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「失敗=悪いことではない」女優・三吉彩花さんに聞く、自分らしさとは?

  • 2019.8.12
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矢口史靖監督の新作映画『ダンスウィズミー』の主演に抜擢された三吉彩花さん。ミュージカル初挑戦ながら素敵な歌とダンスが印象的だと話題の作品。常に新しいことに挑戦し、女優としてもモデルとしてもマルチな活動をしたいという三吉さんのチャレンジ精神とは?

ミュージカルは初挑戦。歌もダンスも、やらなければいけないことがたくさんあって、不安のほうが大きかった

――矢口史靖監督作品の主演に抜擢された時の心境はいかがでした?

「うれしい気持ちもありましたが、率直な心境をいうと、歌もダンスも、やらなければいけないことがたくさんあって、不安のほうが大きかったです」

――ミュージカルは歌いながら表情をつけたり、演技をしますよね。そこが難しいんだろうなと思いました。

「初めての経験だったので難しかったです。私が演じた静香は音楽が鳴ると『ああ、歌いたくない。でも歌っちゃいそう! やだやだ!』って感情に襲われながら歌い始めるんですね。そんな表情をしながらも、口元ははっきりと歌わないといけない。そういうお芝居が難しかったけど勉強になりました」

――でも歌い上げてキマると気持ち良さそうでした。実際に撮影してみていかがでした?

「ミュージカルシーンは、たくさんのテイクを重ねて撮っているんですね。たくさんのダンサーの方がいらっしゃるので、私が失敗するとみなさんにもう1回踊っていただかなきゃいけないので、『ああ……ごめんなさい』と思うこともありました。でもラスト1回頑張ろう! ってなると、みんなそこにすごいエネルギーを注ぐので、キマったら現場では『良かった』って拍手が起きるんです。だから、みんなで作るという大きな達成感がありましたね」

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失敗=悪いことではない。100%やろうとした気持ちが大切だし、失敗も良い経験となるから

――静香は自分らしく生きるための選択をすることになりますが、例えば何かを選択しなければならないとき、三吉さんご自身の判断基準は何ですか?

「迷うならとりあえずやりますね。やらないほうを選択して後々やれば良かったと思うんだったら、失敗してもそこで100%やろうとした気持ちのほうが大事だと思うんです。もちろん失敗する場合もあるけれど、それはそれで経験。その経験によって、こういうときはこうなるんだって勉強にもなりますから。私は失敗=悪いことだとは思っていないので、それも必要だったんだなって思うようにしています」

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新しい場所に行って、そこで自分は何ができるんだろうって考えている時がすごく楽しい

――では今は何をしている時が楽しいですか?

「新しいことにいろいろチャレンジしている時かな。例えば『ダンスウィズミー』が公開されて、映画祭などで海外に行く機会があったらいいなと思っています。いつも自分が活動する場所も大切にしているけど、今はもっと外に出たいという気持ちも強いんです。旅行も頻繁に行くし、今年の上半期はお仕事で海外に行く機会も多くて、新しい場所に行って、そこで自分は何ができるんだろうって考えている時がすごく楽しいです」

――最近行かれて印象的だった国は?

「アメリカのセドナにモデルの仕事で行きました。英語が十分に話せなくても、今勉強中で話せるようになりたいって意欲的なところが相手に伝われば、私が頑張ってるんだなってわかってくれてすごく優しく接してくれるんです。そういうのは自分がモデルとして撮影されている写真にも出るので、頑張ってコミュニケーションを取って良かったなって思います。韓国も印象的でした。お仕事のスピードがものすごく速くて、迷っているヒマがない!」

――それこそ決断を迫られる局面が多そうですね。

「『どうする、やる? やらない?』というときに『うーん……1回確認してみます』ってなると、その一言でチャンスを逃しかねないんです。だからそこは自分の直感を信じてやってもいい、自分の糧になりそうなことはやると決める。韓国では、自分の意見を持つこと、そして自分の決断力を大切にすることが求められているのかなって思いました。もっとアクティブに自分はこういうことをやりたいんだって、プレゼンすることの大切さを痛感しましたね」

――決断を迫られる場面が多いと判断もはっきりしてきますね。

「そうですね、自分で考えて決断するので、自分のやりたいことがより明確になって、今は何をするべきで、そのために何をセーブしていいのかということがだんだん自分で判断できるようになってきた気がします」

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モデルも女優のお仕事も、表現の幅が広いところがおもしろい

――モデルとして活動しながら、女優もやりたいと思っていらっしゃったんですか?

「モデルは洋服ひとつで見え方が違いますし、お芝居は演じる役ひとつで人が変わったように見せられますよね。『本当にこの役をあの人がやっていたの?』って。モデルも女優のお仕事も、表現の幅が広いところがおもしろいと思うんです。そこにワクワクしますし、特にお芝居は長いスパンで撮影して、その役にどんどん自分が入っていって、毎日自分じゃない誰かになって生活している時間が楽しいという感覚があります」

――ではモデルの仕事のやりがいは?

「私はファッションが大好きなので、どういうふうに見せたらカッコイイかキレイか考えて、こんな振り幅があるんだよって、いろんな自分を見せられたらいいなって思います。女性はメイクでも変わりますし、どちらも表現の幅が大きいお仕事なので、ひとつに絞らずマルチにできたらうれしいなと思います」

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モデルなら三吉彩花として、自分がどう見えるかが大事。逆に演じるなら三吉彩花は入れず役になりきる

――モデル、女優としては、それぞれの表現はどんな違いがありますか?

「モデルは三吉彩花として、自分がどう見えるかということを考えています。もちろんメイクをしてお洋服も着ているけれど、自分として写真にどうカッコよく写るか、どんな振り幅を見せられるかが重要。女優の仕事のときは、三吉彩花という自分はいらないので、なるべく自分を主張しないようにするというか。それよりも、与えられた役でいることを重視する。そこが正反対だと思いますね」

――モデルは自分を出す仕事、女優はできる限り自分を抑える仕事であると。その表現をするために努力していることは?

「ひとつのジャンルに絞り込むのではなく、いろいろやってみることですかね。今は、ファッションのお仕事で海外のランウェイを歩かせていただくこともありますし、ストリートブランドの撮影もすれば、ウェディング関係の仕事もします。そして、ありがたいことにそれぞれでカッコイイと言ってくださる人がいる。ひとつのイメージを守り続けるのではなく、いろいろな見せ方をすることによって、『あの人、こんなこともできるんだ。おもしろいね。じゃあこういうこともやってみたらいいんじゃない?』って、お仕事ってどんどん繋がっていくと思うんですね。だから私はなるべくやったことがないジャンルに挑戦したり、提案したりするようにしています」

――今、三吉さんにとって、女優や演じるということはどんな存在になっていますか?

「これがなくなってしまったらどうなっちゃうんだろうって、最近よく考えるんですよね。私は普段自分の生活の中にはないものを与えて、自分の知らない世界を見せてくれたりするような刺激的な毎日が楽しい、自分もそこに入りたい、染まりたいって思うタイプなんです。女優というお仕事は、まさに私が求めているものがたくさんあるところなので、なくなってしまったら大変だと思います(笑)」

 

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Movie Director:Yohei Takahashi(f-me)
Writing:Yuko Sakuma
Edit:TRILL編集部

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