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無重力の宇宙空間のように、脱力した先に見えるもの。五月女ケイ子個展「宇宙!!」

  • 2026.10.12

ひと目見ればすぐわかる独特なタッチ。可愛らしく、笑顔と元気を与えてくれる五月女ケイ子さんのイラストレーション。ギャラリーハウスMAYAで2年に一度の個展が開催中だ。今回のテーマは“宇宙!!”。

頑張っておしゃれをせずに、ぜひ、ゆる着で観に来てください(笑)

「毎回、その時どきに自分やみんなが感じているんじゃないかなと思う気分を言葉にして、そこから描き始めます。今はなぜか、“宇宙”が気になっているんです(笑)」

壮大な宇宙というよりは、小さな“マイ宇宙”。無重力というイメージも頭に浮かんでいるのだそう。

「これまでは“乙女の逆襲”や“野望”とか、何かに向かって頑張るようなテーマが多かったんですが、今は逆に力を抜きたいというか、無重力空間にふわふわ浮いているような感覚とか、手のひらに乗るちっちゃな宇宙みたいなものを描いてみたいなと思っています」

もともと宇宙は好きで、太陽や星のモチーフもしばしば描いていた。今はすでに消滅しているかもしれないけれど、何万光年も彼方から地球に届く星の光にもロマンを感じる。

「宇宙映画も好きで、『インターステラー』も最近観直しました。宇宙の、音も重力もない空間は経験できないので、妄想を膨らましています。宇宙の孤独を感じられるデヴィッド・ボウイの『スペイス・オディティ』という曲もすごく好きなんです」

日々、目まぐるしくいろんなことが進み、将来に対して不安も消えない昨今、おそらくみんなちょっと疲れている。そんな状況から離れて静観したい気持ちもあるという。

「地球レベルで考えると限界があるかもしれないけれど、宇宙まで広げて俯瞰したら、違う視点で見られるかも?(笑) AIの進化とか怖いけれど、世の流れに身を委ねながらも、その中からワクワクすることやキラッとするものを見つけたい気分なのかもしれません」

個展は毎回緊張するという五月女さん。作品を描くうちにテーマが明確になり、加速するようにあれもこれも描きたくなってしまうのだとか。

「つい雑多になっちゃうんです」

それも楽しんでほしいという、五月女さんのサービス精神の表れ。じっくり観るほどにおかしみも増す。

「乙女が月面着陸したり、近頃気になっている蝉丸が宇宙人に連れられたりする絵は描くつもりです。今回は脱力しに来てほしいです。頑張っておしゃれをせずに、ぜひ、ゆる着で観に来てください(笑)」

五月女ケイ子個展「宇宙!!」
五月女ケイ子

そおとめ・けいこ 山口県生まれ。雑誌や広告などで幅広く活躍。楽しいグッズが買える「五月女百貨店」は昨年10周年を迎えた。LINEスタンプも人気。主な著書に『乙女のサバイバル手帖』、細川徹さんとの共著に『桃太郎、エステヘ行く』。 www.galery-h-maya.com/

五月女ケイ子個展「宇宙!!」
五月女ケイ子個展「宇宙!!」

ギャラリーハウスMAYA 東京都港区北青山2-10-26 開催中~10月17日(土)12:00~19:00(土曜~17:00) 日曜休廊 無料 TEL. 03-3402-9849

写真・土佐麻理子 インタビュー、文・黒瀬朋子

anan 2514号(2026年10月7日発売)より

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