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「他人事ではない」医師が警告。実は“知らぬ間に”感染しているかも…『梅毒』で見落としがちな「意外な感染経路」とは?

  • 2026.10.27
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「昔の病気」「自分には関係ない」と思われがちな梅毒ですが、国内の報告数はここ十数年で大きく増えており、誰にとっても他人事ではない病気となっています。

なぜ気づかないうちに感染が広がり、見過ごされてしまうのでしょうか?どのような行為で感染し、不安があるときはどう対処すればよいのでしょうか。

今回は、医師の小内友紀子さんに、梅毒が広まる理由や意外な感染経路、そして私たちが取るべき正しい対策について詳しくお話を伺いました。

なぜ気づかない?梅毒が感染拡大する背景とよくある誤解

---近年報告数が増えている梅毒ですが、なぜ気づかないうちに広まってしまうのでしょうか?また、どのような誤解があるのでしょうか?

小内友紀子さん:

「梅毒が気づかないうちに広がる最大の理由は、症状が軽く、しかも自然に消えてしまうことです。

感染から3週間ほどで性器や口にしこりや潰瘍ができますが、多くは痛みがありません。その後に出る発疹も、かゆみがないため見過ごされがちです。どちらも治療しなくても数週間で消えるため、『治った』と思い込んでしまいます。しかし実際には、菌は体内に残ったままです。

誤解も背景にあります。『梅毒は昔の病気』『風俗に行かなければ関係ない』と考える方は少なくありません。しかし国内の報告数はここ十数年で大きく増え、特に20代の女性で目立っています。特別な行動をしていない方でも、パートナーを通じて感染する可能性があります。

また、一度治っても免疫はできず、何度でも再感染します。さらに、梅毒による粘膜のただれや傷口があると、そこからHIV(エイズウイルス)など他の性感染症にも感染しやすくなるため注意が必要です。」

オーラルセックスでも感染?意外な感染経路と注意点

---どのような行為で感染するのでしょうか?オーラルセックスのリスクや注意点についても教えてください。

小内友紀子さん:

「梅毒は、病変部の皮膚や粘膜が直接触れることで感染します。そのため、性器同士の接触だけでなく、オーラルセックスでもうつります。口の中や唇に病変ができることもあり、口内炎と思って放置されるケースもあります。

『オーラルなら妊娠しないし安全』と考えてコンドームを使わない方は多いのですが、梅毒に限らず、淋菌やクラミジアも喉に感染します。喉の感染はほとんど症状がなく、本人が気づかないままパートナーにうつしてしまいます。

なお、コンドームはリスクを大きく減らしますが、覆われていない部分に病変があれば感染は防げません。特に妊娠中の感染は、胎盤を通して胎児に感染し、死産や早産、赤ちゃんの骨や神経に重い障害を残す『先天梅毒』を引き起こす極めて重大なリスクがあります。パートナーも含めた予防と早期発見が欠かせません。」

感染の不安があるときはどうする?検査のタイミングと治療

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---もし感染の不安がある場合、まず何をすべきでしょうか?検査を受ける場所やタイミング、治療法について教えてください。

小内友紀子さん:

「最も優先度の高い一歩は、『検査を受けること』です。梅毒は血液検査で診断でき、多くの保健所では匿名・無料で検査を受けられます。泌尿器科や婦人科、性病科、皮膚科などの医療機関でも診察や検査を受けられます。

ただし、感染直後は血液検査で陽性にならないことがあります。心当たりの行為から4週間〜6週間ほど経ってから受けるのが目安です。(※もし陰性であっても、感染初期で反応が出なかった可能性が疑われる場合は、時期をあけて再検査を受けるとより確実です)。

なお、しこりや発疹などの自覚症状がすでにある場合は、時期を待たずにすぐ受診してください。
陽性とわかったら、パートナーにも必ず検査を勧めましょう。片方だけ治療しても、再びうつし合ってしまうからです。また、治療を開始してから医師による治癒(あるいは他人に感染させない状態)の確認が出るまでは、コンドームの有無にかかわらず性行為(オーラルセックスを含む)を控えてください。

梅毒はペニシリン系の抗菌薬で治せる病気です。ペニシリンアレルギーがある方には別の抗菌薬が選択されますので、アレルギー歴のある方は必ず医師に申告してください。早く見つけるほど、治療もシンプルに済みます。」

正しい知識を持って早めの検査と受診を

「自然に症状が消えるため治ったと思い込みやすい」「自分には関係ないと思われがち」という梅毒の事実は、誰もが無関係ではいられないことを物語っています。

症状が消えても体内に菌は残り続けるため、放置せず早めに気づいて受診することが重要です。梅毒はペニシリン系の抗菌薬でしっかり治療できる病気だからこそ、不安がある方は心当たりの行為から4週間を目安に、保健所や専門の医療機関で検査を受けましょう。

自分だけでなく大切なパートナーを守るためにも、気になったらすぐに検査を受ける行動を起こすことが大切です。


監修者:小内友紀子
公益財団法人ときわ会 常磐病院 泌尿器科 診療副部長、東京女子医科大学病院 泌尿器科 講師、医師、医学博士。女性泌尿器科医師として、普段は女性によくある尿もれから、男性の前立腺癌をはじめとする泌尿器科領域の癌診療まで診療しております。【資格】医師
/ 医学博士 / 泌尿器科専門医・指導医 / 透析医学会専門医・指導医 / 排尿機能学会専門医

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