を現すのだが、孔明が現代の日本に転生した理由もわからない中、劉備が登場する意味とは……?

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(C)四葉夕ト・小川亮/講談社 (C)2025 「パリピ孔明 THE MOVIE」製作委員会

そして、劇場版には新キャラクターとして、三国時代に孔明の宿命のライバルと言われた司馬懿の末裔・司馬潤(神尾楓珠)が登場するが、彼は孔明の最強の敵で、妹であるshinのプロデュースを手掛ける智将。孔明に扮する向井は非常にチャーミングだが、長髪でメガネ姿の神尾のビジュアルにもかなり引き付けられる。shin役の詩羽(水曜日のカンパネラ)は、ドラマにはレコード店の客として少しだけ出演したが、今回は主要キャストを演じ、圧巻のパフォーマンスを披露する。

劇場版には多彩なアーティストが多数出演

さらに、9人組グローバルボーイズグループ・&TEAMなど、多彩なアーティストが多数出演していることでも話題だ。前出のほかにもドラマに続いて、森崎ウィン、休日課長(ゲスの極み乙女/DADARAY/ichikoro/礼賛)、石崎ひゅーい、菅原小春、劇場版からは岩田剛典や水森かおりらも出演し、音楽フェスを大いに盛り上げている。18曲に及ぶ珠玉の音楽に心が躍らずにはいられない。

三国志好きの小林が尽力する中、孔明の作戦がどのように実を結ぶのか、そして英子は無事にフェスで歌を披露できるのかが最大の見どころとなっている。また、音楽業界の裏側が描かれるのも興味深い。3大音楽レーベルのトップたちを、菊地凛子、くっきー!、DJ KOOが演じているが、最高にコミカルでユニーク。それぞれ、振り切れた怪演で笑わせてくれる。

向井理と上白石萌歌をずっと見ていたくなる

筆者はドラマ版から本シリーズが大好きなのだが、孔明というキャラクターは向井のハマり役だと感じている。孔明の衣装はコスプレ感があるが、綸巾という被り物をはじめ、重い衣装に身を包み、孔明をキュートに好演する向井は、観客を幸せな気持ちにさせてくれる。これまでの出演作とはまた違った魅力を発揮している向井の、劇場版での名演技も必見だ。

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(C)四葉夕ト・小川亮/講談社 (C)2025 「パリピ孔明 THE MOVIE」製作委員会

孔明と英子のコンビもずっと見ていたくなる。英子を等身大で演じる上白石の魅力も最大限に生かされ、最後まで目が離せない。笑って泣いて、音楽を堪能できる『パリピ孔明 THE MOVIE』。SNSでは「公開も待ちきれない」「映画めちゃくちゃ楽しみ!」「向井理はどんな格好でもカッコいい!」といったコメントが見られ、映画版への期待が高まっている様子だが、期待を裏切らない完成度なので、ぜひ映画館で“史上最大の音楽バトルフェス”を体感してほしい。



映画『パリピ孔明 THE MOVIE』 2025年4月25日(金)全国公開
出演:向井理、上白石萌歌、神尾楓珠、詩羽、ディーン・フジオカ、森山未來 ほか
原作:『パリピ孔明』 原作・四葉夕ト 漫画・小川亮(講談社「ヤングマガジン」連載)
監督:渋江修平 脚本:根本ノンジ
製作:フジテレビジョン 松竹 講談社 FNS27社
配給:松竹
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/paripikoumei-movie
(C)四葉夕ト・小川亮/講談社 (C)2025 「パリピ孔明 THE MOVIE」製作委員会

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(C)四葉夕ト・小川亮/講談社 (C)2025 「パリピ孔明 THE MOVIE」製作委員会


ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X(旧Twitter):@KumikoShimizuWP