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名和晃平とSandwichが手掛けたアートスペースが原宿に誕生。個展『At Random』もスタート

  • 2026.11.2
Photo: Nobutada OMOTE ©Kohei Nawa | Sandwich

表参道から路地を入った一角に、黒いルーバーで覆われた彫刻のような建築が現れた。名和晃平と、彼が主宰するクリエイティブ・プラットフォーム「Sandwich」が設計した、新たなアートスペース「seeen Harajuku」だ。曲面を重ねた外観「Shading Drapes」の内側には、無数のアルコーブ(壁のくぼみ)を備えた洞窟のような空間が広がる。

Photo: Nobutada OMOTE ©Kohei Nawa | Sandwich

原宿中心部とは思えないほど内部は静かで、細い螺旋階段が4フロアを繋ぐ。クリエーションを通じた深い知覚体験へと誘う場所として構想されたという。

Photo: Nobutada OMOTE ©Kohei Nawa | Sandwich

こけら落としを飾る名和の個展『At Random』(~11月28日)では、1階から4階までの全フロアに、彫刻から平面、インスタレーション作品をディスプレイ。素材やイメージ、テクスチャーが交錯する彼のクリエイションを、建築全体を巡りながら体感できる。

注目は、2階で初公開されている新作「PixCell-Memorandum」。オブジェクトを透明な球体で覆う代表的なシリーズ「PixCell」を絵画的に展開した平面作品で、名和が国内外の都市で撮影した写真を断片化し、画素に見立てて再構成。そのイメージの表面に、無数のセルを敷き詰めている。鑑賞者の視点に沿って都市の記憶の断片が現れては消え、新たなイメージを描き出す。

Photo: Nobutada OMOTE ©Kohei Nawa | Sandwich

背景にあるのは、膨大な情報が行き交い、AIが絶えず言葉やイメージを生み出す現代の情報環境だという。過去と現在、自己と他者の境界が揺らぐなか、断片的かつ多元的になった私たちの記憶や経験を、新たな知覚として提示する。

Photo: Nobutada OMOTE ©Kohei Nawa | Sandwich

また、テレビやミッキーマウスといった、原宿のポップカルチャーとも親和性の高いモチーフを用いた「PixCell」にも出合える。同シリーズから派生した「Prism」は、モチーフを透明な箱に収め、その箱をプリズムシートで覆った作品。見る位置によって内部の像が分かれたり、現れては消えたりと、実体とイメージの関係を揺さぶる。

Photo: Nobutada OMOTE ©Kohei Nawa | Sandwich

一方、「Biomatrix」では、シリコーンオイルの液面に気泡が生まれ続け、生命の活動を思わせる変化が目の前で繰り広げられる。本展ではこれをボックス型の独立した彫刻として展開する。

日本初公開の「Spark」や、AIという新たな知性の到来を表した「Throne」も加わり、親しみのあるモチーフから物質そのものの現象まで、多様な表現がひとつの建築の中で交差する。

建築そのものも、もちろん見どころのひとつだ。洞窟のような内部に点在するアルコーブや、トップライトから光が差し込む螺旋階段など、コンパクトな建物の中に変化に富んだ空間が広がる。フロアを巡りながら、名和の造形感覚が息づく建築をじっくりと味わいたい。

名和晃平『At Random』
会期/2026年11月1日(日)~28日(土)
会場/seeen Harajuku(東京都渋谷区神宮前6-1-7)
時間/12:00~18:00
休館日/会期中無休
入場料/無料


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