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27歳女性起業家に聞く自分らしい選択基準とは?

  • 2018.10.11

今まで「当たり前」だと思っていた環境は、この数年間に、驚異的なスピードで変わろうとしていて、私たち自身にも変化が求められている。
世間でも「自分らしさ」を尊重する風潮は強くなってきているし、自身が望めば広い世界に飛び出すチャンスは増えたはずなのに、いまだに一歩を踏み出せない女性は多い。大好きな仲間と仕事に囲まれながら、自分自身の人生を謳歌して“熱狂”して生きている中山さんの考え方から、「自分らしく生きる」ためのヒントを取材しました。

人生一度きりだからこそ、納得感が100%ない人生を歩むことだけはしたくない!

―― 今女性たちに人気のサービスSHEですが、具体的な内容について教えてください。

「SHEは『一人一人が自分にしかない価値を発揮し、熱狂して生きる世の中を作る』というビジョンに掲げ、ミレニアル世代の、夢を叶える事業を運営しています。その中心となる事業の『SHElikes』は、私らしく働く女性のためのスキルアップスクールで、2017年10月に事業開始してから1年間で4,000人以上の受講生を輩出してきました。“女性らしさを専門性スキル化して時間や場所にとらわれず活かせること”や、“子どもの頃から憧れていたこと”など、誰もが心の奥に持っている自分の『好き』や『得意』を活かして、本気で独立・副業をしたい女性を支援しています」

――SHEを立ち上げたきっかけについて教えてください。元々、大企業の会社員として安定的な収入がありながら、そこを辞めてまで事業を始めることに抵抗はなかったんですか?

「人生っていつ終わるかわからない。本当に明日終わるかもしれないのに、妥協した選択で生きることがイヤだったんですよね。収入的に安定した人生よりも、納得感が100%ない人生を歩むことの方が、避けたいことだったんです」

27歳、起業家「中山紗彩」の生き方

――共同創業者の福田さんとの出会いも一歩踏み出すきっかけになれたとか?

「はい、ひとりじゃなくて、夢に向かって進める仲間がいるのは大きいです。
人ってやっぱり自分との約束って、いろいろ言い訳して破りがちだと思うんですけど、他人との約束って、少なくとも自分との約束よりは“守るべきもの”って思えるんです。私も福田と出会えて、一緒に一生をかけてやっていきたいと思えるビジョンを共有できたんですよね。

自分たちが納得した道を歩んで、精一杯頑張って、もしそれで失敗したらしょうがないし、それはもう、自分たちの実力不足ということで整理ができるけれど、そういう思い描く理想があるのに、そこに挑戦もせず、言い訳をしている方が、自分たちの人生にとってはよくないこと、という整理ができたことが大きかったかなと思います」

――SHEの自分の好きを見つける、仕事にする、という考え方は、注目のパラレルワークの考え方にも通じますね。

「そうですね。すごく恵まれた時代になってきたというか、ここ3~5年くらいで、フリーランスとか、副業・兼業家とか新しい働き方みたいなものが、世間に許容され、国によっても民間企業によっても推進される時代になってきたと思うんです。『自分の好きなこととか得意なことにどんどん挑戦しやすい、自分が主役の生き方をできる時代』になってきていると思いますね。
でもまだ日本では、好きなことを仕事にしている人は極まれだと思いますし、『フリーランサー』とか『起業家』の方もまだ少ないと思うんです」

SHEでは自分の好きをみつけようから始まる

――いきなり、好きを仕事にしたいからと会社員を辞めてフリーになる、起業するという選択肢はなかなか、ハードルが高いですもんね。

「いろいろヒアリングしていると、今はまだ、いきなりフリーになるとか、起業するとかいう選択肢はないけれど、『数年後を見据えて、そこに向けて準備をしたい』とかいう意見が多くあったんです。また一方で、今まで“永年勤続”とか“安定志向”という価値観を親世代から教えられてきたし、そういう選択をしてきたから、いざ自分の好きなことと言われても、正直わからないし、見つける方法がわからない』という声もありました」

――なるほど、だからまず「SHEでは自分の好きを見つけよう」から始まるんですね。SHEはオンライン授業はせず、表参道×少人数のリアルレッスンにこだわっている理由はありますか?

「生の、リアルな場でやっている事業だからこそ、ユーザーからの声がダイレクトにいただけるのが嬉しいです。『レッスンを受けて自分の思考が変わって、行動をしてみました』とか、『あのレッスンを受けてやっぱり自分のやりたいことに気づいたので、転職活動しています』とか。

そういう声をダイレクトにいただけると、事業の意義だったり、提供価値が間違ってなかったんだということを感じ取ることができ、それが私たちの大きな力になっています」

自分の好きをみつけて

自分の好きを見つけることが、自分らしさの第一歩

――中山さんご自身の生き方とか、幸せの測り方とか何か指標があれば教えてください。

「幸せについては、『いかに、自分にしかできない価値を発揮しているか』に、自分自身は喜びを感じるタイプで、これはSHEのビジョンとも共通です。もちろん、こういう価値観が絶対だとは思わないですし、あくまで一つの考え方だと思うんですが、『せっかく一度しかない人生だと思うので、自分にしかできないとか、自分が最高に楽しいと思えるとか、強みだと思えることを見つけて活かしていける』ような世の中を作ることに貢献していきたいと思っています」

——SHEのテーマカラーはライトグレーでしたね?

「はい、ユーザーの皆さんの縁の下の力持ちというか。『自分たちは目立たないけれど、皆さんが安心できるように、支えられる存在でありたい』という意味を込めて、ライトグレーに決めています。ユーザーの皆さんの好きを応援する、そんなサービスを目指しています」

みなさんが安心できるように、支えられる存在でありたい

――自分らしい生き方しなきゃと思い始めたきっかけはありますか?

「いくつかあるんですけれど、1つは中学生の時に、父が『会社辞めて事業をやる』というようなことを言い出して。
その時、母に『なんでお父さんは家庭を支える・守る存在なのに、そんな自分勝手な道を歩むの?』と抗議したことがあったんですよね。
でもその時母は、『せっかく一度きりの人生なのだから、自分のやりたいことをやった方がいいと思ってるし、お父さんはもちろん家族のことを一番考えていることに間違いはなくて、守る気ではいるよ』と教えてくれたんです。
『自分の納得感もない会社員での人生を過ごすより、仮に失敗のリスクがあっても、自分で会社を起こして、それで失敗する方がいい人生だと思える。だから私はお父さんを応援する』というような事を聞いて、私もそういう生き方をしたいと思ったんです。

――では最後に、TRILLユーザーの皆さんにメッセージを。

「私自身も、小中高時代はわりと人の目を気にするというか、『ここにしか世界がないんだからここに順応して生きていくしかない』というような狭い価値観を持っていたんですよね。大学卒業後は、就職して会社員を経験しました。そのとき、『いざ自分の好きなことをやりたい』と思っても、そこに踏み出すまでの障壁って意外と高いということに気づいたんです。でも、『自分が自分の人生に責任をもつべく、本当にやりたいこと』があったら、そこに踏み出したほうが、自分にとっていい人生になると思う。そして、『やっぱり生まれてきた以上、自分にしかない価値を発揮して、世の中に価値提供して生きていくこと』が、自分にとっても周りの人にとっても、世の中にとっても、いい循環を生み出す、いい方向に繋がっていくと思うんです。

でも、やっぱりそれを一人でやっていくのは難しいことだと思いますし、実現可能性も低くなってしまう。でも、同じような方向に一歩踏み出している仲間と出会うことで、共感しあい勇気を得て、ご自身の好きを実現させていただきたいと思います。

Movie Director:Yohei Takahashi (f-me)
Edit:Natsuko Hashimoto(TRILL編集部)

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