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「もう二度ともらえないから…」亡き妹が贈ったグラスが蘇る。持ち主の思いを繕う若き金継ぎ師の夢のカタチ

  • 2026.11.5

「もう二度ともらえないから…」亡き妹が贈ったグラスが蘇る。「妹に報告します」と依頼主。独立2年で半年待ち、大阪の金継ぎ師が繋いだ“思い”とは?

割れたり欠けたりした器を、漆を使って修復し、新たな個性を吹き込む日本の伝統技法「金継ぎ」。大阪市阿倍野区に工房「Kintsugi K」を構える金継ぎ師の加地恭子さんは、独立わずか2年で全国から依頼が殺到し、現在は半年待ちになるほどの人気を集めている。その理由は、器だけでなく持ち主の“思い”も繕う、丁寧な仕事ぶりにあった…。

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その日、加地さんが仕上げに取りかかっていたのは、ある依頼主から預かったグラスだった。それは、依頼主の亡き妹がプレゼントしてくれた、かけがえのない品だという。加地さんは、そのグラスに込められた思いを汲み取りながら、丁寧に作業を進める。

グラスには、姉夫婦をイメージしたポップなイラストがあしらわれていた。そこで、加地さんは一般的な金や銀の粉で装飾するのではなく、そのデザインの雰囲気に合わせ、色付きの漆で仕上げることを提案。それぞれに違う色が使われることになった。

「器に何が合うかというのを一番に考える」と加地さんは語る。器本来のデザインを生かし、持ち主の心に寄り添う。それが彼女のポリシーだ。

数日後、依頼主がアトリエにグラスを引き取りにやってきた。色漆で彩られた修復箇所を見て、依頼主の顔がほころぶ。手元に戻ってきたグラスを愛おしそうに眺め、「ビール入れて、妹に蘇ったよと報告します」と感謝を伝えた。その言葉を受け取った加地さんも、静かに微笑んだ。

なお、加地さんの仕事ぶりは、佐々木蔵之介がナレーションを務めるドキュメンタリー番組『LIFE ~夢のカタチ~』(ABCテレビ)10月31日放送回で紹介された。同放送回では、本漆を使う本格的な技法にこだわる金継ぎ教室の様子や、阪急うめだ本店での展示販売イベントに挑戦する姿も描かれている。

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