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「寝不足だったことまで送ってしまった」取引先3社へ送った誤送信。翌朝、課長に言われた一言

  • 2026.10.9

夜の会社で書き足した3行

入社2年目の秋のことです。20代だった私は、取引先3社の担当者が集まる打ち合わせの日程を、まとめて連絡する係を任されていました。

ところがある日、送った案内の日付が1日ずれていることに気づきました。夕方、いちばん年上の担当者の方が、取引先3社と社内の関係者が入ったメールで、やわらかく間違いを指摘してくださったのです。

私はすぐに正しい日程を全員へ送り直しました。それでも、間違いを教えてくださった担当者には、お礼も兼ねて改めておわびをしたいと思いました。

夜の会社で、その方から届いたメールを開きながら返信を書き始めます。

ただ「申し訳ありませんでした」と書くだけでは、少しそっけない気がしました。正直に事情まで書いたほうが、気持ちが伝わるように思えたのです。

そこで最後に、3行を書き足しました。

前の日によく眠れていなかったこと。確認したつもりになっていたこと。本当にうっかりしていたこと。

読み返した私は、「これなら誠意も伝わるかな」と思っていました。

帰り支度をしていた隣の席の先輩が、こちらをのぞき込みます。

「まだ残るの?無理しないでね」

「もう大丈夫です。おわびのメールも書けたので」

先輩を見送ったあと、私はそのまま送信しました。

そして送信済みのメールを確認した瞬間、背中が冷たくなりました。

押していたのは「全員に返信」だったのです。

宛先には、取引先3社の担当者と、課長をはじめとする社内の関係者の名前がずらりと並んでいました。

「……言い訳の3行まで、全員に送っちゃった」

誰もいないフロアで、思わずつぶやきました。

間違いの日程だけでも恥ずかしいのに、今度は寝不足だったことまで取引先全員に知らせてしまったのです。その夜は、ほとんど眠れませんでした。

翌朝、課長に呼ばれて

翌朝、おそるおそるメールを開くと、取引先の方々から返信が届いていました。

最初は、間違いを指摘してくださった担当者の方です。

「日程の件は大丈夫です。どうぞお気になさらず」

ほかの担当者からも返信がありました。

「寝不足だったんですね。お大事になさってください」

「うっかりは誰にでもありますよ」

誰からも責められなかったことにほっとする一方で、読めば読むほど恥ずかしくなりました。

そこへ、奥の席から課長に呼ばれました。

50代のおだやかな課長は、私が席の前まで行くと、周りに聞こえない声で言いました。

「謝る気持ちは分かるよ。でも、社外に送るメールだからね」

そして少し間を置いて、

「言い訳の3行は、日記に書きなさい」

「……はい」

自分の席に戻ると、隣の先輩が何も言わず、おせんべいを1枚、机の端に置いてくれました。

あれ以来、私は送信ボタンを押す前に、必ず宛先を確認するようになりました。

先日も小さな声で宛先を読み上げていると、先輩が画面をのぞき込みました。

「今日は担当者さん1人だけだね。合格」

「もう間違えませんよ」

そう返しながらも、送信する前にもう一度だけ、宛先を見直しました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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