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伝説の時計デザイナーが手がけたIWCシャフハウゼンのウォッチ「インヂュニア」。レディースモデルも充実!

  • 2026.10.2
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数あるなかでも「名品」と呼ばれ、世代を超えて語り継がれる時計についてひもとく連載「語り継がれる名品ウォッチ」。今回は、錚々たるウォッチメゾンの名品ウォッチを手がけてきたジェラルド・ジェンタがデザインしたIWCシャフハウゼンの「インヂュニア」に迫る。

IWCシャフハウゼンのウォッチ「インヂュニア」誕生ヒストリー

独自の技術を投影した最高峰の実用時計

SiyueSteuber / Getty Images

スイスを代表するウォッチブランドのIWCシャフハウゼン。シャフハウゼンを拠点とする同社は発足当時、創業者フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズによる、アメリカのエンジニアリングと時計製造の中心地であるスイスの技術を融合させるという試みから始まった。そんな草創期の歴史を「インターナショナル・ウォッチ・カンパニー」という英語の社名に残す同社は、スイス屈指の名門として、パイロットウォッチなどの軍用時計を中心に、独自の時計製作を推し進めてきたのである。

同社のアイコンとして愛されてきたパイロットウォッチ同様、同じく歴史的な名作として受け継がれてきた時計が「インヂュニア」だ。初代「インヂュニア(Ref. 666)」は、当時IWCの技術部門の責任者であったアルバート・ペラトンが開発した「Cal.85」を搭載し、1955年に登場。「Cal.85」はその少し前となる1950年に発表された、同社初の自社製自動巻きムーブメントである。独自のペラトン爪を用い、双方向のローターの回転によって主ゼンマイを巻き上げるペラトン式自動巻き機構は、今もなおIWCの最高傑作と呼ばれている。堅牢(けんろう)な設計のムーブメントを磁場から保護するために、軟鉄製インナーケースを採用し耐磁性をも高めた時計は、ドイツ語とフランス語で「エンジニア」を意味するその名とともに、「エンジニアや医師などの専門職向けの実用時計」として誕生したのである。

名デザイナーが手がけたリニューアル

名だたるメゾンの名作ウォッチを手がけてきた時計デザイナーのジェラルド・ジェンタ。 Courtesy of IWC

そんな当時最高峰の耐衝撃性と堅牢性を兼ね備えた「インヂュニア」だが、IWCはその後デザインの刷新を新たに企てることとなる。そしてリデザインにおいて白羽の矢を立てられたのが、自社内ではなく、外部デザイナーとなるジェラルド・ジェンタだ。今でも伝説の時計デザイナーと呼ばれている人物である。そうして初代「Ref.IW666」が見せていたクラシカルなラウンド型に代わり、よりモダンで先進的な感性が投影されたジェンタによる「インヂュニア SL(Ref.1832)」が1976年に誕生する。時は折しもクォーツショックと呼ばれる機械式時計にとっては、冬の時代。当時世に出始めた“ラグジュアリースポーツウォッチ”という流行にこの「インヂュニア」は見事に合致し、時計名の「SL」が指し示すように、IWCにおけるステンレススティールコレクションの代表作として愛されていくこととなる。

ジェラルド・ジェンタのスケッチと「インヂュニア SL(Ref.1832)」。 Courtesy of IWC

ジェラルド・ジェンタが再設計を手がけた「インヂュニア SL(Ref.1832)」の魅力はさらに、そのスリムな仕立てにあることだろう。ブレスレットと一体型となるケースからノーズ型のラグへとつながる形状を絞り込み、湾曲したインナーベゼルを採用した時計は、当時直径39mmのビッグサイズながらも、大きさや厚さを感じさせない仕上げとなった。かつ格子状のグリッド・パターンを施したエンボス加工の文字盤、5つのねじ込み式のビスを配したベゼル、H型のメインリンクと四角いセンターリンクを組み合わせ、それぞれに面取りや異なる仕上げを施した幾何学的な形状のブレスレットなど、よりアクティブかつ視覚的な美しさもが叶えられたのである。

現代に息づく「インヂュニア SL」のアイデンティティ

「インヂュニア SL」のカタログビジュアル。 Courtesy of IWC

IWCは当時を振り返り、ドイツ語圏のスイスにある自社のアイデンティティを交えて、「インヂュニア」をドイツの産業デザインの基盤となる、フォルムとテクニックのバランスを見事に達成した時計だと語る。ジェラルド・ジェンタのデザインから続くその伝統を重んじつつ、2023年には「インヂュニア・オートマティック」を発表。当時“ジャンボ”と呼ばれた「Ref.1832」同様、大型サイズとなる直径40mmのモデルだ。ジェラルド・ジェンタのデザインを継承しつつ、可動式の連結パーツであるミドルリンク・アタッチメントの採用など、人間工学に基づき、ケースやラグのプロポーションはさらに装着感が高められた。かつ軟鉄製ブランク材へとプレス加工され、高低差のある凹凸構造で光と影が織りなす視覚的な美しさを見せることとなった文字盤のグリッド・パターンや、それまでのばらつきをおさえ、多角形のネジで向きを揃えたベゼルのビスなど、美観的にも実に細やかなアップデートが果たされている。

そして2025年には同コレクションに直径35mm、厚さ9.4mmのコンパクトなモデルが加わる。このモデルでは新たにトランスパレントバックが採用され、搭載ムーブメントの「Cal.47110」のサーキュラー・グレインや、ジュネーヴ・ストライプの美しい仕上げを裏面から眺めることができる。インヂュニアが備える審美性をさらに訴求した仕様だ。

「インヂュニア SL」の50周年を記念して9月15日に発表されたアニバーサリーモデル。 Courtesy of IWC

そしてジェンタが手がけた「インヂュニア SL」の誕生から50年を迎えた今年、サテン仕上げのシルバーメッキダイヤルが特徴的なアニバーサリーモデルが登場した。40mmと35mmの2サイズが数量限定で展開されるこのモデルは、周年にふさわしくよりモダンで、女性もつけやすいシックな印象に仕上げている。

時代に呼応する確かな技術力とともに、名機の伝統を壊すことなく、着実な発展を遂げてきた「インヂュニア」。その進化はなお、とどまるところを知らない。

今手に入れるなら。「インヂュニア」の注目モデル【スペック付き】

「インヂュニア」を今手に入れるとしたら、どれを狙う? ガイドは、ジュエリー&ウォッチをこよなく愛するライターの沼田珠実さん。

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沼田珠実:ライター・エディター。バッグブランドのプレス、婦人画報社系の通販会社を経て独立。ライター歴20年超。ジャンルレスのライターとして活動しながら、ジュエリーへの愛、審美眼、知識から、これまでジュエリーページを数多く担当。現在ではジュエリーライターとして、さまざまなメディアで連載等も担当。「ジュエリーを買うために仕事をしている」というほどのジュエリー好き。インスタグラムでは、私物のジュエリーコーディネート術を紹介。Instagram: @mami_my_jewelry

レッドゴールドに配されたダイヤモンドがリッチに輝く

ウォッチ「インヂュニア・オートマティック 35」(SS×RG×ダイヤモンド)¥3,091,000 <strong>IWC</strong> Courtesy of IWC

ステンレススティール製のケースとシルバーメッキのダイヤルをつなぐレッドゴールドのベゼルに、45石ものダイヤモンドがセットされたエレガントなモデル。「インヂュニア SL」のデザインを忠実に受け継ぎながら、モダンに再解釈。さらにデザイナーとエンジニアの連携により、35mmという小ぶりかつ薄型で、人間工学に基づいた快適な装着感を実現。

基本情報

ケースサイズ:35.1mm
厚さ:9.4mm
ケース素材:ステンレススティール、レッドゴールド、ダイヤモンド
リューズ素材:ステンレススティール
文字盤:シルバーメッキ
防水性能:10気圧防水
ストラップ/ブレスレット:ステンレススティール

重厚感と軽快さを両立する魅惑的なオールゴールド

ウォッチ「インヂュニア・オートマティック 35」(RG)¥8,151,000 <strong>IWC</strong> Courtesy of IWC

ケース、ベゼル、ストラップに至るまですべてがレッドゴールド、そしてダイヤルもゴールドカラーという、オールゴールドのラグジュアリーなモデル。女性の腕にもしなやかにフィットする35mmで、理想的な視覚的バランスとつけ心地にこだわった仕上がり。スタイリッシュなグリッド・パターンの文字盤も美しく、ゴージャスかつモダンなデザインは、IWCだからこそなし得るクリエイション。

基本情報

ケースサイズ:35.1mm
厚さ:9.4mm
ケース素材:レッドゴールド
リューズ素材:レッドゴールド
文字盤:ゴールドカラー
防水性能:10気圧防水
ストラップ/ブレスレット:レッドゴールド

さりげないオーラとオーセンティックな魅力を満喫

ウォッチ「インヂュニア・オートマティック 35」(SS)¥1,853,500 <strong>IWC</strong> Courtesy of IWC

サテン仕上げとポリッシュ仕上げが組み合わされたケースとブレスレットという立体感と、ブラックのグリッド・パターンの文字盤がクール&リッチな表情を生み出す。アイコニックなデザインはそのままに、コンパクトなサイズ感で再現された35mmで、華奢な女性の腕にも似合い、装着感も抜群。ベゼルにセットされた5本のネジも象徴的で、全体を引き締める重要なポイントに。

基本情報

ケースサイズ:35.1mm
厚さ:9.4mm
ケース素材:ステンレススティール
リューズ素材:ステンレススティール
文字盤:ブラック
防水性能:10気圧防水
ストラップ/ブレスレット:ステンレススティール

驚くほど軽やかなつけ心地の初のチタンモデル

ウォッチ「インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41」(チタン)¥7,238,000 <strong>IWC</strong> Courtesy of IWC

ジェラルド・ジェンタの革新的な「インヂュニア」デザインに、クルト・クラウスによる永久カレンダーを組み合わせた、初のチタン製モデル。ステンレススティール製に比べて軽量で、手元につけた時の軽やかさ、快適さは格別。チタン製の41mmケースと一体型のブレスレット、マットグレーのグリッド・パターンの文字盤、日付、曜日、月、ムーンフェイズを表示する永久カレンダーの統一感あるトーンと生み出す表情がとてもジオメトリックで美しい。

基本情報

ケースサイズ:41.6mm
厚さ:13.2mm
ケース素材:チタン
リューズ素材:チタン
文字盤:グレー
防水性能:10気圧防水
ストラップ/ブレスレット:チタン

私が選ぶ、「インヂュニア」ウォッチ

宝飾マニアの沼田珠実さんが狙う、「インヂュニア」ウォッチは?

ウォッチ「インヂュニア・オートマティック 35」(SS)¥1,853,500 <strong>IWC</strong> Courtesy of IWC

私がいちばん気になったのは、こちらのプールブルーと呼ばれる文字盤が目を引くモデル。サイズ感、サテン&ポリッシュ仕上げという異なるメタル感が楽しめるケース&ブレスレットと、このさわやかなブルーダイヤルがとても軽やかで、新鮮な手元を演出。ラフなスタイルにも似合いそうですが、ぜひ仕事スタイルに選びたい1本。腕につけた途端、自分のスイッチを入れてくれそうな、そんな特別なパワーを感じるウォッチです。

基本情報

ケースサイズ:35.1mm
厚さ:9.4mm
ケース素材:ステンレススティール
リューズ素材:ステンレススティール
文字盤:プールブルー
防水性能:10気圧防水
ストラップ/ブレスレット:ステンレススティール

問い合わせ先/アイ・ダブリュー・シー シャフハウゼン tel. 0120-05-1868

※RG(レッドゴールド)、SS(ステンレススティール)と略記で表記しています。価格は公開日時点のものです。

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