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「枝がうちの敷地まで伸びてきていて」引っ越し前日のお隣さん。だが、2年間言えなかったことを伝えた結果

  • 2026.10.1

塀を越えて伸びてきたキンモクセイ

わが家は一戸建てで、お隣には60代くらいのご夫婦が住んでいました。庭には、大きなキンモクセイの木が一本あります。

気になり始めたのは2年ほど前でした。枝が塀を越えてうちの敷地まで伸び、秋になると花がらが駐車場に落ちるようになったのです。

さらに枝の奥には鳩の巣が見え、先端は家の前の電線にも近づいていました。

とはいえ、木のことでわざわざ隣家を訪ねるのも気が引けます。

私はそのまま言い出せずにいました。

そんなある日、お隣の門の前に段ボールがいくつも積まれているのを見かけました。

引っ越しの準備をしているようです。

このまま誰も住まなくなったら、木のことをどこへ相談すればいいのだろう。

そう考えると、急に不安になりました。

その晩、夫に相談すると、窓の外を見ながら言いました。

「気になってるなら、今のうちに一度話したほうがいいんじゃない?」

「……そうだね。言ってみる」

引っ越し前日に玄関で伝えたこと

翌日の夕方、私は思い切ってお隣のインターホンを押しました。

出てきたご主人は首にタオルをかけ、手には梱包用のテープを持っていました。

「お忙しいところすみません。お隣の者です」

「ああ、どうも。明日、引っ越すんですよ」

やはりそうだったのかと思い、私は少しためらってから切り出しました。

「実は、キンモクセイの枝がうちの敷地まで伸びてきていて…。前から少し気になっていたんです」

「えっ、そうでしたか」

「鳩の巣も見えますし、電線にも近いので、引っ越される前に一度見てもらえたらと思って」

ご主人は玄関から出ると、塀の向こうへ大きく伸びた枝を見上げました。奥から出てきた奥さんも、その横に並びます。

しばらく木を見たあと、ご主人が申し訳なさそうに言いました。

「すみません。引っ越しのことで、木まで気が回っていませんでした」

私は、もっと気まずい話になるかもしれないと思っていたので、その言葉を聞いて少し肩の力が抜けました。

言えずにいた2年間が終わった

翌朝、お隣には植木屋さんが来ていました。塀を越えていた枝は切りそろえられ、気になっていた部分もすっきりしました。

夕方、ポストを見ると、一枚の紙が入っていました。

そこには、この家を管理する会社の連絡先とともに、手書きで短い言葉が添えられていました。

「木のことで何かあれば、こちらへ連絡してください。長いあいだ、ご迷惑をおかけしました」

私はその紙を台所の引き出しにしまいました。

ずっと言い出せずにいたことでしたが、引っ越してしまう前に伝えてよかったと思います。

秋になると、塀の向こうのキンモクセイはまた花を咲かせました。以前ほど枝が張り出していないため、駐車場に落ちる花がらもずいぶん少なくなっていました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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