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「お前、包みすぎだぞ」兄の結婚式に10万円を用意した私。だが、途中で1万円を抜くことになった理由

  • 2026.10.8

何度入れても、カードが戻ってくる券売機

数年前、40代の会社員だった私は、兄の結婚式に出席するため、礼服を着て朝早く家を出ました。

私たちは4人兄弟です。そのなかでも結婚する兄とは年が近く、子どものころからよく一緒に遊んできました。

せっかくの兄の結婚式です。

ご祝儀は奮発して、新しい1万円札を10枚、祝儀袋に入れていました。

玄関で靴を履きながら、内ポケットの祝儀袋を上から確かめ、私はひとりでつぶやきました。

「兄貴の式だ、ご祝儀は10万円で決まりだな」

式場までは新幹線で向かいます。切符はカードで買うつもりだったため、財布の現金までは確認していませんでした。

ところが駅の券売機にカードを差し込むと、すぐに戻ってきました。

「あれ?なんでだ…」

入れ直しても結果は同じです。3回目も取り扱えないという表示が出て、ふと後ろを見ると、人が並び始めていました。

慌てて財布を開きます。しかし、入っているのはレシートやポイントカードばかり。お札は1枚もありません。

「参ったな…」

そこで思い出したのが、内ポケットの祝儀袋でした。

迷った末、私は袋をそっと開け、10枚のうち1万円札を1枚だけ抜いて切符代に充てました。

なんとか新幹線には乗れたものの、座席に落ち着いたところで、今度は別のことが気になり始めます。

兄へのご祝儀は9万円になってしまいました。

「9って、“苦”に通じるって聞いたことがあるような…」

せっかく10万円を用意したのに。私は座席で頭を抱えました。

弟の「3万円」に、今度は別の意味で固まった

結婚式のあいだも、ご祝儀のことが頭から離れませんでした。

披露宴が終わったあと、ホテルのロビーで弟と立ち話になった私は、周りに親戚がいないことを確かめて小声で聞きました。

「なあ、お前、ご祝儀いくら包んだ?」

弟は少しも迷わず答えました。

「俺?3万円だよ」

「3万円?」

思わず聞き返すと、弟は続けました。

「うん。いちばん上の兄貴も、たしか3万円って言ってたよ」

私は何も言えず、ネクタイの結び目を触りました。

1万円を切符代に使ってしまったことばかり気にしていましたが、それでも私が包んだ9万円は、兄弟のなかでいちばん多かったのです。

数日後、兄から電話がかかってきました。

「お前、包みすぎだぞ。でも、ありがとうな」

私は少し迷ってから答えました。

「実は途中で1万円、新幹線になったんだ」

「なんだよ、それ」

電話の向こうで兄が大笑いし、私もようやく肩の力が抜けました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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