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母親になってから「すみません」ばかりが増えて…子育てママが感じる“社会にジャッジされる不安”とは?【著者インタビュー】

  • 2026.10.18

【漫画】本編を読む

“いい母親”とは一体どんな人で、“正解の育児”とはどんなものなのだろう。母親になると、そうした疑問が付きまとい、自分自身の在り方が分からなくなる時がある。

『わたし、迷子のお母さん ある日突然、母親するのが苦しくなった』(らっさむ/KADOKAWA)は、母親のリアルな葛藤が詰め込まれた漫画だ。主人公の楓はひとり娘を持つ、ワーキングマザー。キャリアと子どものどちらも大切にしたくて日常を踏ん張っていたが、ある日、心の糸が切れ、自宅へ帰れなくなってしまった。

だが、楓はそれを機に、自分の心が限界であることに気づき、育児との向き合い方を見つめ直していく。

子育て中の女性が抱えるリアルな悩みを落とし込んだ本作に、著者は一体どんな想いを込めたのだろうか。制作秘話や、母親を辞めたくなる前に意識したい心の守り方などをうかがった。

――楓のように「親として正しい振る舞い」に悩む母親は、多いと思います。そう感じてしまう親側の心理を伺いたいです。

らっさむさん(以下、らっさむ): 社会に「親としての振る舞いをジャッジされている」感覚があるのかもしれないと考えています。本当は「大変そうだな」と思ってくれているかもしれないのに、他人の目があると「躾ができない親だと思われないようにしないと」と感じるのではないかなと。実際、育児をする中で私も身構えてしまう時があります。

――母親になって見える世界が変わったという話はよく聞きます。

らっさむ:私は第一子が生まれてから、電車やエレベーターに乗った時「すみません」ばかり言っていました。知らないうちに「すまないものを育てている自分」みたいなメンタルになっていたんです。

でも、たまたま結婚式で海外へ行った時、式場のスタッフのひとりから「この子がとってもかわいいから、フルーツをあげてもいいか?」と言われてびっくりしました。それ以外にも、「子どもがいるのが当たり前」「子どもというのはそういうもの」と思っている大人に囲まれた環境で、やっと肩の力を抜くことができました。

そういう意味では、少子化になって「子どもがいないことが当たり前」となっている環境だと、なかなか母親がリラックスするのは難しい気がしますよね。子どもの見え方が違うんだと衝撃を受けました。

――本作は、さまざまな人との出会いの中で楓が母親という肩書きの意味を見つめ直すというストーリーでした。ご自身にも、「母親としての自分」を見つめ直すきっかけとなる出会いなどはあったのでしょうか。

らっさむ:私の場合、子どもとのちょうど良い距離感を模索し続けてきたような子育てでした。最初は何も分からなかったので、ひたすら子どもを観察していました。

だから、ママ友たちや保育園の存在は大きかったです。私の周囲には「自然の中で土まみれになって育てる!」みたいなママが多かったし、保育園では“待つ育児”がおこなわれていたりしました。先生たちは親の目線と子どもの目線の両方に立ってくれたので、自然と「別の人間なんだ」と、子どもと自分を同一視しなくなったように思います。

取材・文=古川諭香

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