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『腎臓病が悪化しやすい人』は“口の中”に共通点があった。当てはまったら要注意…医師が明かす「2つの危険な特徴」とは?

  • 2026.10.21
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「歯ぐきの腫れや出血が気になるけれど、痛くないから大丈夫」と放置していませんか? 実は、お口の中で起きている炎症が、老廃物をろ過する「腎臓」の健康に関わっているかもしれないことが分かってきました。

歯の病気である歯周病と腎臓には、一体どのようなつながりがあるのでしょうか。また、健康を保つために私たちが気をつけるべきポイントとは何なのでしょうか。

今回は歯科医師の鷹巣多紀さんに、お口と腎臓をつなぐ意外な仕組みや見逃せないサイン、今日から始められる正しいセルフケアについて伺いました。

なぜ「歯周病」が「腎臓」に影響する? 知っておきたい仕組みと関係性

---歯の病気である「歯周病」が、なぜ離れた場所にある「腎臓」に影響を与えるのでしょうか? その仕組みについて教えてください。

鷹巣 多紀さん:

「歯と腎臓の関係で注目されているのは、歯周病の細菌やその成分と、歯ぐきの炎症が長く続くことです。歯周病は、歯と歯ぐきの境目に付着したプラーク(細菌のかたまり)をきっかけに起こります。進行すると歯ぐきだけでなく、歯を支える骨にも影響が及ぶ病気です。

歯周病が進むと、歯と歯ぐきの間の『歯周ポケット』が深くなり、その内側の組織が傷つきます。すると、細菌やその成分が歯ぐきの血管から血液中へ入りやすくなるのです。また、細菌に反応した免疫細胞は、炎症を起こす物質をつくります。こうした細菌の成分や炎症物質が血流を通じて全身に影響することが、お口と腎臓をつなぐ仕組みとして考えられています。

腎臓の役割は、細い血管を通じて血液をろ過し、余分な水分や老廃物を取り除くことです。歯周病菌の成分などが腎臓の細胞に作用すると、炎症や、組織が硬くなる『線維化』を促す可能性があります。線維化が進めば、血液をろ過する働きが損なわれかねません。このような仕組みは、糖尿病のあるマウスなどを使った実験で調べられてきました。ただし、実験で起きた変化が、そのまますべての人に当てはまるわけではありません。

一方で、腎機能が低下した方は唾液が減って口が乾きやすく、歯周病も多いことが分かっています。お口から腎臓への影響だけでなく、腎臓病に伴ってお口の状態が変わるという、反対方向の関係もあるのです。

さらに、糖尿病や喫煙など、歯周病と腎臓病の両方に関わる要因もあります。そのため、『歯周病があるから腎臓病になる』『歯ぐきから出血したから腎臓も悪い』とは判断できません。大切なのは、腎臓病の治療とあわせて、お口の炎症も放置しないことです。」

放置は厳禁! 見逃したくないお口の3大サインと通院時のポイント

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---お口のケア不足や歯周病の放置にはどんなリスクがありますか? また、注意すべきサインや受診時のポイントを教えてください。

鷹巣 多紀さん:

「口腔ケアの不足で気をつけたいのは、磨き残しや歯周病を長く放置し、お口の炎症が続いてしまうことです。プラークが残ると歯ぐきの炎症が治まりにくく、進行すれば歯を支える組織まで傷ついていきます。重い歯周病と腎機能の低下には関連があり、こうした炎症が腎臓にも影響する可能性が考えられています。

特に糖尿病もある方は、歯周病への対応が大切です。歯周病による炎症は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きを妨げ、血糖を管理しにくくすることがあります。高血糖は腎臓の細い血管を傷める原因になるため、血糖管理の面からも歯周病をそのままにしないでください。

見逃したくないお口の変化は、『歯ぐきの腫れや出血が続く』『歯ぐきが下がり、歯がぐらつく・噛みにくい』『口臭が以前より強くなり、続いている』の3つです。腫れや出血は炎症、ぐらつきは歯を支える組織の傷みが関わっている可能性があります。ただし、いずれも腎臓病の悪化に特有のサインではありません。お口の病気を疑い、歯科で原因を確かめてもらう目安と捉えましょう。

また、歯周病は痛みが目立たないまま進むことがあります。『痛くないから大丈夫』と考えたり、口臭を洗口液で一時的に抑えるだけで済ませたりすると、受診が遅れかねません。プラークが硬くなった歯石や、深い歯周ポケット内の汚れは、自宅の歯みがきだけでは十分に取り除けないものです。

歯周病治療によって腎機能の検査値が改善した小規模な試験はありますが、長期的な悪化を防げるかは、まだ十分に確認されていません。それでも、歯ぐきの炎症を抑え、歯を失うリスクを減らすために治療する意義はあります。

腎臓病で通院している方は、歯科でも病名や服用中の薬、透析の有無を伝えてください。腎機能や治療内容によって、薬の種類・量や処置の時期に配慮が必要になるためです。お薬手帳を持参し、必要に応じて主治医と連携してもらうとよいでしょう。」

今日から始められる! 歯ぐきの炎症を防ぐ正しいセルフケア

---お口の炎症を抑えて健康を保つために、私たちが今日からできるセルフケア方法を教えてください。

鷹巣 多紀さん:

「最初の一歩としておすすめしたいのは、いつもの歯みがきに、1日1回の『歯と歯の間の清掃』を加えることです。歯ブラシは歯の表面を磨くのに適していますが、歯が隣り合う部分には毛先が十分に届きません。毎日磨いていても、こうした場所にプラークが残り、歯ぐきの炎症につながることがあります。

すき間が狭いところにはデンタルフロス、広いところにはサイズの合った歯間ブラシを使いましょう。フロスは勢いよく歯ぐきへ押し込まず、ゆっくり通したら、片方の歯の側面に沿わせてやさしく上下させます。次に隣の歯の側面も同じように清掃するのがポイントです。ただ通して食べかすを取るだけでなく、歯に付着したプラークを落とすことを意識してください。歯間ブラシも無理に押し込まず、使いにくければ歯科でサイズと動かし方を確認してもらいましょう。

歯みがきは、フッ素入りの歯みがき剤を使って1日2回が基本です。歯と歯ぐきの境目に毛先を当て、軽い力で小さく動かします。歯周病対策ではプラークを取り除くこと、むし歯対策ではそれに加えてフッ素を活用することが大切です。洗口液を使う場合も、歯ブラシやフロスの代わりではなく、補助として取り入れてください。

歯間清掃は、たとえば夜の歯みがきとセットにすると、続ける時間を決めやすくなります。出血がある場所は、歯ぐきに炎症が起きていることもありますが、無理に強くこするのは避けましょう。腫れや出血が続く方は、セルフケアだけで様子を見ず、歯科の予約も取ってください。歯ぐきの奥にある歯石を取り除くことと、毎日の磨き残しを減らすことは、どちらも欠かせません。

お口のケアだけで腎臓病の悪化を防げるとまでは分かっていませんが、歯ぐきの炎症を抑え、食事をとりやすい状態を保つためには役立ちます。腎臓の通院や服薬を続けながら、まずは歯ブラシが届いていなかった場所を、毎日きれいにすることから始めてみてください。」

毎日の「歯間清掃」からお口と全身の健康を守ろう

歯周病による炎症や細菌の成分が血流に入り、全身や腎臓の働きに影響を与える可能性について解説しました。お口のケアだけで腎臓病を完全に防げるとまでは言えませんが、歯ぐきの炎症を抑えてしっかり食事をとれる状態を保つことは、全身の健康にとって大きな意味を持ちます。

まずは今日から、いつもの歯みがきに加えて「1日1回の歯間清掃」を始めてみましょう。そして腫れや出血などの不調があれば放置せず、専門家である歯科医院を頼ることが大切です。毎日の正しいセルフケアとプロのケアを組み合わせて、お口と体の健康を守っていきましょう。


監修者:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。
歯科医師ママkiki|note: https://share.google/uUYsDiSMnkNKZCrOw X: https://x.com/kikimama0405 

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