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飲むだけで数万円?港区女子の「ギャラ飲み」稼げるのは若いうちだけ!?港区界隈の状況をリアルな表現【作者に訊く】

  • 2026.9.30
知り合った女の子から誘われたのは、若くてキレイな女性だけが登録できる、ギャラ飲みアプリ!? 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA
知り合った女の子から誘われたのは、若くてキレイな女性だけが登録できる、ギャラ飲みアプリ!? 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA

若さと美しさを武器に、富裕層の男性たちとの「ギャラ飲み」で大金を得る女性たち。そんな華やかな世界に足を踏み入れた女子大生が、次第に変わっていく姿を描いたのが、うみの韻花(@umino_otoka)さんの新書『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』だ。今回は本作を紹介するとともに、「ギャラ飲み」の実態を描くために作者が重ねた取材や、漫画制作へのこだわりについて話を聞いた。

「ギャラ飲み」の世界を描くために徹底した取材

『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』004 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA
『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』004 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA
『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』005 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA
『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』005 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA
『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』008 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA
『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』008 画像提供:(C)うみの韻花/KADOKAWA

うみのさんが「ギャラ飲み」という言葉を知ったのは、数年前にネットニュースで「ギャラ飲み女子」の記事を見かけたことがきっかけだったという。港区や六本木に集まる富裕層の男性から、若く世間を知らない女性たちが呼ばれ、ゴージャスな世界を見せられるなかで金銭感覚が変化していく。そこから「港区女子」という言葉が使われるようになった。本作では、そんな世界に足を踏み入れた主人公・美春の心が徐々に変化していく様子が描かれている。リアリティを追求するため、うみのさん自身もさまざまな調査を重ねたそうだ。

「私は夜職の経験はありますが、『ギャラ飲み』の経験も港区で働いた経験もありませんでした。あとがきにも書いてあるのですが、面接で落ちました(笑)。なので、リアルに『ギャラ飲み』の実態を調査するために、元港区女子の方を探し何度も取材して『ギャラ飲み』のシステムや実体験を調査しました」と語るうみのさん。

港区女子が好むブランド品や服装もリサーチして漫画に取り入れているという。「漫画を読んで、『嘘っぽい』『設定が適当』など思われないように細かいところまでリアリティを追求しました。他にも、大学へ1人で見学に行き、主人公の擬似体験をしたり、港区界隈で資料集めをしました」とリアルな表現のために様々な取材を重ねたそうだ。

美春の心の変化を細かな表現で描く

美春は学費と生活費を稼ぐことで精一杯の日々を送りながら、美容のためにアルバイトをしていた。そんな彼女には、「自分に投資をする」周囲の女子大生たちが輝いて見えていたという。そんななか、大学のミスコンへの出場を勧められたことをきっかけに、人生の転機を迎える。

若さと美しさを武器に港区の「ギャラ飲み」に参加するようになった美春は、飲むだけで数万円を得られる世界を知る。無垢だった彼女にとって、お金によって人生が変わることが次第に当たり前になっていく。

うみのさんは、美春が港区女子に染まっていく過程を描く際にも細かな工夫を施したという。「主人公の美春は、港区女子として染まっていくうえで性格も歪んでいくのですが、嫌われるキャラにならないように、第1章や第2章あたりで美春の葛藤や苦悩する描写をしっかり描き、少しでも読者さんが共感や同情などできるよう構成しました。美春が港区女子に染まっていく第3章以降は、美春の目のハイライトの数を徐々に減らしていってます」と創作の細かな工夫を語る。

年齢を重ねたり整形をするたびに顔の比率を微妙に変えたり、身につけるファッションやアクセサリー・ブランド品や小物もこだわって描いたというから、ストーリーとともに絵も堪能してほしい。

美春に重ねた「もう1人の私」

美春のキャラクターには、うみのさん自身の経験も投影されている。「もともと私が、田舎出身で、上京して理想と現実のギャップに突き当たったり、お金を稼ぐことで傲慢になり、本来の目標を見失い、若さという勢いで生きてきた時期がありました。それを主人公に投影させているので、ある意味彼女は、『存在したかもしれないもう1人の私』なのです」

制作に1年半を費やしたという本作について、うみのさんは読者へ向けて「いつも温かい応援をありがとうございます!皆さまのおかげで、こうして描き上げることができました。こちらは制作に1年半を費やし、主人公と感情を一体化させて魂を込めて描いた作品です。皆さまにとって、ふとまた読み返したくなるような、そんな一冊になればうれしいです」とメッセージを寄せている。

若さを失った先に美春が何を見るのか——。華やかな世界に飛び込んだ女子大生の人生と心の変化を通して描かれる物語に注目したい。

■取材協力:うみの韻花(@umino_otoka)

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