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「オエッ」奥歯を磨くとえずいてしまう50代男性→ある日、歯医者を受診したところ…医師から告げられた“予想外の事実”とは?

  • 2026.10.21
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!歯科医師の鷹巣多紀です。

歯磨きの途中で吐き気を催し、慌てて歯ブラシを口から出したことはありませんか。奥歯に汚れが残っていると分かっていても、もう一度磨くのはつらいものです。

今回は、えずくのを恐れて奥歯の歯磨きや受診を避けていた男性のお話を紹介します。

奥歯に虫歯、歯茎には腫れと出血

50歳の男性Aさんは、歯ブラシが口の奥に触れると「オエッ」と強くえずいてしまうことに悩んでいました。前歯や奥歯の外側は磨けても、内側や一番奥まで磨くのは難しかったといいます。

以前、歯医者の診察でもえずいたことがありました。それでも「大人なのに恥ずかしい」と言い出せず、やがて受診そのものから足が遠のいたのです。

ある朝、冷たい水を飲むと奥歯がしみました。食べ物も同じところにはさまるようになり、Aさんは歯医者の予約を取りました。

診察とエックス線検査で分かったのは、奥歯の虫歯です。穴が開いており、歯磨きでは元に戻らず、詰める治療が必要でした。

磨けていなかった奥歯の周りには歯垢がたまり、歯茎の腫れや出血も見られました。歯茎の診察では歯肉炎も確認され、清掃が必要な状態です。

治療の説明を受け、Aさんはようやく「えずくのが怖くて、来られませんでした」と打ち明けました。診察を避けていたのに、今度は虫歯の治療も受けなければなりません。

「奥歯を磨けないことだけでも、先に相談すればよかったです」と、受診を後回しにしたことを振り返りました。

 磨き残しが招く虫歯と歯茎の炎症

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

口の奥や舌に触れるとえずく反応を、嘔吐反射と呼びます。異物が喉へ入るのを防ぐ体の反応で、起こりやすい場所や強さは人によって違います。

我慢が足りないから起こるわけではありません。ただ、反射がつらくて奥歯を避けていると、歯垢(細菌の塊)が残りやすくなります。

虫歯は、歯垢の中の細菌が飲食物の糖などから酸を作り、歯を溶かすことで生じる病気です。食べ方や唾液なども関わるため、嘔吐反射だけが原因とはいえません。

歯垢中の細菌は、歯茎の腫れや出血を伴う歯肉炎の原因にもなります。Aさんは清掃に困ったまま受診も避け、歯と歯茎の両方に問題を抱えていました。

 えずくときに相談できる歯磨き・診療の工夫

Aさんは鏡を見ながら、歯ブラシが奥歯の内側から舌に触れるとつらいことを説明しました。診察中は、左手を上げたらいったん止めてもらう約束です。

器具を入れる前に説明を受け、休憩を挟みながら虫歯の治療と歯垢や歯石の除去を受けました。自宅で使う歯ブラシは、毛の部分が小さいものを試すことにしたのです。

舌に触れにくい角度で歯に毛先を当てる方法を教わり、磨く順番や、途中で休むタイミングも相談しました。無理に奥へ押し込まず、休んでから磨き残した歯に戻ります。

後日の診察では、奥歯の磨き残しと歯茎の出血が減っていました。えずくことはあっても、休みながら奥歯にも毛先を当てられるようになったと話します。

歯ブラシの大きさや姿勢を変える方法は、誰にでも合うとは限りません。試してもつらければ、磨けた場所と難しかった場所を、次の受診時に伝えてください。

また、えずきを抑える方法には、効果を裏づける研究が十分でないものもあります。反射が強くて処置を進めにくい場合は、対応できる受診先も含めて相談しましょう。

えずく悩みは診察前に伝える

歯ブラシがどこに触れるとえずくのか、診察でも同じ反応が出るのかは、予約時から伝えて構いません。

痛みが出るまで待たず、磨けない場所があることを相談してください。

休憩の取り方や、中断してほしいときの合図を先に決めておけば、診察の途中で言い出しにくい方も意思を伝えやすくなります。


執筆・監修:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています

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