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歯科医「早めの受診が必要です」→実は『がん』の前兆かも…“ただの磨き残し”と放置しがちな「口の中の異変」とは?

  • 2026.10.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

鏡で口の中を見たとき、舌や頬の内側に「取れない白い部分」を見つけて不安になったことはありませんか?「単なる汚れや磨き残しだろう」「そのうち治る口内炎かな」と放置したり、無理に歯ブラシでこすり落とそうとしたりしてしまう人も少なくありません。

しかし、その白い変化の裏には、自分では気づきにくいお口の病気や将来のリスクが隠れていることがあります。なぜ口の中に白い部分ができるのか、どう対処すればよいのでしょうか。

今回は、歯科医師の鷹巣多紀さんに、口の中にできる白い病変の正体や正しい対処法、受診の目安について詳しく解説していただきました。

口の中にできる「取れない白い斑点」の正体とは?

---舌や頬の内側に、こすっても取れない白い部分ができることがあります。これはどのような病気で、何が原因で起こるのでしょうか?

鷹巣 多紀さん:

「白板症は、舌や頬の内側、歯ぐきなどに、こすっても取れない白い部分ができる病変です。粘膜の表面の角質が厚くなるなど、粘膜そのものの変化によって白く見えます。汚れの膜が付いている状態とは異なり、痛みがないまま続くこともあるため、気づきにくいのが特徴です。

喫煙以外で気をつけたいのが、飲酒、とくに飲み過ぎです。白板症がある場合は、禁煙とともに、お酒を控えることが勧められています。ただし、白板症の原因はまだ十分には分かっておらず、たばこやお酒の習慣がない人にも生じます。一つの生活習慣だけで、発症の理由を説明できるわけではありません。

口の中では、欠けた歯や詰め物が粘膜に当たる、頬や舌を繰り返し噛むといった状態にも注意が必要です。同じ場所への摩擦が続くと、粘膜が厚くなって白く見えることがあります。こうした摩擦による白さと白板症は、見た目が似ていても別の変化です。

また、口の乾燥や、抗菌薬・ステロイド薬の使用などを背景に、口の中にもともといるカンジダというカビの仲間が増え、白い膜のように見えることもあります。こちらは『口腔カンジダ症』という、白板症とは別の病気です。白く見える原因によって、関係する習慣や口の環境も異なります。

白板症には、粘膜の細胞に異常な変化を伴い、将来がんに変わるものもあります。白い部分が続く場合は、『磨き残しだろう』とこすり続けず、歯科で原因を確かめてもらいましょう。」

白い部分を無理にこすったり薬を塗ったりするのはNG?

 

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---「汚れかもしれない」と歯ブラシで強くこすったり、市販の口内炎薬を使ったりしても良いのでしょうか?注意すべきポイントを教えてください。

鷹巣 多紀さん:

「無理にこすることで口の粘膜を傷つけることと、原因に合わない対処を続けて、必要な診察や治療が遅れることが心配です。

特に白板症は、表面に汚れが乗っているのではなく、粘膜そのものが白く変化している状態です。歯ブラシで磨いても取り除けません。取れないからと何度もこすると、出血やただれが生じ、食事のときにしみるようになることもあります。

一方、口腔カンジダ症では、白い付着物が取れる場合もあります。ただし、その下の粘膜が赤くただれていたり、出血したりすることがあり、取れたから治ったとはいえません。白い付着物を落とすだけでは、原因に合った治療にはならないのです。

市販薬では、ステロイド入りの口内炎薬に注意が必要です。炎症を抑える働きがありますが、カンジダなどの感染が原因の場合は、かえって悪化させるおそれがあります。『白いから口内炎だろう』と選ばず、原因が分からない段階では歯科医師や薬剤師に相談してください。

また、白板症は痛みがないこともあり、一部は将来がんに変わる可能性があります。白い変化が残るのに薬だけで様子を見続けると、検査や経過観察を始める時期が遅れてしまいます。すべてががんになるわけではありませんが、必要に応じて組織を調べるなど、見た目だけでは分からない変化を確認することが大切です。白い部分が消えないときは、痛みがなくても歯科で診てもらってください。」

自宅でできるセルフチェックと受診の目安

---自宅で確認できるポイントや、受診を判断する基準について教えてください。

鷹巣 多紀さん:

「ご自宅では、『白い部分がどこにあるか』『周りの粘膜はどうなっているか』『いつから続いているか』の3点を確認してみてください。洗面所の鏡と明るい照明があれば始められます。白さだけで病名までは決められませんが、受診するときの手がかりになります。

まず、水で軽く口をすすいでから、唇や頬の内側、歯ぐき、上あごを見ましょう。舌は前に出して左右に動かし、表面だけでなく、両脇や裏側も確認します。入れ歯があれば外してください。

舌の表面にうっすらと付く舌苔は、健康な人にもみられるものです。舌を完全なピンク色にしようと磨く必要はありません。一方、頬の内側や舌の一部などに白い斑点が残る場合は、汚れだと決めつけないことが大切です。

うがいなどで白さが変わるかも参考になります。ただし、白い部分が取れるカンジダ症もあるため、『取れたから大丈夫』とは判断できません。見分けるためにガーゼや歯ブラシでこすり取るのは控えてください。

続いて、周りに赤み、ただれ、出血、盛り上がりがないかを確認しましょう。気づいた日と場所、痛みの有無をメモし、無理なく撮れる範囲で写真も残しておくと、診察時に伝えやすくなります。

白い部分が消えずに残る場合は、痛みがなくても歯科や歯科口腔外科に相談してください。赤みやしこりを伴う、範囲が広がるといった変化があれば、特に早めの受診が必要です。口内炎のように見える変化も、2週間以上改善しなければ受診しましょう。」

お口の「白い変化」に気づいたら無理な対処を避け受診を

口の中にできる白い部分は、単なる汚れではなく粘膜自体が変化した「白板症」や、カビの増殖による「口腔カンジダ症」、歯による摩擦など、さまざまな要因が考えられます。

無理に歯ブラシなどでこすり取ろうとすると粘膜を傷つけてしまい、原因に合わない市販薬を使うとかえって悪化させたり治療を遅らせたりする危険があります。痛みがない場合でも、将来がんに変わる可能性のある変化が隠れていることもあるため、自己判断で放っておくのは危険です。

ご自宅で「場所」「周りの状態」「持続期間」の3点を確認し、メモや写真を準備した上で、白い部分が消えずに残るときや2週間以上改善しない場合は、痛みがなくても早めに歯科や歯科口腔外科で診てもらいましょう。


監修者:鷹巣 多紀

大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。

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