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ヨシロットンの大規模個展「彼方との交信/BEYOND EARTH」がTOKYO NODEで開催。JAXAと挑む“宇宙アート”とは?

  • 2026.9.25

アーティスト、アートディレクターとして国内外で活動するヨシロットンの大規模個展「ヨシロットン展 彼方との交信/BEYOND EARTH」が、2026年10月30日から2027年1月11日までTOKYO NODEで開催される。東京では8年ぶりとなる大規模個展で、JAXAの協力による天体観測データを用いた完全新作をはじめ、代表的な「RGB」「FUTURE NATURE」「SUN」シリーズを過去最大規模で展開する。

「ヨシロットン展 彼方との交信/BEYOND-EARTH」展示プラン・シミュレーション画像 。

「見えないもの」を可視化してきたヨシロットン、その視線が宇宙へ

グラフィックデザイン、映像、空間演出、ファインアートまで、領域を横断しながら独自の視覚言語を築いてきたヨシロットン。音楽やファッション、都市文化と深く関わる一方で、アーティストとして長年取り組んできたテーマが「見えないものの可視化」だ。

「ヨシロットン展 彼方との交信/BEYOND-EARTH」展示プラン・シミュレーション画像。 Hearst Owned

本展では、その探求を象徴する「RGB」「FUTURE NATURE」「SUN」という3つのシリーズを中心に、約1500平方メートルにおよぶTOKYO NODE GALLERYを使った新作群を発表。自然や光、色彩を扱ってきたこれまでの実践をさらに押し広げ、その視線を地球の外側へと向ける。

1983年鹿児島生まれのヨシロットンは、クリエイティブスタジオ「YAR」を率い、エルメスやナイキ、G-SHOCKをはじめ、スティーヴィー・ワンダー、山下達郎、宇多田ヒカル、XGなど数多くのブランドやミュージシャンとも協業してきた。近年は、地球や天体、地域の風土、色彩などへのリサーチとSF的な想像力を接続した作品を発表し、ファインアートでの活動も広げている。

YOSHIROTTEN 撮影:宮前一喜

JAXAの観測データが、光や音、絵画へと変わる

本展の大きな見どころとなるのが、JAXAの協力によって生まれた完全新作だ。

ヨシロットンは、JAXA宇宙科学研究所教授でX線分光撮像衛星XRISMの研究主宰者を務める山口弘悦と対話を重ね、最新の天体観測データや研究から着想した作品を制作した。

ヨシロットンによる《宇宙百景-光気》 Hearst Owned

《Puddle Cygnus X-1》では、XRISMによるブラックホールの観測データを加工し、絵画と映像へと変換。《Light Pulse》では、国際宇宙ステーション(ISS)が捉えた全天観測データを光と音に置き換え、ギャラリー全体を包み込むインスタレーションとして展開する。超新星爆発のプロセスを描く《Supernova》や、恒星の軌道を彫刻へと置き換えた《Halo》なども発表される。

日本初の人工衛星「おおすみ」でも使用された管制卓 撮影:宮前一喜

さらに、日本の宇宙開発の実機も会場に登場する。太陽光の圧力を利用して航行する宇宙帆船IKAROSや、1970年に日本初の人工衛星「おおすみ」を軌道へ導いた管制卓も展示される予定だ。

科学的なデータを単に視覚化するのではなく、それを色や光、音、身体的な体験へと変換する。宇宙という人間の感覚では捉えきれない存在と、ヨシロットンがこれまで追究してきた「見えないものの可視化」が交差する展示となりそうだ。

ポケモン、音楽、出版。展覧会はギャラリーの外へ

「BEYOND EARTH」の世界は、展示室だけにはとどまらない。

49階の屋上「SKY GARDEN & POOL」では、「ポケモンカードゲーム & ヨシロットンパーク」を同時開催。ヨシロットンが手がけたミュウ、ミュウツー、ピカチュウのカードグラフィックを起点にした空間が展開される。

「ポケモンカードゲーム&ヨシロットンパーク」シミュレーション画像 Hearst Owned

夜になると同じ屋上空間は、本展の絵画《The Earth》から発展したビデオインスタレーション「ビヨンドアースガーデン」へと変化する。さらに12月からは虎ノ門ヒルズのパブリックスペースにも発光する彫刻作品などが登場し、展覧会の世界観が街へと広がっていく。

ヨシロットンの創作に欠かせない音楽をめぐるプロジェクトも充実している。BEATINKからは、本人が本展をイメージして選曲した限定LP「BEYOND EARTH Compiled by YOSHIROTTEN」を発売。TOKYO NODE DININGでは、本人監修による「MUSIC BAR 宇宙」も開催されるほか、J-WAVEでは約3カ月にわたりヨシロットン自身がナビゲーターを務める連動番組も放送される。

「BEYOND EARTH PAPER」シミュレーション画像 Hearst Owned

また、展覧会を多角的に読み解く、MCNAI magazineが共同編集のフリーペーパー「BEYOND EARTH PAPER」と、約20年にわたる仕事や展覧会、ファンジンまでを網羅した記録集『Radial Graphics Bio』も刊行予定。

アート、科学、音楽、グラフィックデザイン、さらには都市空間まで。本展はヨシロットンがこれまで越境してきた複数の領域を、「宇宙」というひとつの視点から結び直す試みとも言えそうだ。

YOSHIROTTEN
ヨシロットン
:1983年、鹿児島県生まれ。東京を拠点に活動するアーティスト、アートディレクター。クリエイティブスタジオ「YAR」を主宰し、音楽、ファッション、広告など幅広い領域で活動。「見えないものの可視化」をテーマに、自然や光、色彩、宇宙への関心を融合させた作品を制作。国内外で展覧会を開催し、独自の視覚表現を展開している。

10/30〜2027/1/11、TOKYO NODE GALLERY A/B/C(東京都港区虎ノ門2-6-2 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45階)

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