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食べたあとに歩いただけで息苦しい…大人に多い「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」とは

  • 2026.9.20

食べたあとに歩いただけで息苦しい…大人に多い「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」とは

長引く咳や、繰り返すじんましん。「年齢のせい」「体質だから」と、気になる不調をそのままにしていませんか? 実は、そうした症状の背景に「かくれアレルギー」がひそんでいることも! 呼吸器・アレルギーの専門医、鈴木慎太郎さんの新刊『その不調、「かくれアレルギー」が原因かも』(あさ出版)からお届けする第2回は、成人に少なくない「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」について。

食物依存性運動誘発アナフィラキシー

歩くと発症するアナフィラキシーショック

58歳の男性Aさんは、テーマパーク巡りが趣味です。

普段は遊びに夢中で食事も忘れがちですが、その日は限定グッズ目当てに園内で買ったチュロス(小麦粉の細長い揚げ菓子)を食べ歩いていました。

3本目を食べて約10分後、全身が急にかゆくなり、妻から顔の腫れを指摘されます。

その後、息苦しさが強まり、ついには動けなくなってしまいました。

どんなアレルギー?

食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、特定の食べ物を食べただけでは症状が出ないものの、その後に運動をするとアナフィラキシーが起こる病気です。成人に比較的多くみられる食物アレルギーの一種として知られています。

原因となる食べ物で最も多いのは小麦で、特に小麦に含まれる「ω(オメガ)-5グリアジン」というアレルゲンが主な原因であることがわかっています。

そのほか、甲殻類、ナッツ類、果物や野菜、肉類などでも起こることがあります。特徴的なのは、食べただけでは問題がなくても、その後に運動などを行うことで症状が現れる点です。

主な症状

全身のじんましん
皮膚の強いかゆみ
顔や唇の腫れ
息苦しさ、呼吸困難
腹痛、吐き気
血圧低下や意識障害(重症の場合)
など

【解説】食事と運動の組み合わせで起こるアレルギー

子どもの食物アレルギーでは、原因となる食べ物を食べると毎回同じような症状が出る「典型的な」反応が多く見られます。一方、成人では、食べ物だけでは症状が出ず、運動やほかの要因と組み合わさって発症する「非典型的な」タイプが少なくありません。その代表が食物依存性運動誘発アナフィラキシーです。

例えば、昼食にラーメンを食べた後に歩いて帰宅する途中で発症したり、朝にパンを食べて通勤中に症状が出たりすることがあります。思春期では、体育の授業や部活動の前にパンやうどんを食べて運動中に発症するケースもあります。

運動によって腸からアレルゲンが吸収されやすくなることや、体内の血流の変化などが関係していると考えられています。また、アルコールや鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬/NSAIDs)が症状を起こしやすくすることもあります。

食べ物だけでは症状が出ないため気づきにくく、診断するためには生活状況や食事について詳しく聞き取りが行われます。

【気をつける方法】原因の食べ物を特定し、食後の運動を控える

対策の基本は、原因となる食べ物を食べた後に運動をしないことですが、そのためには、まず原因となる食べ物を特定することが大切です。

一般的には、摂取後2〜3時間は激しい運動を控えるよう指導されます。運動だけでなく、早歩きや買い物などの軽い運動や活動でも症状が出る場合があるため、注意が必要です。

また、アルコールや鎮痛薬が発症を助長することがあるため、同時に摂取しないようにします。過去に強い症状を経験した人は、緊急時に使用するアドレナリン自己投与薬を携帯しておくことが重要です。

食物依存性運動誘発アナフィラキシーは再発も多く、重症化しやすいアレルギーの1つです。

この病気が疑われる場合は、アレルギー専門医を受診し、原因となる食べ物や発症条件を詳しく確認するようにしましょう。

※この記事は『その不調、「かくれアレルギー」が原因かも』鈴木慎太郎著(あさ出版刊)の内容をウェブ記事用に再構成したものです。

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