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50代男性「最近、何を食べても味が薄く感じる…」→気になって耳鼻咽喉科を受診すると…医師から告げられた“驚きの原因”とは?

  • 2026.10.27
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、歯科医師の鷹巣多紀です。

いつもの料理なのに、自分だけ味が薄く感じることはありませんか。家族は普段どおりに食べていると、自分の好みや体調のせいだと思い、塩やしょうゆを足して済ませてしまうかもしれません。

今回の52歳男性も、料理の味付けが変わったと思っていました。外食でも味がはっきりしなくなり、やがて好物まで残すようになります。歯医者への相談から検査につながった経過をたどりながら、口の乾燥や薬との関係、味の異変をどこに相談すればよいのかをお伝えします。

 塩を足しても、好物がおいしく感じられない

52歳の男性Bさんは、家の料理が以前より薄味になったと感じ、自分の皿に塩やしょうゆを足すようになりました。家族と感じ方が違っても、自分が濃い味を好むせいだと考えていたのです。

そのうち、外食でも味がはっきりしなくなります。それでも仕事の疲れや年齢のせいだと思い、受診には結びつきませんでした。

やがて、好物を食べてもおいしさを感じられず、途中で箸が止まるようになりました。妻から外食に誘われても、食事を楽しめないと思うと気が進みません。味を足してしのいでいた間に、家でも外でも食べる楽しみが減っていたのです。

また、このように「味が薄いから」と塩やしょうゆを足し続ける習慣は、知らず知らずのうちに深刻な塩分過多を招き、高血圧や腎臓の病気、心血管疾患を引き起こしたり悪化させたりする大きなリスクにもつながります。

歯医者の定期受診で、Bさんは「最近、何を食べても味が薄く感じます」と相談しました。舌や粘膜、唾液の状態を診てもらい、飲んでいる薬や食生活についても確認を受けます。

さらに耳鼻咽喉科へ紹介され、味やにおいの感じ方を調べる検査と血液検査へ進みました。血液中の亜鉛(体に必要なミネラルの一つ)が低いと分かり、他の原因も検討した結果、亜鉛不足の関与が考えられたのです。Bさんは医師の管理のもとで治療を始めました。

 味が薄く感じる原因と相談先

味覚は、甘味や塩味、酸味、苦味、うま味を感じる働きです。料理の風味には鼻で感じる香りも関わるため、においが分かりにくくなると、味がしないと感じることがあります。

味覚の低下には、亜鉛不足のほか、薬の影響、口の乾燥、口腔カンジダ症(カビの一種が増えて起こる病気)、鉄不足による貧血に伴う舌の炎症などが関わります。薬の影響で唾液が減り、口が乾いて味を感じにくくなる場合もあるため、服薬の確認も必要です。口の乾きや舌の痛みがあれば、歯医者にも伝えてください。

なお、もし「突然急激に味がしなくなった」「舌の片側(左右どちらか半分)だけ味がしない」「手足のしびれや脱力、ろれつが回らない症状を伴う」といった場合は、舌や耳鼻科の病気ではなく、脳梗塞や脳出血などの脳の病気が疑われます。その際は様子を見ず、直ちに脳神経外科や救急外来を受診してください。

検査では、基本の味を感じにくいのか、料理の香りが分かりにくいのかを分けて確かめます。血液検査も、亜鉛だけでなく貧血などが関わっていないかを、診察に応じて調べるためのものです。

味やにおいそのものの検査は、耳鼻咽喉科が相談先の一つです。歯医者では口の中を確認し、必要に応じて耳鼻咽喉科や内科などへつなぎます。どの歯医者でも専門的な味覚検査を受けられるわけではありません。

 亜鉛の検査値だけでは分からないこと

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

血液中の亜鉛が低くても、その結果だけで味覚低下の原因が決まるわけではありません。数値が低くても症状が出ない人もいます。採血の時間や食事の影響もあるため、症状や他の原因、治療後の変化を合わせて判断します。

Bさんは治療を続けながら、味の感じ方と食事量の変化を診察時に伝えるようになりました。検査値も確認し、改善が乏しければ治療方針を見直していきます。

亜鉛は、多く取るほどよいものではありません。取りすぎると銅の吸収を妨げ、貧血などを起こすことがあります。市販のサプリメントを自己判断で増やして飲み続けたり、服用中の薬を自分でやめたりしないでください。

「自分だけ味が薄い」も受診のきっかけに

「料理の問題だと思い込んでいました。好物まで残すようになる前に、自分の変化として伝えればよかったです」と、Bさんは振り返りました。

家族と同じ料理でも自分だけ薄く感じる、外食でも味が分かりにくいなど、身近な違和感も相談のきっかけです。味覚障害は、発症から半年以上など長く放置してしまうと、味を感じる細胞や神経の回復が難しくなってしまうことがあります。「そのうち治るだろう」と放っておかず、できるだけ早く受診することが大切です。

いつから続き、食べる量や口の乾き、においの感じ方がどう変わったかを、歯医者や耳鼻咽喉科へ伝えましょう。
食事量が減っているなら、定期受診の日まで我慢する必要はありません。薬やサプリメントの名前が分かる物(お薬手帳など)も持参してください。


執筆・監修:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。
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