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「オーガニック=肌にいい」は誤解?専門家が教えるスキンケアの正しい選び方

  • 2026.10.28

「オーガニック」「ナチュラル」「クリーン」。スキンケア売り場に並ぶ似たような言葉のなかでも、とくに意味を誤解されやすいのが「オーガニック」だ。米国の専門家の解説をもとに、その本当の意味と、認証マークや表示ルールから読み解く見分け方をまとめた。(フロントロウ編集部)

“オーガニック”が語るのは「育て方」

オーガニックのスキンケアとは、合成農薬や化学肥料、遺伝子組み換え作物などの使用を制限した基準に従って生産された農産原料を使った製品のこと。米国のビューティ小売店クレド・ビューティで科学・インパクト部門を率いるクリスティーナ・ロスは、「ナチュラルのほうが優れている」という誤解がいまも根強いと米Vogueで指摘し、「オーガニックは、もともと農産原料がどう育てられ、どう加工されるかについての話で、製品の安全性や効果を語るものではありません」と説明している。

ロスによると、美容の原料の多くは、収穫したものをそのまま瓶に詰めるわけではなく、加工の工程を経て、合成された成分などと組み合わされて製品になる。また、オーガニックはあくまで農産原料の育て方と加工についての言葉なので、水やミネラルそのものはオーガニック認証の対象にはならない。ただし、海藻などの藻類は、条件を満たせばオーガニック認証を受けられる。

「一部の成分だけオーガニック」もある

もうひとつややこしいのが、製品全体ではなく、一部の成分だけが「オーガニック認証」を受けているケース。サンフランシスコのスキンケアブランド、モナステリーの創業者でエステティシャンのアテナ・ヒューイットは、「手に入る場合はオーガニックの原料を調達していますが、原料単位のオーガニック調達と、完成品の認証は別物です」と話す。

逆に、認証マークがないからといってオーガニックな取り組みをしていないとも限らない。認証の取得や更新には時間と費用がかかるため、小規模な独立系ブランドには負担が大きい。ロスは、原料の調達先がオーガニック農園であることをアピールすれば十分と考えるブランドや、オーガニック比率が94%ほどで最上位の基準にわずかに届かず、認証を取るメリットが薄いブランドもあると説明している。

オーガニックを見分ける認証と表示ルール

見分ける手がかりになるのが、第三者による認証や表示ルールだ。代表的なものを紹介する。

米国農務省(USDA)は、農産物に使われる「オーガニック」という言葉を全米オーガニック・プログラム(NOP)で規制している。化粧品でも、オーガニック原料を原則95%以上含み、原料や製造工程などの基準を満たした製品は、USDAの認証マークを表示できる。なお、含有率の計算では原則として水と塩を除く。USDAのデータベース「Organic Integrity Database」では、ブランドや製品を扱う事業者が実際に認証を受けているかを確認できる。

州レベルでは、カリフォルニア州の2003年の法律で、「オーガニック」として販売する化粧品は、水と塩を除いた原料の70%以上がオーガニックである必要があると定められている。ただし、これはUSDA認証とは別の基準だ。70%に満たない場合は、製品全体をオーガニックとうたうのではなく、成分表示の中で、どの成分がオーガニック認証を受けているかを示すことになる。

ほかに、オーガニック成分70%以上の製品に「オーガニック成分を含む」という表示を認める米国の規格NSF/ANSI 305や、英国のソイル・アソシエーション、フランスのエコサートなど欧州の5団体が共同開発した国際基準「COSMOS」がある。COSMOSは原料の調達から製造、表示まで幅広く基準を設けている。たとえばミランダ・カーが2009年に立ち上げたコーラ オーガニックスは、全製品がエコサートによるCOSMOS基準の認証を受け、毎年更新している。

オーガニック=安全・高機能ではない

では、オーガニック認証の製品を選べば間違いないのか。ロスの答えは「ノー」に近い。オーガニックであることは、より安全で、より持続可能で、より効果的であることを意味するわけではなく、あくまで原料の育て方と加工について語っているにすぎないと強調する。

そのうえでロスは「ナチュラルだから本質的に安全というわけではなく、合成だから本質的に危険というわけでもありません」とコメント。ラボで作られた成分のほうが、品質を管理しながら安定して作れるため、かえって持続可能な場合もあるという。

イタリア・シチリアの農園で原料を育てるフルトゥナ・スキンの創業者アガサ・レロタ・ルツォも、「かつては何が“入っていないか”が重視されていました。いまは効果があるかどうか、そして原料がどこから来ているかです」と語る。クリーンビューティへの関心が高まるなか、「オーガニック」の文字は製品を選ぶきっかけのひとつ。どの認証を受けているのか、何%がオーガニックなのか、そして自分の肌の悩みに合っているのかまで見て選ぶのが、ラベルに振り回されないコツといえそうだ。

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