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スピルバーグ「地球外生命体」作品に共通するのは〈子ども〉の視点? 映画「ディスクロージャー・デイ」が大人に突きつけるものとは【レビュー】

  • 2026.10.1
 © Universal Studios. All Rights Reserved.
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サイバーセキュリティの専門家、ダニエル・ケルナー(ジョシュ・オコナー)は、ワーデックスという謎の組織からある機密情報を盗み、追われていた。一方、カンザスシティのローカルTV局で気象予報士を務めるマーガレット・フェアチャイルド(エミリー・ブラント)は、ある日、無意識に異国の言葉を発するなど異様な行動を見せるようになる。

まるで接点のなかった二人が謎の存在に導かれ、やがて世界を揺るがす衝撃の真実を知る。

これまでスピルバーグがメインテーマとして地球外生命体を描いた作品は、「未知との遭遇」(1977年)、「E.T.」(1982年)、「宇宙戦争」(2005年)の三作だ。いずれも現在まで語り継がれる作品だが、「ディスクロージャー・デイ」を観て感じるのは、これらの過去作で描かれてきた地球外生命体に対するスピルバーグの共通した眼差しである。

まずひとつは「子ども」だ。

「未知との遭遇」では、リチャード・ドレイファス演じるロイが異星人との遭遇に夢中になり、家庭を崩壊させてしまうが、彼を突き動かしているのは未知のものに対する「子どもの心」だった。「E.T.」では子どもと異星人の交流をハートフルに描き、「宇宙戦争」では二人の子どもを持つ父レイ(トム・クルーズ)が、“子どもから大人になりきれない未熟な父親”として描かれる。いずれの作品にも“子ども”というテーマが内包されているのだ。

「ディスクロージャー・デイ」でも、子ども時代の体験が物語の鍵となっている。

そして、ふたつめは権力への眼差しである。

「ディスクロージャー」とは、隠されていた情報を明らかにするという意味だ。そして本作で情報を隠蔽するのは、権力を持つ側である。

ウォーターゲート事件後のアメリカ社会に広がった政府への不信感も「未知との遭遇」には反映されている。作品では、米軍や政府機関が異星人との接近遭遇を隠蔽する姿が描かれ、「E.T.」でも政府と科学者が主人公エリオットとE.T.にとっての加害者として描かれる。そして「宇宙戦争」では、政府が機能している姿すらほとんど描かれない。

2017年には、実際に起こった政府の機密文書をめぐる報道を題材にした「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」を自ら映画化しているなど、スピルバーグの政府や権力に対する視線は手厳しい。

 © Universal Studios. All Rights Reserved.
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スピルバーグは、本作で地球外生命体と人類との関わりを描いているが、その一方で、現実世界において、自らの都合で情報を操作し、ときには隠蔽する権力に対して、人々はどのように行動すべきなのかという問いがあるように思われる。

かつてスピルバーグが描いたのは、未知のものに対して純真に向き合う「子ども」だった。しかし今作「ディスクロージャー・デイ」で描き、そして問われているのは、開示された真実を前に、自らの判断で向き合う「我々」の姿なのかもしれない。

文=すずきたけし

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『ディスクロージャー・デイ』

10月1日(木)全国公開

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配給:東宝東和

■作品情報

出演:エミリー・ブラント、ジョシュ・オコナー、コリン・ファース、イヴ・ヒューソン andコールマン・ドミンゴ

監督:スティーヴン・スピルバーグ

脚本:デヴィッド・コープ

原案:スティーヴン・スピルバーグ

製作:クリスティ・マコスコ・クリーガー、スティーヴン・スピルバーグ

製作総指揮: アダム・ソムナー、クリス・ブリガム

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