1. トップ
  2. ヘルスケア
  3. 『大腸がんになりやすい人』には“食生活”に特徴があった。意外と知られてない「注意すべき飲み物」とは?【管理栄養士が解説】

『大腸がんになりやすい人』には“食生活”に特徴があった。意外と知られてない「注意すべき飲み物」とは?【管理栄養士が解説】

  • 2026.10.27
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

健康や美容のために、毎朝の果汁ジュースやスムージーを欠かさないという女性は多いのではないでしょうか。しかし、その習慣が思わぬ形で体に影響を及ぼしている可能性があるとしたら、少し気になりますよね。

大腸がんは、日本人女性のがんによる死亡原因の第1位。実は、普段何気なく飲んでいる甘い飲み物が、そのリスクと関係しているかもしれないのです。

なぜ甘い飲み物に注意が必要なのか、そして毎日の生活でどんな工夫ができるのか。専門家である工藤まりえさんに詳しくお話を伺いました。

砂糖入り飲料と大腸がんリスクの関係とは

---甘い飲み物が大腸がんのリスクと関係しているというのは本当でしょうか?

工藤まりえさん:

「大腸がんは、日本人女性のがんによる死亡原因の第1位となっており、女性にとって特に気をつけたい病気のひとつです。実は、普段何気なく飲んでいる甘い飲み物も、大腸がんのリスクと関係している可能性があります。

2026年に発表された世界がん研究基金(WCRF)の研究レビューでは、砂糖入り飲料の摂取量が1日355mL増えるごとに、大腸がんの発症リスクが約7%高くなるという関連が報告されています。

その理由のひとつとして考えられるのが、糖分のとりすぎによる肥満です。砂糖入りの清涼飲料水などは、ついゴクゴク飲んでしまいがちですが、飲みすぎるとエネルギーの摂りすぎにつながります。肥満は大腸がんのリスクを高める要因のひとつなので、注意したいですね。

ただし、糖分をとること自体が大腸がんにつながると決まったわけではありません。国立がん研究センターが日本人約9万1,000人を対象に行った研究では、糖質の摂取量と大腸がん全体の発症リスクに明らかな関連は見られませんでした。一方で、女性では糖質の摂取量が多い人ほど、直腸がんのリスクが高くなる可能性も報告されています。

甘い飲み物を飲んだからといって、すぐに心配する必要はありません。大切なのは、毎日の飲み方です。水やお茶の代わりに甘い飲み物を飲む習慣がある人は、少し見直してみるといいですね。」

果汁ジュースやスムージーは本当に体にいい?見落としがちな落とし穴

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---健康のために果汁ジュースやスムージーを飲んでいる人も多いと思いますが、注意すべき点はありますか?

工藤まりえさん:

「健康や美容のために、果汁ジュースやスムージーを毎朝飲んでいるという人も多いのではないでしょうか。果物や野菜のビタミンなどを手軽にとれるのは魅力ですが、気をつけたいのが糖分の量です。

ひと口に果汁ジュースといっても、果物を搾ったストレート果汁や、いったん水分を除いてから戻した濃縮還元果汁、砂糖やシロップを加えた果汁飲料など、種類はさまざまです。ストレートと濃縮還元は、製法が違うだけで糖分の量に大きな差があるとは限りません。一方、砂糖やシロップが加えられたものは、その分糖分が多くなることがあります。

また、ジュースは果物をそのまま食べる場合に比べて食物繊維が少なく、糖分を短時間でたくさんとりやすいという特徴があります。特に空腹時に糖分の多い飲み物を一気に飲むと、血糖値が急激に上昇する『血糖スパイク』が起こりやすくなる場合もあります。こうした血糖値の急上昇を繰り返すことは、体への負担につながるため、注意したいですね。

スムージーも同様に、材料や作り方が大切です。手作りする場合も、飲みやすくするために砂糖やシロップ、はちみつなどを加えると、糖分がさらに増えてしまいます。できるだけ甘味料を足さず、素材そのものの甘みを生かしましょう。

ただし、果汁ジュースやスムージーが直接大腸がんのリスクを高めると証明されているわけではありません。健康に良さそうだからと飲みすぎず、原材料や成分を確認することも大切です。」

今日からできる、無理のない飲み物との付き合い方

---具体的に、どのように飲み物を見直していけばよいのでしょうか?

工藤まりえさん:

「大腸がんの予防を意識するなら、まず見直したいのが、毎日の飲み物からとっている糖分です。果汁ジュースやスムージーだけでなく、砂糖入りのカフェオレやミルクティー、甘い紅茶、スポーツドリンクなども、知らず知らずのうちに糖分を多くとっていることがあります。液体は短時間でたくさん飲みやすいため、飲み物全体からとる糖分を意識することが大切です。

おすすめは、普段の水分補給を水や無糖のお茶に置き換えること。コーヒーや紅茶が好きなら、砂糖を少しずつ減らすのもいいですね。ジュースを日常的に飲んでいる方は、無糖のフレーバーティーやハーブティーなどを選ぶのも良いでしょう。甘い炭酸飲料も、無糖のものやフレーバーのある無糖炭酸水への置き換えがおすすめです。(※なお、「カロリーゼロ」と表示された清涼飲料水にも人工甘味料が含まれていることがあるため、日常の水分補給はやはり水やお茶をベースにするのが理想的です)

また、野菜や果物はできるだけそのまま食べたいところですが、忙しくて十分にとれない日もありますよね。そんなときは、スムージーを活用するのもひとつの方法です。材料や作り方によっては、ビタミンやミネラル、食物繊維を手軽に補えます。砂糖やシロップは加えず、素材の甘みを生かしましょう。

大切なのは、普段の水分補給と栄養を補うための飲み物を分けて考えること。大腸がんの予防には、食物繊維を十分にとり、適度な運動や肥満の予防を心がけることも大切です。無理なく続けられる工夫を取り入れていきましょう。」

「分ける」意識が、これからの飲み物選びのカギになる

飲み物や食生活の見直しは大切な予防策ですが、どんなに気をつけていてもがんを100%防げるわけではありません。

大腸がんは早期に発見できれば治癒率が非常に高い病気です。40歳を過ぎたら自治体や職場の「大腸がん検診(便潜血検査)」を毎年欠かさず受けましょう。

また、「便に血が混じる」「便が急に細くなった」「下痢と便秘を繰り返す」といった症状がある場合は、生活習慣のせいにして放置せず、速やかに消化器内科を受診してください。


監修者:工藤まりえ
大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ