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家族が自室に引きこもりがち。「刺激しないほうがいい」と腫れ物に触るような対応になる前に【監修者インタビュー】

  • 2026.9.19

【漫画】本編を読む

愛美は夫・賢二とごく普通の夫婦として、幸せに暮らしていた。しかしある日、突然賢二の両親が事故に遭い、義父が亡くなる。悲しみに暮れる中、義父の葬儀に現れたのは怪しげな男。その男は、夫の兄・聡一だった……。聡一という兄がいること、聡一は高校生の頃から引きこもっていることを愛美は初めて知る。義家族はなぜ聡一の存在を隠していたのか?

『隠された家族』(のむ吉:著、小瀬古伸幸:監修/KADOKAWA)は統合失調症を患う兄をめぐり、家族がどう向き合っていくかを描いた物語だ。本作を監修した精神科認定看護師の小瀬古伸幸さんにインタビュー。精神疾患を抱える家族のサポートにも力を入れる小瀬古さんに、家族が抱えている問題とその解決の糸口、精神疾患に関する近年の研究成果についてまで、広くお話を伺った。

※統合失調症をはじめとした精神疾患の進行や症状は個人差がありますので、詳細は医療機関等にご確認ください

――本作では精神疾患を抱えた兄・聡一を家族は世間から隠そうとするわけですが、実際患者さんのご家族はどういった対応をされる方が多いのでしょうか?

小瀬古伸幸さん(以下、小瀬古):さまざまではありますが、まず、精神疾患は身体的な病気に比べて、周囲からはわかりづらいですよね。一時的な落ち込みなのか、うつのような長期的な落ち込みなのか、一般の方からすると見分けがつきにくい。なので、ご家族も最初は「頑張れ」と励ましたり、「こういう風にしたら」とアドバイスしたりといった形でサポートするケースが多いです。

それでもどうにもならない場合、受診されたら治療につながるわけですが、聡一のような場合は引きこもりになってしまったりするわけです。ただそれも一気に引きこもりになるわけではなく、段階があります。例えば本作にもありましたが、最初は食卓で家族そろって食べているけど、そのうちリビングにこなくなって、部屋に持って行ったら食べる。となると「それで食べるなら」と毎日持って行くようになる。しかしそうしていると、本人は家族がいない時間帯はリビングに来るけど、いる時には自室に引きこもるようになる。そうして家族も「この子は刺激しないでおこう」と腫れ物に触るような対応になってしまうわけです。

――そうならないためにというか、例えば子どもの様子がちょっとおかしいなと感じた場合は、どうしたらいいのでしょうか?

小瀬古:誰かに相談することですね。まず市民の相談に乗ってくれるのは精神保健福祉センターや保健所だと思います。こういうケースは継続した相談が必要なので、精神保健福祉センターがおすすめです。都道府県に必ず1か所はあります。

私のいる奈良県では、県が相談窓口を設け、臨床心理士が電話や面談を通じて継続的に相談に応じる支援があります。最初の相談窓口は臨床心理士ですが、県から委託を受け、さまざまな専門職で構成されたチームが連携して支援にあたっています。例えば、お金に関する問題であれば、障害年金などに詳しい社会保険労務士や行政書士、就労に関する問題であれば、就労支援に詳しい精神保健福祉士など、相談内容に応じて必要な専門職や専門機関につないでもらうことができます。

私自身は医療分野を担当しており、相談内容に応じて、家族からの相談を受け入れているクリニックを紹介するなど、必要な医療につなぐ役割を担っています。

取材・文=原智香

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